「逢坂冬馬の新刊」の前に読みたい一冊
朗報。
「同志少女よ、敵を撃て」で昨年の本屋大賞を受賞した逢坂冬馬さんの新刊が10月に早川書房から出ます。
タイトルは「歌われなかった海賊へ」。舞台は1944年のドイツとのこと。「エーデルヴァイス海賊団」というのはどこかで目にしたような? でもあえて予備知識ゼロで作品世界を堪能し、読了後に史実を調べようと考えています。
「同志少女よ~」はこれまでに読んだ全小説のなかで最高傑作のひとつでした。独ソ戦を生々しく描いた500ページ近い重厚な作品。しかし決して冗長ではありません。特に終盤で著者の真意を察したときの衝撃と己の無知無理解に対する恥の感覚が忘れられない。ウクライナとロシアの歴史的関係性を学ぶ意味でも、ぜひ多くの人に手に取ってほしいです。
話を戻しましょう。
上の記事でもうひとつ目を引いたのは、監修者として田野大輔さんの名前が出ていること。彼は↓の共著者なのです。
先月発売され、少しだけ入荷しました。すぐに売り切れて追加したのを覚えています。
ナチスの功績といわれても、不勉強な私はアウトバーン(高速道路)の建設ぐらいしか思いつきません。しかしそれさえも「良いこと」という評価で固定していいのか? たとえプラス面があったとしても。
なまじ知識を持っているがゆえにそこから先を求めず、アップデートを怠り、思考停止してしまう。もちろん学ばないよりは学ぶ方がいい。しかしいわゆる「詰め込み学習」を頑張った自負の強い人ほど、この油断と慢心に染まる危険性が高いことも事実です。したり顔で書いている私自身にもその傾向が見られますから。
こちらに関しては「歌われなかった海賊へ」が出る前に読むつもりです。
岩波ブックレットは、値段と薄さの割に中身が詰まっています。興味を抱いたジャンルへのとっかかりにオススメ。数年前に読んだ↓も名著でした。ニュースではあまり報道されない法の実態が赤裸々に記されています。
逢坂さんの新刊は10月下旬発売。楽しみです。お求めはぜひお近くの書店にて。