自分勝手でわがままな方が、最終的には美味しい。
こんにちは。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
パンを焼く時には、強力粉を使います。
強力粉ひとつとっても、お米のようにコシヒカリやひとめぼれ、ササニシキのようにたくさんの種類があります。
パン作りを始めた頃はそんな事も知らず、とりあえずスーパーで手に入りやすいカメリアを使っていました。
だんだん色んなパンを作れるようになった頃、強力粉にもたくさん種類がある事を知り、スーパーではなく製パンの材料や器具を扱うショップで買い求めるようになりました。
ショップには様々な粉が並び、どれを使ったら良いのかさっぱり分かりません。
SNSで素敵パンを投稿されている方のタグを見ると、大概国産小麦を使われています。
なるほど。
分からない時は、何でも真似から入ると決めているので、とりあえず国産小麦の中でも人気の粉を買ってみました。
お米もそうかもしれませんが、同じ小麦粉でも全く違う質感や味のものもあれば、ほとんど違いが分からないものもあります。
わたしは味については大差なく何でも美味しいと思えるので、決めては扱いやすいか否かです。
プリッと弾力のある生地に仕上がるか、そうでないか。
最近、はじめて新しい粉にチャレンジしました。
煉瓦という強力粉です。
何となーく、購入してみたのです。
そしていつも通りに計量して、ホームベーカリーを回すと何だか水分がすごく多い。
あれ?
計量間違った?
何処で間違ったんだろう?
どれだけ多く入れたんだろう?
おかしいなぁと思いながら、粉を足します。
それでも、ホームベーカリーから生地を取り出すときやたらにベタついて中々取れません。
使ったボールやヘラ、流しにも生地が色んなところに付いて、何だかストレス。
うーん。
発酵途中の生地の様子を見ると、ダラーンとしている。
イーストが少な過ぎたのかな?
蜂蜜入れ過ぎたかな?
発酵させ過ぎたのかな?
捏ね上げ温度が高かったかな?
原因を探ります。
パン作りってこんなに難しかったっけ?
毎回、捏ね上げ温度をきっちり測ったり、発酵時間を分で見極めるような事だったかな?
このパン、一見まともに焼けているように見えますが実は過発酵で四隅がカクカク、表面はザラザラしています。
内層はスカスカ。
大きな穴が目立ちます。
食べるとパサついて、水分が飛んでいる感じ。
何でこんなパンになっちゃうんだろう。
せっかく新しく型を購入したのに、まともなパンが焼けない。
しばらく考えて、SNSで仲良くなったパン友さんに、質問してみます。
すると、
「何で上手くいかないか分からないけれど、わたしはいつも食パンは中種法で焼いてます。」
とのこと。
なるほど。
中種法で仕込むと、熟成が進んでいるのでソフトな仕上がりになり製パン性も良く、ボリュームのあるパンが焼けます。
早速中種法で仕込んでみました。
わー、四隅がカクカクしていません。
側面はザラザラしていなくて、内層もきちんと詰まっています。
そして、何より2日目が感動です。
たいがい2日目になると水分が抜けて固くパサついてくるのですが、このパンは違う!!
焼かずにサンドイッチにしても、ふわふわのまんま。
表面は水分を保って、しっとりしています。
わたしの肌も中種法でなんとかならないかと思うくらい、しっとりです。
もう、こういうパンが焼けると
「あー、パン作り楽しい!!」
となるのです。
もう、ごきげんです。
何されても怒らないよ。
でも、この時はまだこのパンを他の強力粉で焼いたことに気がついてなかったのです。
うちの冷蔵庫には、いくつか粉のストックがあり、この上出来の食パンはキタノカオリという強力粉で焼いてたのです。
そんな事に、気付かずその後も中種法で仕込めば上手く焼けると煉瓦という強力粉で何回も仕込み、毎回失敗しました。
「もう何が原因か分からん。」
すると、ふと
「あれ?もしかして新しく買った煉瓦っていう強力粉が原因じゃない?」
もう一度パン友さんに連絡します。
「煉瓦って粉、使ったことありますか?」
「うーん、多分一回は使ったような。でもリピートしていないということは、タイプじゃなかったんだと思います。」
と帰ってきました。
なるほど。
タイプじゃない。分かりやすい答えです。
パン友さんは食パンを焼くのが大好きなので、食パンに向いている粉がタイプなのでしょう。
新しく買った強力粉煉瓦はわたしには扱いにくく、ボリュームのある食パン向きじゃなかったようです。
同じ強力粉でも、こんなに違いがあるとは驚きです。
でも灰分が多いからなのか、少しグレーの生地は丸パンにして焼いたら、味が濃くてとても美味しいのです。
扱いにくいのに、美味しいなんて。
まるで自分勝手でわがままな子供のようです。