再編 『 花街擾乱 〜時空エスカルゴ〜 』
パチン、と、神様が指を鳴らした。すると幾つかの時空が交錯した。
1, 波は常に灯台を越える
大統領は今日とて溜息をつき、頭をごりごりさすっていた。今より少し未来の、とんでもなく技術と制度が発達したこの世界帝国の、その巨大ピラミッドの頂点に鎮座された彼の頭脳と心理は、常に陳情と不安 ~不安とはここで彼に押し寄せる他者のそれであり、そしてその波に意識を攫われんとする彼のものであった~ に溢れようとしていて、今日も自分の頭蓋の輪郭を保つために彼は、溜息により体圧を下げ、そ