皆の定番となるまで
日本のファッションも成熟し、以前のように毎年のように新たなアイテムが流行ることもなくなった。
例えばライダースジャケットだってもう何周もして、今も好きな人はずっと着続ける訳で、そのスタンスが格好良かったりもする。
パタゴニアも同じく、ここ数年は売れ過ぎというくらい売れた時期もあったけど、今はシンチラのスナップ Tなんかをさらっと着ていると逆に好感がもてたりもする。
つまり、数ある名品と呼ばれるアイテムを自らが選択し、時代に合わせるのではなく、あくまでも自分の気分やペースで着るのが望ましい。
それは一方で洋服を供給する者たちにとっても言えることで、そんな自分(のブランド)らしいアイテムを作り、それを作り続けることこそ大切なのだ。
そして、何十年と作り続けることが誰かの定番となり得るのだと信じている。
それは、いくつかの山を超えて信頼を得る長い旅路のようなもの。
おこがましいかもしれないが、another 20th centuryにも顔となるアイテムがある、その一つがリバーランズジャケット。
お問い合わせいただく海外のバイヤーさんも皆さんこのモデルをすでに着用いただいているのは嬉しい限りだ。
わたしが思う世の定番たち(洋服)に共通するのは、ストーリーがあり、性別を問わず愛され、時代に迎合しない、そんなスタイル。
なかなかそこに達するのは夢のような話ではあるが、理想だけでも持っておかなければ本当の良いモノなんてできない。
リアルストーリーだけはどうしても追いつけないが、それに負けないHiSTORYという架空のストーリーだけはこれからも大事にしていきたい。
変わらない定番も10年が経とうとしている。
毎年素材やディテールに変化を加えながら20年目もこのアイテムを作り続けているブランドでありたい。
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