シェア
Amu
2024年11月21日 17:39
「その先にあるもの」鳶の足跡が残るような柔らかい空にひこうき雲微かに聴こえてくるのはきっと何時かしらの約束で時折、それは錆びた針の先っぽを感じさせる護りたいひとがいる守りたかったことがある消えそうな心を繋いでいくその想いの全て其れが、どうか愛でありますようにと
2024年11月16日 18:40
「いま、がある。」童子かけまわる黄色い庭先振り返った空は雨の色君の歩みの道すがら小さな鳥の囀ずり流れて白やの花も咲いていた漆木の傷の癒えるがごとく解けた痛みより溢れくる真実涙のあとには虹がでる古いひとはよう云うたものと
2024年11月11日 11:56
「Conflict」君はもっと自由でいいと思うんだもしも笑えなくなったなら僕のせい例えば其れが僕のせい優しい風がそこにあること否、かつても其処にあったこと蒼い瞳の少女の願いは上昇気流に舞い上がる風船のなかで壊れてしまわないうちにそう、壊してしまわないうちに
2024年11月9日 15:57
「昼さがり」みどり薫る音の部屋のなか冬の風が吹きだまるのを感じる綴じた目蓋のその向こう側小指の代わりに瞳を絡めるあの娘たち空へと向かう微かな口唇と昊へと伸ばす想いの指さきと睡気に寄り添った無糖の珈琲に何気に感じるミルクティーの甘さ君の夢のなかに生かされている僕の夢のなか確かに君は生きている
2024年11月2日 20:37
「廻る時のなかに」独りごちてばかりの夜をめくってみるいくつの季節を還ったならばそこに僕らは笑っていたのだろうかふたりごちはじめた夜をめくっていくいくつの時代を描いたならば僕らは振り向き微笑み返すだろうか答え合わせなど出来ないままにいくつもの星が流れていってすべてを秘めくちを閉ざす月のした応えなど持たない風は僕らを包み揺れる
2024年10月26日 21:38
「果てなき想いと」君の背に乗って何処までも重くはないかと気にする僕がいる心地よい温もりと応える心音と秋を超え冬をも暖めてふわり舞い上がる風のように君が好きだ……瞳だけがそう語っていたそう、其れは誰よりも真っ直ぐな瞳の
2024年10月26日 12:06
「二十五時の海」請負うひとの傷いくつため息ころがる宵の星くず情けの深いは影つくり思わず投げた僕の罪今夜、眠りし海へと雨が降るそれは琥珀の記憶のように平気だと笑う君の嘘を呑み込みながら
2024年10月23日 17:04
「夜を航る」夜が降る……呑み込まれるよりも深く息苦しさに似た夜が降ってくる利き手にあるはずの温もりに伸ばす想いの向こう側届かず拗ねる指のさきはその寂しさを埋めるように彷徨う足りない……貴方が足りずに溢れた吐息夜を航る風昇るより速く貴方に触れたくてそっと湿った匂い纏わせたAmu「夜を航る」優しく息づかう震えるベッド穏やかでさえも暗がりは包み込むふたつ
2024年10月14日 20:43
「時を越えて」夢をみたんだ……遥か胸ひとつひとつの子守唄流れる意識のなかに君のうたが聴こえていた其れはとても心触りが優しくて旅の眠りのその先までも追いかけて行きたいと手を伸ばす夢をみたんだ……夕焼けまどろむ砂の浜には青くて白い扉があって何時だって君に辿り着けるんだ
2024年10月8日 13:09
「杜の欠片」それは、ほんの小さな欠片かもしれないけれど深眠の杜動かぬ景色に弾けた光の音は迷うことなく僕の腕を掴んでいた根拠なんてない姿なき重さと温もりを宿した欠片は鈍い叫びと共に還っていったそれは、小さな切っ掛けかもしれないけれど杜は確かなる流れをはじめていた
2024年10月4日 17:52
「空があるから」ふと見あげる空に浮かぶ雲は此処にあるようで在りはしなくて先刻ゆらいだ確かなる白の思ほゆ風に触れていたいと僕は云い姿を変えゆく影を見つめていた過ぎた其れに揺られること心、そこに映すことひとは好かんと君はいうけれどそこに雲があったそれは僕が僕であるための此処に空があるからきっとずっと雲は流れ続けている
2024年10月1日 00:06
「秋の庭」庭の端っこ黄色い小さなバケツがひとつ覗き込むと其処は秋と見紛う香りを吸いこんでいたひとさし指で其れを突く拡がる波紋は行き場を失くして小さな部屋をカタカタ揺らすきみは云う、その想い純粋であるのなら尚のこと……日が暮れかけた庭の端っこ紅くめぐる、秋静かに見つめる影ひとり
2024年9月27日 19:17
「夏の背と触れる瞳に」わからない、僕が好きだと言った季節が知りたくてわからないんだと君は笑った好きじゃない、僕の嫌いな香りの後を追いながらも本当は好きじゃないと君はいうぴかぴかの自転車で出掛けよう迎えの時間すら忘れてしまったけれど僕に軽くぶつかってから出会い拍子を拐っていった風其れが、何処となく君に似ていた気がして
2024年9月19日 17:53
「道化のうた」西から昇る月の其れ気まぐれに道化た唄をうたい続ける繰りは返したであろう幾重にもなる影どこまでも深く伸ばそうにも掠める指の先が置いてきぼり見つけて立ち止まる君を奏でる確かなるものそれは誰にも邪魔はさせない君を独りにはしないからだから、今夜は西から昇る月の此れ気まぐれな道化た唄を聴きながら眠れ