出会い19~悔恨

私は白兎、神のお使いとして、森に住んでもう何年になるだろう。

普通の動物としての寿命も、はるか超えて記憶にある限りない時間を、生きてきた。

その中でも、1つだけ忘れられない事がある

それは、神の子との出会いである。

明るく優しく、けなげに母を手伝い陽気に笑う。可愛いくて、いとおしい存在。

ちょうどその頃、熊が2匹の子を久しぶりに産んだ。

可愛いくてしょうがないという。生憎一匹はすぐに死んだが、連れだって歩く姿は森にあっても評判だった。

だが、運命は転がり出すと留まる所を知らない。私にとっても辛い選択となった。川で溺れたと早鳩が知らせてくれた。

なんとしても、助かってほしい。禁忌とわかっていても祈った。どんな姿となっても助けて欲しい。素直にただ、助けたいと祈れば良かった。

本当に祈った通りとなった。見つけたとき、肝と手首を取られた姿に愕然とした。溺れた小熊にここまで出来る悪魔を呪った

生きたまま、地獄におちるがいい。全ての事が私の命に対する驕りから、起きたことと気がつかなかった。


ここまで





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