これからの主役となる羽織り
今年の夏も本当に長く感じました、もう一年の1/3近くが日中汗ばむ陽気が続いている気がします。
流石に9月末ともなると朝晩が涼しくなってきました。
重要なのは最高気温よりも最低気温、それだけで随分快適です。
そう考えるとこれからの2ヶ月は最高の季節、近年の傾向からそんな陽気は12月まで続くかもしれません。
益々と真冬の防寒着なるものはお役御免といったところです。
つまりはシャツや軽い羽織り物の時期が長くなり、ファッションとしては遊びやすく楽しめる時期も長くなっていると解釈できなくもない。
そういった意味でもシャツジャケットという位置付けなるものが今の日本にはマッチしているのかもしれません。
読んで字の如くシャツのようにもジャケットのようにも着られるもので、どちらかと言うとデザインがシャツ寄りでサイズ感がアウター寄りなものになってくるのでしょう。
わたしがこの業界に入った30年以上前にはあまりなかった概念であり、唯一頭に浮かぶのがU.S NAVYのCPOシャツくらいでしょうか。
この便利で重宝するシャツジャケット、意外にも着こなすのが難しいという諸刃の剣的アイテムだと感じます。
それ故に、作る(デザインする)者にとっても凄く難しいアイテムなのです。
ディテールのデザインを一つ間違えるとどちらかに比重が寄りすぎてしまったりするのでさじ加減も本当に難しい。
生地の肉感はもちろんだけど、着丈の設定や裾のライン一つで大きくバランスが崩れてしまう。
一番はただ頼りないジャケットに成り下がらないようにしなくてはいけないということ。
そこで、今回は尾州ウールとGジャン的ラインをベースに考えました。
モックネックやタートルにトラウザーズと少しおとなしめな雰囲気も良いですね。
ウールはデニムほどではないにせよ、着込むと独特の表情が出てくる。
以前に「ウールジャケットを縮ませる」という記事を書いたのですが、非常に反響が大きかった。
それくらいウール=洗わないものという認識が高いのかもしれないが、再度目を通して頂ければと思います。
今回のライトジャケットの素材はウール90%に少しのナイロンで織られているのですが、ウールをメインとした混合素材のジャケットやシャツは縮みを把握した上でだが、洗って表情を出すのは実にありです。
洗うことでのヨレ感や角がとれる感じは全体のイメージを大きく変えてくれます。
それができるのも洋服に奥行きがあればこそで、あまりにも安価な洋服はマイナスしかないと思ってもらっていいだろう。
*今回のConnery Collar Light JKはナイロンが混ざっているので意外と縮みはでませんでした。家庭用洗濯機ネットに入れた通常モードで着丈-1cm前後、袖丈-1cm前後、身幅肩幅はほぼ縮みがでませんでした。