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Page1:本の読むのが嫌い。でも本との出会いで人生が変わった


◇ 本を読まなくなった理由

就職するまで全くと言っていいほど『本』を読むことはなかった。
とはいっても、漫画は良く読んでいた。
ここでいう『本』とは、小説や文芸書、自己啓発書のような本のことである。

僕は高校まで島根の小さな島で育った。
当時島には、小さな『本屋』が数件しかなかった。
両親も雑誌しか見なかったので、“本を読む”という習慣がなく、『本屋』に行く機会も少なかった。

もちろん好き好んで図書館に行くわけもなかった。

つまり、【本と関わる】ことが少なかったのだ。
そのため、【本が好き】になれるはずもなく、【本を読む】という習慣も身につくはずがなかった。 

もちろん『本を読む』ことが好きでないならば、『本屋』も好きではなかったのか?

いや、そんなことはない。

むしろ『本屋』は好きだった。
『本を読む』のが好きではないだけで、『本』が嫌いなわけではないからだ。
かなりややこしいやつだ。

店内に並べられてる本を眺めるのが好きだった。
もちろん眺めるだけで読みたいとは思わない。

入った瞬間の本の匂いが好きだった。
ただ、インクの匂いを嗅ぐとお腹が痛くなった。

レジに座ってるおばあちゃんの笑顔好きだった。
笑顔で迎えてくれるのに本を買わないのが気まずかった。

『本屋』に行くだけで、ドキドキワクワクしたのだ。

『本』も『本屋』も好きなのに、なぜ全くと言っていいほど読まなかったのか。

それは、本を読むことが嫌になったある出来事がきっかけとなったからだ。

そのきっかけとは、小学生の時に夏休みの宿題で毎年出された読書感想文だ。
僕と同じように読書感想文が嫌だったという人は少なくないだろう。
そもそも、書き方も教わったことがないのに、「読んで思ったことを書け」というのは、かなり酷なことだからだ。

こうして、本を読まない僕の人生が始まった。

周りの環境によって、本との関わりがあまりなく、読まなくなってしまったのだ。

◇ 好きだった本と本屋が嫌いになった理由

嫌々書かされていた読書感想文の呪縛から解き放たれた中学校〜大学までは、本当に一冊も読むことはなかった。

しかし、解き放たれたはずの呪縛にまた取り憑かれてしまう時がきてしまったのだ。

そう、まさかの就職してから読書感想文を書くことになったのだ。
大人になってから読書感想文を書くとか地獄でしかない。

全く予想打にしなかった出来事が起きたのだ。

しかも、しっかり読んで書かないと夏と冬の“ボーナス”がもらえないのである。

ボーナスが読書感想文と引き換えで貰えるという独特のシステムだったからだ。

最低原稿用紙1枚は書かないといけない。 
しかし、何を書いていいかわからない。
書いたところで、数行しか埋まらない。

とりあえず誤魔化すことにした。
良いと思った箇所をそのまま書き写す。
文字を大きくしたり、行間をあけるたりしながらなんとか1枚に達せようとする。
見栄えはかなり悪い。
スカスカで誤魔化そうとしたのが、まるわかりだった。

もっとしっかり書くように上司から指摘を受けたが、次回頑張る旨を伝えまた誤魔化す。

それを5年続けた。
今思えばよくそれで上手くいったものだ。

そうなると、“お金を出して本を買う”ということだけは、絶対にやりたくないし、やらないと思っていた。

本なんか読んでも何の意味もない。
無駄なだけ。

徐々に『本』に対しての拒絶反応が起きていた。

それと同時に好きだったはずの『本屋』にも拒絶反応がでてきたのだ。

営業での訪問先が『本屋』であり、全く成果が出なかったからだ。

『本』に『本屋』

好きだったものが嫌いになり、嫌いなものに毎日のように関わらなければならない最悪な状況になっていったのだ。

売上の成果がでないのも、自分の実力を省みず、購入してくれない『本屋』のせいにしていた。

行くのが好きだったはずの『本屋』は、最も行きたくない場所になっていた。

◇ 本との出会い 〜本を読むきっかけ〜

苦痛だった僕の日常は、大嫌いになった『本』と『本屋』によって救われことになっていくのであった。

なぜなら、『本』と『本屋』との出会いによって人生が180度変わることになったからだ。

28歳の肌寒くなり始めた11月初旬に親友を失ったのだ。自ら命を終わらせたのだ。

数日前まで、仕事で悩んでいた彼の相談にのっていた僕は、ただ「大丈夫。頑張れ」を言い続けた。

悩んでいる人にとっての「頑張れ」は追い詰めているのと同じだった。

僕は自分を責めた。
何も手につかなかった。
ずっと自分のせいだと思った。

今、思い起こしても11月の約一ヶ月間の記憶がすっぽりと抜けている。
毎日何をして過ごしたのか。
どんな風に仕事をしていたのか。

覚えているのは、どん底の中、本屋に営業に行った際に、目に留まった一冊の本のタイトルを見てからだ。

あした死ぬかもよ? 人生最後の日に笑って死ねる27の質問

それは、ひすいこたろうさんの著書だった。

自ら本を手にとることがなかったのに、なぜかその本を手にとって中を開いていた。

そこに書いてあった27の質問は、親友から投げかけられているように感じた。

そして、自分の中のスイッチが切り替わったのだ。

あいつのためにも生きて後悔しない人生にしよう

本との出会いによって僕の人生は変わったのだ。
同時に本屋に行くのが好きになった。
そしたら結果もでるようになってきたのだ。

『本屋』は本との出会いの場であり、『本』には人生を変える力があるのだ。

だからこそ、本の素晴らしさを伝えて本を読む人を増やしていきたい。

だからこそ、本屋の素晴らしさを伝えて残していきたい。

人生には悩みがつきものだ。
だけど、全ての悩みは本屋に行けば解決できる。

そんな人生を変えてくれた多くの本屋を残していきたい

本屋に行って素敵な本と出会いで最高な人生になる人が増えることを願っています。

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