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「123万円へ引き上げ」と聞いて思い出した名作

123万円ですか。

年収500万円の人の場合、国民民主党の案(壁を178万円へ引き上げ)では年間13万円の減税効果。一方、与党案では1万円とのこと。

年間1万円。ないよりはいい。実感としては何も変わりません。

「財源が心配だから123万でOK」みたいな方は、何度か紹介している↓をご一読くださいませ。消費税だけではなく、国債や財源に関する認識をも正してくれる一冊です。

そもそも玉木さんは178万という数を理詰めで算出したわけで、変更の余地はなかった。ただ自民党(&財務省)が妥協案を出してくるのもわかっていたはず。少々攻め方が正直過ぎたかもしれません。

荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社)の17巻を思い出しました。

舞台はパキスタンの大都市カラチ。ジョセフが5人分のドネル・ケバブを買おうとする。提示された金額は日本円に換算すると1000円。彼はお見通しだよという態度で大笑いし、250円にしろと伝えます。こんなに安くしてもらったら悪いなあぐらいの値段を。

紆余曲折を経て、相手は700円という妥協案を出してきます。そこから交渉に入り、最終的には425円で購入。半額以下だと喜ぶジョセフ。しかし真の勝者はケバブ売りでした。なんと普段は5個で150円だったのです。

かつて従事していた訪問販売の世界でも、百戦錬磨の営業マンたちが似たような駆け引きをしていました。お客さんに感謝と達成感を抱かせ、でも実はこっちの狙い通りという額で契約を結んでいたのです。

178万円を先に出すのではなく、まずは220万ぐらいを提示する。そこから交渉をスタートし、あたかも与党の顔を立てるように178万付近で手を打つ。いまさらですが、そういうやり方もあったのかなと思いました。

引き続き事態を注視します。

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