パンツのレングスにも流れや好みはあって、短めに履いたり、長めだったり、ロールアップでざっくり履いたり・・。 デザインやシルエットによっても変わるから全体のバランスにはとても大事なこと。 あえて野暮ったい丈にするのも全体がまとまればそれでいい。 好みで短い長いは良いけど、適当なのは絶対にない。 どれだけ良いデザインでも、どれだけ良い素材でもレングスが適当だと台無しになってしまう。 another 20th centuryでは、ブランドスタート当初から‟ このシルエットはこのレ
昔から景気が上がれば明るい色が、落ちこむと黒が流行るなんてことを言います。 そんなことで洋服を選ぶなんてと思うけど、人の心理のことだからこればかりは完全には否定しきれない。 そもそも今は景気が良いのか悪いのかすらわからない、気分だけでも明るくいきたいものだ。 そんな心理はさておき、色物(原色)を無償に着たくなることは時よりおとずれる。 我々の業界は生地を見る機会が多い訳ですが、ほとんどが白、黒、そしてベージュ、カーキ、オリーブ、ネイビー・・・とベーシック色ばかりだ。 もちろ
昨日は今季初めて「涼しい」から「寒い」に変わった。 仕事柄か10月にもなれば嘘でもシャツを片手に出掛けるのだけど、さすがに自然と長袖に手を通した。 これから11月を迎えるにあたり、防寒への意識も徐々に高くなってくる。 そんな秋と冬の間は何をどう着たら良いか一番悩ましい時季でもありますが、洋服を楽しむには一番の時季とも言える。 昔から秋はダウンベストを良く愛用していたのですが、お客様からは着るタイミングや着こなしが難しいとよく言われました。 時季としては11月後半からかなと
日本のファッションも成熟し、以前のように毎年のように新たなアイテムが流行ることもなくなった。 例えばライダースジャケットだってもう何周もして、今も好きな人はずっと着続ける訳で、そのスタンスが格好良かったりもする。 パタゴニアも同じく、ここ数年は売れ過ぎというくらい売れた時期もあったけど、今はシンチラのスナップ Tなんかをさらっと着ていると逆に好感がもてたりもする。 つまり、数ある名品と呼ばれるアイテムを自らが選択し、時代に合わせるのではなく、あくまでも自分の気分やペースで
1920年代、オックスフォードの学生らに流行したオーバーパンツがある。 この時代にもファッションの流行はもちろんあった訳ですが、それはまだ一回り目の純粋な洋服に過ぎず、何でも当たり前にモノがあふれる時代に生きる私たちにとってはとてもシンプルでストレートなスタイルだった。 そんな最中にオックスフォードの学生らが流行らせたと言われる「オックスフォードバッグス」、反発から生まれるファッションの源流となっているのではないでしょうか。 時は第一次世界大戦から間もない世界が躍動する大
今年の夏も本当に長く感じました、もう一年の1/3近くが日中汗ばむ陽気が続いている気がします。 流石に9月末ともなると朝晩が涼しくなってきました。 重要なのは最高気温よりも最低気温、それだけで随分快適です。 そう考えるとこれからの2ヶ月は最高の季節、近年の傾向からそんな陽気は12月まで続くかもしれません。 益々と真冬の防寒着なるものはお役御免といったところです。 つまりはシャツや軽い羽織り物の時期が長くなり、ファッションとしては遊びやすく楽しめる時期も長くなっていると解釈でき
ネルシャツといえば、古着屋で買うものというイメージが強い方も少なくないと思います。 色柄も自分らしいものが選べ、着古したシワ感やアセ感を楽しめるのがネルシャツの良さでもあります。 わたしにとってのネルシャツといえば、販売員として最初に店頭に立った時の棚を埋め尽くしていたFIVE BROTHERS。これぞアメリカというストレートなチェック柄と肉厚感がとても印象的でした。 更にさかのぼると映画「E.T」のエリオットが着ていたプリントネル、ちょうど同じ年ごろであったのと映画自体
どうしても出したい色がある。 でも単純な色とかでもなく、なんとなく頭にある色、それが一番難しい。 仮に「この色ですか?」と正解を目の前に出せれても、正直即答できない自分もいたりで、洋服として仕上がってみないとわからない・・。 洋服ってデザインありきなのだろうけど、その色が出なければそもそもやる意味がないってことだってある。 製品染めの場合は、ビーカー出し(色の試し見本)をいくつかして理想に近づけていくのですが、染める生地によっても出方が変わるので非常に難しい。 今回のベ
