「1型糖尿病」患者に、iPS細胞で作った膵島シートを移植!インスリンに頼らない時代来るか?
こんにちは、翼祈(たすき)です。
この記事の本題は、「1型糖尿病」なのですが、まずその説明をしたいと思います。
「1型糖尿病」とは、主に自己免疫によって発症する病気です。自分の身体のリンパ球が誤って攻撃し、自分自身の膵臓にある膵島β細胞の大部分を破壊してしまうことで発症します。
日本人のお子さんの年間発症率は、10万人当たり2人程度で、北ヨーロッパの国と比べるとおよそ30分の1と言われています。
生活習慣病でも、先天性の病気でもなく、遺伝して同じ家系の中で何人も発症することも極めて珍しいです。過去のウイルス感染がリンパ球の攻撃の引き金になっているケースが多いですが、自己免疫疾患で感染症ではないことから、「1型糖尿病」が他人に移ることはありません。
発症すると、自分の身体の中でインスリンを生成することができなくなってしまいます。インスリンがないと、ブドウ糖を細胞に吸収することができず、高血糖という血管の中にブドウ糖が溢れ出すことになります。
ブドウ糖は細胞のエネルギー源として大事なものですが、高血糖状態が続くと、色んな形で血管の壁に蓄積し、糖尿病特有の合併症を誘発することにも至ります。
そのため、「1型糖尿病」では、血糖測定をしながら、生涯にわたってインスリンポンプと呼ばれる医療機器による注入や、毎日数回のインスリン皮下注射を続けるか、膵島移植や膵臓移植を受ける以外に確立された治療法は存在しません。
日本の患者数は10万~14万人だと推定されています。
一般に糖尿病として認知され、日本の糖尿病の患者さんの9割以上を占める2型糖尿病と違って、インスリンの補充が必要不可欠な病気です。
主な症状としては、
などがありますが、私は「1型糖尿病」の方を観たことがあります。
3回目の「指導入院」で、内科に20代の頃、入院していた時、糖尿病の人が集まった4人部屋に入れられて、かなり痩せた女性がいました。その人は、
「自分はインスリンを打っているから、何でも食べられるんだ」と、嬉しそうに話していました。
私は、当時から「果たしてそうなのか?」と疑問符でした。
退院後、お正月が来て、年賀状がその人から来ましたが、私が当時引きこもりで、メンタルが悪化していたので、つれない返事を送ったら、それから連絡は一度も来なくなりました。
あれから、10年以上経っているので、今もその女性が生きておられるのか、あの当時に来た住所も忘れましたし、どうなのか分かりません。
この様に、自己免疫で突然発症してしまう、「1型糖尿病」ですが、先日、iPS細胞の移植で、将来インスリンを打つ回数が減るかもしれないというニュースを観ました。
膵臓の細胞が正常に働かない重症の「1型糖尿病」に関して、京都大学医学部附属病院がiPS細胞から作製した細胞のシートを患者さんに移植する臨床試験(治験)を、2025年2月にも行う計画をしていることが、明らかになりました。
2024年9月2日、京都大学医学部附属病院は、京都市内で会見を開き、有効性が確認されれば、注射治療が継続的に必要な「1型糖尿病」の患者さんの負担を軽減する効果が期待できるといいます。
今回は、京都大学医学部附属病院が2025年に行おうとしている、iPS細胞を使用した、「1型糖尿病」の臨床試験(治験)について紹介します。
京都大学医学部附属病院が行う、「1型糖尿病」の臨床試験(治験)の詳細
日本では、2020年から亡くなった人の膵臓からインスリンを出す膵島細胞を取り出し、重症患者に移植する「膵島移植」が公的医療保険の対象になっていますが、日本膵・膵島移植学会によりますと、提供者(ドナー)不足などから、保険に適用された後に移植が実施されたのは10人以下に留まっています。慢性的なドナー不足が大きな課題に上がっています。
そこで京都大学などは、iPS細胞から膵島を作製しシート状にする技術を開発し、京都大学医学部附属病院での医師主導型で、臨床試験(治験)を行う計画を立てました。2024年8月23日に学内の治験審査委員会で承認され、臨床試験(治験)の審査やアドバイスを行う厚生労働省所管の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)に計画書を届け出ました。
計画では、健康な人のiPS細胞から膵島細胞を作製し、これらを集めて、数cm四方のシート状にして、これを複数枚を患者の腹部の皮下に移植します。マウス実験ではシートの有効性が確認されています。
京都大学医学部附属病院は、早ければ2025年2月にも安全性を確認する臨床試験(治験)を始めたいといいます。
臨床試験(治験)の対象は、20歳以上65歳未満の患者さん3人の予定で、1年以上要して安全性を確認します。シートが血糖値の変化に応じてインスリンを放出することで、インスリンの注射を打たなくても血糖値を安定させる効果に期待ができるといいます。
