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出会い~人生の転機~全20編

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出会い~人生思うようにならないとき、神々にすら挑む心に本当の幸せがあるのか・・・新たな出会い 注意:若干残酷な表現あります。苦手な方はご遠慮頂くか覚悟してご覧下さい😌
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#自分らしく生きる

出会い19~悔恨

私は白兎、神のお使いとして、森に住んでもう何年になるだろう。

普通の動物としての寿命も、はるか超えて記憶にある限りない時間を、生きてきた。

その中でも、1つだけ忘れられない事がある

それは、神の子との出会いである。

明るく優しく、けなげに母を手伝い陽気に笑う。可愛いくて、いとおしい存在。

ちょうどその頃、熊が2匹の子を久しぶりに産んだ。

可愛いくてしょうがないという。生憎一匹はすぐに死

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出会い15~幸福な刻

毎日夢の中にいる。

影丸、ハッ今日はおまえか、
はいっ、口数の少ない我が子になんとか話しかけ里にいるのは、誰だ。母が存命ですが、心配です。

占い婆が去年亡くなり1人になってしまった。それを聞いたお館様は内心笑いが止まらなんだ。やっとチャンスが来た。

すぐに呼び寄せる。誘い文句はこっそり子供も見守れると、直ぐに使いをやる。手引きは従兄弟にさせた。隣村に母親を連れていく。

翌日彼は、神隠しか呪

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出会い14~執念

お館様の言葉は続く。影丸の母親は言い交わした仲であったと、そして、私(影丸は)の子であると

明日にも挙式と言う頃に、連れ去られたのである。当時お館様の怒りはすさまじかった。必死に探したが見つからなかった。

当たると有名な隣村の占い師をコッソリ尋ねた。

その女ならこの村にいるが、神の子供を宿しているから、今は返せない。いつなら、必死に食い下がる。ぎりぎり歯噛みしながら言う

お前が本当に親なら

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出会い13~神の子

お館様は少しずつ、話してくれた。

もともとは、影丸の母は私の村の出身だと言う。戦の折り見初められ、なかば奪うように連れ去られた

影丸の村の占い師のばばは、今年生まれる男の子に神々が味方し、大いなる事を成し遂げるものが現れるであろうと告げた。

お婆も良い年、老いたな、そんなのがこの村に産まれるわけないべと皆口々に言った。

あの戦で、連れてこられた娘はあまりにも美しかったが、恐怖のあまり口もき

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出会い11~覚悟

そもそも、今の村長は影丸の母と婚姻し子供を宿していた。

同じ頃、当時の村長の娘にも、旅の男の子供が出来た。村長になりたかった訳でもなく逃げるように村を出ていった。

娘の体裁が悪いと言う理由で、無理矢理押し付けられたものだった。将来性のある影丸の父に白羽の矢がたったのだ。

まして、我が子ですらない。

その女は親の立場を使い、散々影丸の母をいじめ、村の外れに追いやった。いま、社のある場所は苛め

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出会い8~死闘

生き延びる為に、今出来ること。ただ、この谷に1ヶ月いろでは無いはず。角を手に入れるために動き始めた。

一先ず見通しのいい場所をみつけ、風向きをみていると夕闇に紛れ、追っ手から逃げる大きな白いウサギが見えた。

暮れかかってはいるものの、白いウサギがジグザグと必死に逃げる様は、光のように美しく神がかって見えた。

でも、ダメだ。その先は死角になって見えないが崖になってる。タイミングをあわせて、足元

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出会い7~荷担

村にはいると村長に、すぐに会わせてもらえた。

鹿ノ谷、この村のはずれにある

そこで、1ヶ月暮らし鹿の角を集めてもらおう。話はそれから、

弟君はこちらで預かる。

お前1人でいってこい。

道はわかるな!

すべてお見通しの上で、たくさんの鹿の角を集めれば無罪放免かな、まさか里の秘密の場所を知り生きて帰れるわけがない。

1ヶ月たった1人の戦いが始まった。

時間はある。考えるんだ。

ここま

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