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企業経営とGRIC(3)企業経営とインテリジェンス
今回は、GRICのIであるインテリジェンスについて解説します。
企業経営における守りの要素として、ガバナンス、リスクマネジメント、コンプライアンスについて解説しました。これらはまとめてGRCと呼ばれていますが、その枠組みを準備するだけではGRCの実現は達成できません。その理由は、GRC実現にはさらに2つの要素が必要だからです。
一つは「戦略」です。戦略とは何かと聞かれて、明確に答えることができ
企業経営とGRIC(2)リスクマネジメント体制の構築
前回は、リスクマネジメントにおけるリスク認知の基準について述べましたが、リスクマネジメントプロセスに欠けているもう一つの柱である「リスクマネジメント体制」について触れたいと思います。
マネジメントや組織運営で「タイセイ」というと、「体制」と「態勢」の二つの同音異議語があります。前者は「組織や仕組み」であり、後者は「姿勢や準備状況」を意味します。前職の自衛隊では前者を「からだ体」、後者を「クマ(熊
企業経営とGRIC(1)リスク認知の基準
久々のnoteアップです。これまでこのnoteでは、ビジネスリスクマネジメントのプロセスを中心に書いてきましたが、ここからは、リスク管理の3本柱であるGRC(ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)に、それを支えるI(インテリジェンス)を加えた「GRIC」について述べていきたいと思います。ちなみに、GRICは私の造語です。
企業経営のリスクマネジメント実現は、リスクマネジメントプロセス
ハラスメントリスクの根本原因と対応
ここ最近、本業が期末で忙しかったため、更新が遅くなってしまいました。毎年同じようなサイクルですが、うまくマネジメントしようとしても、外部環境が急変して、そうはいかなくなることの方が多くなっています。リスクマコンサルタントとして、まだまだ修行が必要です。
ハラスメントの原因さて、リスクマネジメントの一つの分野として、人事リスクがあります。中でも企業にとって悩みの種となっているのが、ハラスメント対策
リスクマネジメントの多層性と多様性
3月のオンラインセミナーに向け、現在鋭意準備中です。ということで、大学院研修の頃に筑波大学で講師をされていた吉川肇子先生のこの本を読み返し、さまざまな学びを得ました
吉川先生は心理学がご専門で、本書も内容の多くがリスクコミュニケーションやリスク認知に関するものでした。結論から言うと、リスクマネジメントやリスクコミュニケーションにはなんでも当てはまる(one-size-fits-all)な手法はな
有事のビジネスリスクインテリジェンス 情報の分析と処理の原則(1)
これまで3回にわたり、ビジネスリスクインテリジェンスにおける情報収集について書いてきましたが、ここからは分析と処理の原則的なことについて考えていきます。
なお、情報分析のスキル的なものについて知りたい方は、この道の先輩の以下の書籍がおすすめです。このnoteでは、インテリジェンススキルに関する言及は必要なものに限ることとし、主にビジネス上の状況判断や意思決定のためのインテリジェンスの考え方を取り上
有事のビジネスリスクインテリジェンス 情報の収集と理解(3) 情報収集における「理性」と「感情」
noteを中小企業診断士キャリア上の情報発信手段の一つとするために、実名公開することにしました。発信情報のクレディビリティを担保することを自らの戒めとするためのものです。誤りについてはご指摘いただけますと幸いです。
いつものサボり癖で、次を予告してから一年近くになってしまいました。今回は、ビジネスインテリジェンスにおける「知性」と「感情」について書きたいと思います。
確証バイアスという言葉をお
なぜリスクを取れないのか
この連載は、リスクマネジメントを中心テーマとしています。リスクマネジメントとは、その名のとおりリスクを管理することであり、言い換えればリスクにどのように対応するかということです。詳しくは別稿で解説しますが、リスク対応はリスクを取り除く「リスク除去」、リスクの影響を小さくする「リスク低減」、リスクを避ける「リスク回避」、リスクを自分以外の別の主体に付け替える「リスク転嫁(またはリスク移転)」、そして
もっとみるリスクマネジメントに何が必要か
リスクマネジメントとは何か特別のことのように思われる方が多いと思いますが、決して特別なことではありません。例えば、朝起きて朝食に何を食べるか、何時の電車に乗るか、今日は残業しようかと言うふうに、私たちは常に何かを決断しています。今日は朝食にパンを食べたいと思ったけどご飯しかなかった場合、いつも乗る電車が15分も遅れてやってきた場合、そのような想定外の事態に遭遇した際、その影響をできるだけ小さくしよ
もっとみるリスクマネジメントとしてのセレモニー
安倍元首相の国葬儀(国葬)が終了しました。賛成と反対の議論が挙行直前まで繰り広げられましたが、式自体は整然と執行された印象です。勤務先が武道館からほど近いため、警備が物々しい印象でした。
セレモニーは誰のためのものか?人生にはさまざまなセレモニーの場面が存在します。一例ですが、誕生後はお宮参り、端午の節句や桃の節句、七五三、成人式や結婚式、そして最後を締めくくるのがお葬式でしょう。そのほか、卒業
有事のビジネスリスクインテリジェンス 情報の分析 分析の「軸」
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、有事のビジネスインテリジェンスについて書き始めてから4本目になります。前回までは情報の収集と理解について書きましたが、今回からは情報の分析のフェーズに入ります。
分析フェーズの1回目は、分析の「軸」をどう設定するかです。
前職の航空自衛隊では、災害派遣、海外派遣、航空事故などのミッションにおいて、質量ともに限られた情報の中、確実で安全な任務遂行を第一に、情報の