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準備しすぎず、余白を楽しむ

写真家、平野愛さんの
自分の中にぼけを持つための三箇条」

1に、準備しすぎない
2 に、近づきすぎない
3に、 余白を作ってにじませる

準備万端でも現場では思いがけないことが必ず起こるし、欲しい風景も欲しい光も、欲しい表情も出てこないかもしれない。 それで悲しむよりも、現場での準備はほどほどにして、撮りたいことに集中するのがいい。 ほかはありのままにしておけば、自然に調和してくれるから。


被写体には、ほとんどの場合 「あっ!いいな」って思う時を撮るんだから、いつの間にかどんどん近寄ってしまう。どんどんどんどん向かっていくと、被写体はどんどんどん
どん遠ざかっていく。 だって怖いもん。 そんなに見られたら。身も心もきっと。 だからそのちょっと手前で止まってみるのがいい。 そしたら、 なぜだかあちらがちょっと寄ってきてくれるから。


画面の中にはあれもこれも入れたくなる。 だって、 全部その時にしかないものだから。 その時にしか見れないものだから大事だから。 でも待って、そんなに詰め込んでいいのかな。 息苦しくないのかな。 今、それはいるのかな。今ってなんだろう。 大事ってなんだろう。

近づきたい気持ちをグッとこらえて、余白や隙間を作ること。
それはたぶん、相手を思いやるってことだと思う。
余白は愛なのかな。 結局、 今を愛するってことなのかな。
「ぼけ」って欲望を愛でにじませることなのかな。

私は写真家ではないけれど、共感することがたくさんあった。

私は準備を万全にして、それをいかにこなしていくかを考えるタイプだ。

でも、予想してなかったことが起こるとあたふたしたり、
こなすことが目的になってしまったりする。


だからこそ、あえて"準備しすぎない"。
余白を作っておくことで、そこを描いていくことを楽しむ。
偶然をユーモアに楽しんでいける人になりたいな。


近づきすぎず、一歩離れれば、
"今"大事なものが見えてくるのかもしれない。



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