アナフィラキシーショックに、鼻にスプレーするタイプの薬も、自己注射と同様の効果!
こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事の本題は、「アナフィラキシーショック」なのですが、まずその説明をしたいと思います。
「アナフィラキシーショック」とは、色んな症状は出現し、最も多い症状は、じんましん、かゆみ、赤みなどの「皮膚の症状」の出現です。
次にくちびるの腫れや、目のむくみやかゆみなどの「粘膜の症状」と、咳、くしゃみ、息苦しさ、ゼイゼイなどの「呼吸器の症状」が多いです。そして血圧低下など「循環器の症状」、さらには嘔吐や腹痛などの「消化器の症状」も出現します。
これらの症状が複数の臓器に渡って全身に急速に出現するのが、「アナフィラキシーショック」の大きな特徴だと言えます。
特に、急激な血圧低下で意識を失うなどの症状も1割程認められ、これはとても危険な状態です。
「アナフィラキシーショック」の特徴の1つは、短時間で症状が出現することで、症状が出現するまでの時間は、患者さんやアレルゲンによって個人差があります。
また、「アナフィラキシーショック」は、一度落ち着いた症状が再び出現する場合もあります。「落ち着いたから大丈夫」と安心はせず、速やかに病院を受診することが大事な行動です。
この様に様々な症状が出現する「アナフィラキシーショック」ですが、最近一般的な治療法の自己注射「エピペン」以外にも、同水準の効果を持つ治療薬が確認できたとの、ニュースを観ました。
「アナフィラキシーショック」という重いアレルギー症状が出現した時に、現在、緊急用の自己注射「エピペン」が用いられていますが、鼻にスプレーするタイプの治療薬でも、今までの研究成果で鼻からの投与で十分な量の薬が吸収されることが確認されており、
同水準の効果が確認できたと、国立病院機構相模原病院と製薬会社の研究チームが実施し、臨床試験(治験)での結果の開発を進め、総括したことが明らかにしました。
今回は、国立病院機構相模原病院と製薬会社の研究チームが実施した臨床試験(治験)の詳細について紹介したいと思います。
鼻スプレータイプの治療薬でも、「アナフィラキシーショック」に対する効果が得られた、臨床試験(治験)の詳細
食物などのアレルギーで「アナフィラキシーショック」と呼ばれる重たい症状が出現した時には、現在、緊急用の自己注射「エピペン」が用いられていますが、注射を躊躇するなどして投与が遅れるケースがあるとの懸念がされています。
研究チームでは、海外の製薬会社が開発を進める鼻にスプレーをするタイプの治療薬に関して、日本で最終段階の臨床試験(治験)を実施し、「アナフィラキシーショック」の症状が出現した6歳から17歳までの子ども達15人にこの治療薬を投与しました。
すると、15人中14人で5分以内に症状が落ち着き始め、最終的に全員の症状が和らぎ、いずれも重い副作用などは認められませんでした。
日本で鼻にスプレーをするタイプの治療薬の開発を進める製薬会社では、2024年度中に国に承認申請を行うことを掲げています。
参考:「アナフィラキシー」に鼻にスプレーするタイプの薬で効果確認 NHK NEWS WEB(2024年)
国立病院機構相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏センター長は、
「自己注射『エピペン』は教職員や一般の人が用いる時にどうしても、『して良いものか?』との抵抗感がありますが、鼻にするスプレータイプの治療薬が実用化できる見通しが立ったと考えています」
と説明しました。
最近聞いて怖かったアレルギー
この記事は2024年9月中旬現在に書いていますが、この週、食物アレルギーで大変驚いたニュースを観ました。
2024年9月11日、新潟県上越市教育委員会は、小学校で提供された給食を食べた後で、低学年の児童に食物アレルギーの症状が出現して、救急搬送されたと明らかにしました。ですが、新潟県上越市教育委員会は、児童はアレルギー食材を食べていないといい、食材が入っていた食器に児童の身体が触れたことが原因だとし調査をしています。
新潟県上越市教育委員会によりますと、搬送されたのは2024年9月9日の午後の給食が終わった後でした。児童は卵に対する食物アレルギーを抱え、12時55分頃、食器を片付けて席に戻った時に、同級生のかきたま汁が入っていた食器に左ひじが触れました。
水道で卵を洗い流すなどしましたが、およそ1時間後に湿疹の症状が出現したといいます。連絡を受け駆けつけたお母さんが内服薬を飲ませ、症状を緩和する自己注射「エピペン」を打ち、14時40分頃に救急搬送されました。児童は経過観察をするため入院し、2024年9月10日に退院しました。
「アナフィラキシーショック」の症状が出現した児童には卵を除いたメニューが提供されていました。新潟県上越市教育委員会は、同級生の食器にかきたま汁が残っていたかどうかなどを含め、児童が「アナフィラキシーショック」を発症した当時の状況や経緯を確認しています。
新潟県上越市教育委員会の担当者は、「誤食ではないケースで、ほとんど実例を聞いたことがありません」と述べました。
新潟県上越市教育委員会では通常、アレルギー食材が給食に使用された時には、口から飛ぶなどした食材がアレルギーのある児童に触れない様に黙食を指導しているとします。
参考:食器がひじに触れアレルギー症状か、給食後に児童を救急搬送 新潟県 朝日新聞デジタル(2024年)
というニュースを観まして、誤飲しなくても、ちょっと食器に触れただけで、重篤な食物アレルギーが出るという話に、周りにそういう当事者がいないので、凄く驚きとショックを受けました。
それほどまでに、食物アレルギーの方は、日々の生活に危険と隣り合わせなんだと思うと、心が痛かったです。
通常アナフィラキシーショックなどが出ると、自己注射「エピペン」の話題がよく出ます。
それが本題にある、鼻にスプレーのあるタイプにも同様の効果が確認されたことには、自己注射「エピペン」だけではなく、重症化させない、また新たに手段が1つ増えたことには、当事者の方にはとても良いことではないか?と感じています。