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皆の定番となるまで

日本のファッションも成熟し、以前のように毎年のように新たなアイテムが流行ることもなくなった。

例えばライダースジャケットだってもう何周もして、今も好きな人はずっと着続ける訳で、そのスタンスが格好良かったりもする。
パタゴニアも同じく、ここ数年は売れ過ぎというくらい売れた時期もあったけど、今はシンチラのスナップ Tなんかをさらっと着ていると逆に好感がもてたりもする。

つまり、数ある名品と呼ばれるアイテムを自らが選択し、時代に合わせるのではなく、あくまでも自分の気分やペースで着るのが望ましい。

それは一方で洋服を供給する者たちにとっても言えることで、そんな自分(のブランド)らしいアイテムを作り、それを作り続けることこそ大切なのだ。
そして、何十年と作り続けることが誰かの定番となり得るのだと信じている。
それは、いくつかの山を超えて信頼を得る長い旅路のようなもの。

おこがましいかもしれないが、another 20th centuryにも顔となるアイテムがある、その一つがリバーランズジャケット。
お問い合わせいただく海外のバイヤーさんも皆さんこのモデルをすでに着用いただいているのは嬉しい限りだ。

わたしが思う世の定番たち(洋服)に共通するのは、ストーリーがあり、性別を問わず愛され、時代に迎合しない、そんなスタイル。

なかなかそこに達するのは夢のような話ではあるが、理想だけでも持っておかなければ本当の良いモノなんてできない。
リアルストーリーだけはどうしても追いつけないが、それに負けないHiSTORYという架空のストーリーだけはこれからも大事にしていきたい。

Hi STORY
‟60年代、イギリス南部ハンプシャーを流れるテスト川。もともとハンティングやフライフィッシングの娯楽が盛んであったこの土地にロンドンから多くの人が移り住むようになりました。特に上流アッシュあたりは訪れる人が激増し、少しずつ環境が破壊され始めます。そんな状況を危惧した森林委員会と環境省により特別監視団体が発足されることとなります。監視員らは早朝から川に沿って森の奥まで取り締まりを行わなくてはならず、水陸万能な着衣が要求された。水の中から森のブッシュの中まで動きやすいショート丈のRiver Runs Jktは大変重宝されていました。”

変わらない定番も10年が経とうとしている。
毎年素材やディテールに変化を加えながら20年目もこのアイテムを作り続けているブランドでありたい。


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