洋服の機能やデザインにおいて、ポケットというのは大きなポイント。 単なる1パーツと思いきや、全体に及ぼすイメージとしてかなりの部分を占めているといっても過言ではない。 ポケットの形状、位置、大きさだけでも全体のイメージは大きく変わってくるのです。 それだけにポケットが主役になりすぎるのも良いとは言えません。 昨今のアウトドアブームの時もそうでしたが、重要なポケットのデザインが上手く溶け込んでいるか否かで大きく変わる物だと改めて感じました。 要するにポケットがたくさん付いている
わたしにとってスティーブ・マックイーンは特別な存在である。 その思いたるや30年近くになるが1ミリたりとも揺るがない。 あまりこういう対象をもたないだけに自分自身でも不思議な存在だ。 特に何かを真似たいとか、あんな風にになりたいとかではない。 正直、マックイーンのような格好をした人を目の当たりにしたら引いてしまうに違いない。( 時よりスウェットの着方は良いなと感じるけど…。) それでもなんだろう、ただただ格好良いのだ。 前回の記事に少し矛盾するかもしれないが、自分でもそ
体温を超える暑さが日々続いていますが、私たちの業界は8月に入ると一気に秋冬へと意識が移行していきます。 まもなくデリバリーが始まる秋冬物商品たちは昨年からずっと取り掛かってきた訳ですが、ここで一つの節目になることは間違いありません。 そんな節目に毎回思うことがある、 「何が格好良いということなのだろう?」と。 漠然としていてわかりづらいかもしれませんね。 つまりは、長くこの業界で生きてきた自分が今の今に何を格好良いと思っているのか?ひいてはどんな人間が格好良いのか? そし
どんな人でも一枚や二枚はプリントモノのTシャツをお持ちかと思います。 うろ覚えですが、Tシャツなどにプリントなどを入れるようになったのが1950年あたりだったかと記憶しています。 もともとは所属しているチームや学校、後には企業名や商品名などに広がっていったのだと思います。 アイビーリーグのカレッジモノは特にポピュラーで、古着の代表格です。 その他、人気はあまりないもののジュニアハイスクールやボーイスカウトものもよく見かけましたね。Tシャツの役割の一つでもあるチームの統一をは
「この洋服はどう着れば良いですか?」 店頭にいるとそんな質問はよくあるものです。 もちろん、着こなしに自信をもてない人もたくさんいますし、いて当たり前のことだと思います。 みんながみんな完璧に着こなしたり、アレンジも自由自在にできたらこの商売はあがったりです。 いつもなら「自分の着たいように着れば良いのだ・・」なんていうところですが、洋服をデザインしている身からするとそんな無責任なことは言えません。わたしも分野が変われば逆の立場で同じような質問をしていることでしょう。 「
ブランドスタート時からずっと続けてきた定番リバーランズジャケット。 このストーリーから新たなシャツが生まれました。 「Gillie Hound shirts」 着丈や身幅のイメージを継承し、ショーツでも子供っぽくならないようにデザインしました。 また、ジャケット同様にポケットデザインも特徴的で、取り付け方にも少し変化をつけています。 その大きな胸ポケットに見え隠れするストーリーも全て繋がっています。 半袖シャツをよく着るようになったのはごく最近で、それまでは暑い日でもシャツ
20年ぶりに地元都心部のファッションンビルに立ってきた。 週末に買い物に来ることがないので、あの頃の週末の賑わいが頭の片隅に感覚としてまだ残り続けている。 今回イベントを終えて、ここまで人出が少なくなっているとは思ってもいなかった。 たった20年で人の動きがここまで変わるものなのか。 わたしが都心部で働いていた時代は、インターネットが生活に密着していませんでしたから、買い物は実際の店舗に行くのが当たり前でした。 今の若い人からすればなんて不便なんだろうと思うに違いない。 あ
あの人はあの映画のとき何歳だったのだろう・・ ふとそんなことを思う。 きっと、その人物に惹かれると同時に自然と自分(年齢)と比較しているのかもしれません。 スティーブマックインは大脱走の時に32歳、ウッディアレンのアニーホールは42歳。イメージとしては相反する二人ではありますが、その存在感は特別なものを感じます。 特に我々の業界では昔からよくお手本にあげられる二人でもあります。 いつの時代もファッションはめまぐるしく移り変わるものですが、彼らはスクリーンの中で何十年と止ま