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明石わかな | 本
2022年9月15日 17:58
この小説は、青年の傷みやすい心を鮮やかな色彩とともに描いた作品です。この本について、ネタバレしつつ感想を書いてみたいと思います。著者の梶井は、1900年代初期に作品を発表した、関西を中心に活動した作家です。現在この作品は高校の教科書などにも載っているらしく、読んだことがある人も多いかもしれません。この話は、青年である主人公が、理由も不明な焦燥感に駆られ、立ち寄った本屋で積まれた本の上に
2022年8月27日 18:34
この話は、荷造りの間で交わされる友達どうしのやり取りの中で、心理の微妙な揺れ動きを描いた作品です。ネタバレ含みつつこの『ベル・エポック』について考えてみます。絲山さんは、微妙な友情の心理を描くのがうまい作家さんのひとりで、この本もセリフから細かな心情がうかがえる作品です。主人公の女性とみちかは、東京の英会話スクールで出会い仲良くなった友達どうしで、この小説では、みちかが引っ越すため主人
2022年7月12日 20:11
この本は、ファンタジーの要素を入れつつ、生と死、生物や自然界の循環をテーマにした小説です。少し不気味なイメージの表紙に沿った、不思議な世界が早い時間軸で展開されます。この作品について、ネタバレ含みつつ考えてみます。主人公の亜沙は、子供のころから「自分が料理したり、手に取ったりした食べ物を他人に受け取ってもらえない」という悩みがありました。給食当番の亜沙が器に盛ったスープを誰も手に取らなかっ