膵島細胞シートの製造は京都大学と武田薬品工業の共同研究から生まれた、神奈川県藤沢市にある新興企業「オリヅルセラピューティクス」が担っています。実用化に向けて、「オリヅルセラピューティクス」は大規模に拡大した臨床試験(治験)で有効性を確認します。
アメリカではバイオ医薬品会社「バーテックス」が、同じ様に人の幹細胞から膵島細胞を作って移植する臨床試験(治験)を行っています。2024年6月、「オリヅルセラピューティクス」は、投与された患者さん12人全員に細胞が定着し、インスリンが放出されているのを確認したと明らかにしました。
京都大学医学部附属病院の医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科の矢部大介教授は、
「重症低血糖で救急搬送されるリスクが減少します。将来的に期待することは、インスリンの注射回数が減ること、そしてベストケースとして、インスリンの注射しなくてもいい世界が見えてくることを期待を託しています」
と説明しました。
京都大学医学部附属病院の肝胆膵・移植外科の穴澤貴行講師は、
「最も革新的なところはiPS細胞を活かすこと最大の特徴です。安全性が高く、効果も高く、実用化されれば、糖尿病による合併症や低血糖による命の危険を減少させることとなるでしょう」
と述べました。
参考:1型糖尿病患者にiPS細胞から作る膵島細胞を移植、京大病院が来年にも治験実施…インスリン注射不要に 読売新聞(2024年)
「オリヅルセラピューティクス」による大規模な臨床試験(治験)を経て、臨床試験(治験)の規模を拡大し、効果と安全性が確認できれば、2030年代の実用化を目指します。
日本膵・膵島移植学会理事長藤田医科大学病院特命教授の男性は、
「ドナー不足の問題解消へと結び付くことに期待が持たれます。移植した後の身体内で膵島細胞以外の細胞に変化して悪影響を与えないか、長期的に見極める必要もあります。実用化に向けてはコストをいかに安くするかも課題だと言えるでしょう」
と語りました。
当事者からの訴え
糖尿病はならない方がいい、これは2型糖尿病の当事者である、私の心からの声です。
私は母の知人が私が引きこもりで不安定な様子を見かね、2ヵ所目に行っていた病院を紹介し、そこで、発達障害の治療薬が何回も変わり、最後にその病院で、「ジプレキサ」という薬を飲み出すと、暴飲暴食が止まらず、それでも1年半以上採血もして貰えず、私の様子を見て痺れを切らした母が訴え、採血すると、とんでもない血糖値と、HbA1cになっていて、「指導入院」が必要となり、それで病院を転院しました。
それから1回目の「指導入院」を終えた後、その時の担当医が、「『ジプレキサ』をもっと調べて、学会で発表したい」との電話があって、学会で発表されて、「精神科で『ジプレキサ』を処方する時には、高血糖などの副作用を伴うことで糖尿病を誘発することから、使う人をしっかりと見極める」と、文言が書かれる様になりました。
当時20代前半でしたが、「私の人生、20年位しか生きていないのに、もう終わっちゃった…」と思うと、物凄く泣きましたし、荒れもしました。
本当に、糖尿病はその後の人生に暗い影を落とします。
健康な人だったら、何もなくすぐにできることにも、ブレーキや待ったがかけられる。それを当事者がするためには、医師の診断書と、血糖値の長期的な安定が必要なこと。
何かの弾みで、すぐ血糖値が上がること。それは薬を飲んでいても、ちょっと食べ過ぎただけで、ポンと上がります。
私は今の会社に入社して間もない頃に、「糖尿病があるから在宅勤務の方が良いだろう」という話もありましたが、「この人は会社に行って、仕事をすることが最も適している働き方」という結論に至り、今でも通勤しています。
コロナ明けと言われて、1年以上経過しましたが、今でも重症化しやすいと言われている糖尿病なので、今していない方が増えた、マスクをしていない人を観ると、凄く怖いですし、こんなに暑くても、自制のためにマスクは欠かせません。
私が数ヵ月前から止めていることは、眠くても、コーヒーを買わないこと。寝落ちが酷かった時に、ミルクコーヒーを飲み続けたら、HbA1cが悪くなって、「ミルクコーヒーは砂糖が入っているから、飲んではダメですよ」と、当時の主治医から言われて、それから買わないことにしました。
私は不眠症なので、睡眠剤を飲んでいますが、飲むタイミングがズレると、仕事中でもかなり眠い。でも、買えない。そのことの対処法は、早く睡眠剤を飲んで、そのまま寝るしかないんです。
仕事で、毎日ミルクコーヒーなど2本ずつ飲んでいる方がいますが、あれは良くない。身体が糖化しやすく、だから疲れやすくて仕事中寝てしまうのかもしれない。
糖尿病になっていない時はそれでも良いかもしれませんが、一度なったら、壊れた時計の様に、元の身体には戻りません。
薬剤性から2型糖尿病になった私から言えることは、病院にかかっていたら、最低半年に1回、採血して貰う様に、主治医に言いましょう。
これは、身体に異変がないか、ある程度確実に分かる、病気からあなたの身を守る、1つの手段だと、当事者になった私だからこそ、強く言いたいことです。