大人 ‐ シュピリ ‐ 後継
ハイジの作者ヨハンナ・シュピリの生い立ちをネット検索したが松永美穂氏を超える説明を見つけることは出来なかった。(氏に依れば)シュピリが産れ育ったのはスイスの山村‥アルムの山に近い村や町が私のなかで被って見える。シュピリの父親は外科・精神科などを兼ねる開業医で自宅は医療施設になっていた。母親は牧師の娘で、詩人。夫は弁護士だったという。
こう云った様々の情報から、シュピリは感情に流されない感性豊かな、しかも理性的で、徳を身に着けた信仰者。そんな彼女の資質が惜しみなく投入され、展開されたのが小説「アルプスの少女ハイジ」だったのでなかろうか。だからこそシュピリは感情に囚われず、理性に偏らず、(教会の)権威に盲従せず、だから経済・文化・医療・教育・信仰等の偏りを恐れ嫌った。
さて、シュピリがどれ程の人格者・高徳の人であっても、それで彼女の優れた思想が十全に生かされることを期待できるだろうか?それは絶対に有得ないと私は断言する。すなわち、旧約の神は人間のなかに己の後継者を定めている。釈尊(仏)は己の死後の世界を後継者に委ねる。完璧とは言えない人間を後継者に就かせるのである。目的は思想の継承でなくて人間だからです。
結局、シュピリは人間が善く育つことを目指したのでしょう。ハイジが育ち、ペーターが育ち、クララが育ち、お祖父さんが育ち、お祖母さんが育ち、クラッセン医師が育ち、そのように全ての人々が善く育つことを願った。勿論、教会の牧師も育たなければね⁉人々の中心にいて苛めを働く未熟な牧師では困る。中心者は陰にいて人々を支えるのが善い‥でしょうね。
後継を陸続と生み広げていくシュピリの戦い。女性なら‥21世紀のジャンヌダルクが育つ戦い。育つために学ぼうとする自意識が欠かせないようです。これはやっぱり母性を具える女性が得意な分野に違いない。男の私にはそう思えます。その女性講師・松永美穂氏には心から感謝もうします。有難うございました。<(_ _)>