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赤裸々なブックレビュー

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2020年9月の記事一覧

「信用してくれ」と言う人ほど信用されない

「信用してくれ」と言う人ほど信用されない

おはようございます!
涼しくなってきましたね。書評行きます!!!

「将来の夢なんか、いま叶えろ。 -堀江式・実践型教育革命-」
実務教育出版 2020年出版 堀江貴文著 256P

(以下は読書メーターのアカウント https://bookmeter.com/users/49241 に書いたレビューです)

いまのご時世、皆と同じレールからドロップアウトしても生きる道がたくさんある。却って前より

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できることをして助け合う

できることをして助け合う

書評行きます!

「結局できずじまい」 講談社 2013年出版 ヨシタケシンスケ著 ISBN 9784062181815  96P

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

タイトルだけ見ればネガティブ。実際「ポジティブ思考ができません」の章もある。でもここからの反転こそヨシタケ氏の真骨頂。彼は絵本作家として多くの人に愛される作品を残した。多分「できないことがたくさんある自分」じゃなければでき

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まさに最高のリーダー

まさに最高のリーダー

書評行きます!

「李登輝秘録」 産経新聞出版 2020年出版 河崎眞澄著 320P

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

この人がいなかったら台湾も今の香港みたいになっていたかも。建前と本音を使い分けつつ既成事実を積み重ね、穏便なやり方でさりげなく大陸の色を削ぐ。中国のやり方を批判する裏では話し合いのできるチャンネルと機密情報の確保を怠らない。中国が民主化したら統一の話をしましょうのロジッ

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令和の文学はこれじゃないか

令和の文学はこれじゃないか

書評行きます!

「鳥打ちも夜更けには」 河出書房新社 金子薫著 2016年出版 151P

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

著者初読。句読点の打ち方が巧みで読み易い。北方謙三の歴史小説を読むと、軍人は司令官の意図を考えず命令の遂行に集中すべしという件がよく登場する。成果と数字しか見ない輩からしたら思考停止して職務に打ち込む部下は最高の奴隷。アイヒマンを連想するまでもなく考えないよりは考

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芸術家は弱者の味方

芸術家は弱者の味方

書評行きます!

「レディ・ジョーカー 上」 (新潮文庫) 新潮社 高村薫著 2010年出版 512P

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

著者初読。松本清張的な社会派サスペンスか。フィクションと思わせぬ緻密な描写と構成に感服した。特に警察と新聞社における人間関係やルーティーン、重大事件報道の裏側の生々しさ。殆ど密着ドキュメント。主人公側の強いられた不条理の重さを思えば大企業への復讐もやむ

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実像と創作の狭間で

実像と創作の狭間で

書評行きます!

「松永久秀と下剋上:室町の身分秩序を覆す (中世から近世へ)」
https://www.amazon.co.jp/dp/product/4582477399/ 
平凡社、2018年出版、天野忠幸著 306P

(以下、読書メーターに書いたレビュー)

名著。将軍義輝を殺し、東大寺の大仏を焼き、主君を意のままに操り、最後は愛する平蜘蛛の釜を信長に渡すまいと共に爆死。これらの逸話は誤

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