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・ ザワメクウゴメキ #

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・ / 十 # ■ 人々の寓話 人間は集合すると どちらの方向へも転がって行く ということについて
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記事一覧

寓話 『 斬首継承 』

 ある国では、ある日全員斬首して次世代に継承する。地、血、智、が統合された意味での《 ト …

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2週間前
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群話 『 ウサインボルトの筋肉痛、葉緑体の緑、朝鮮人を虐殺、たった少女の自殺 』

 更なる世界新記録を打ち立てたばかりのウサインボルト氏は明日か明後日、彼の若々しく雄々し…

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1年前
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とっても good 話 『 セイナルミドルルーム 』

 半開きのドアから漏れ出る薄明かりに照らされて、意図不明か冒頭過ぎるような注意書きだけが…

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4か月前
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現実と絡み合う蛇の夢の中で確かに女に伝えた話 『

2024年7月5日朝  若しくは男だったかもしれないし、告げられたのは私だったかもしれないが、…

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4か月前
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寓話 『 ミルクミサイ、テキスタイル 』

 これは嘗ての存在であった私の、贖罪と追慕の物語に過ぎない。狂ってしまった妹を殺した姉の…

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5か月前
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小序説 『 プリム ・ オーセン ・ アルカ 』

都合のいい人  ある日の社会の片隅の黄金の午後、秋に揺られる樹々の間で人々が憩いの一時…

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5か月前
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寓話 『 茶目、瞳の深い沼 』

代筆される助言なる序言  私達は彼のことが好きだった。彼、又は彼女のことを。彼の齎す知識と知恵、新しい習慣、技術や革新とは別に、新しい調和とその為の破壊も別として、それら以上に、私達は彼のことが好きだった。そしてだからこそだと思う、最後の最後に無理にこじ開けてしまったのだ。彼に眠るパンドラの箱、底の無い闇の道、茶色い瞳の奥底に眠る、深い、深くて深くて温かい、沼に続き溢れ出す扉を。この扉を開けた私達は深く眠ってから流浪の旅を開始した。より大きなスケールから見れば再開であり

tel 『 i の酷舶 』

 静かに静かに書き始め、ゆっくりと、書き連ね、完成させなければなりません。ここは未来軍の…

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6か月前
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人セイ『 濡れるよ 』

蛙の声や夜の音を聞こうとバルコニーへ行こうとすると、濡れるよ、と、父かその友人に声掛けら…

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6か月前
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ささぐお話 『 うめる 』

金鳴る龍みたいで綺麗でさ 千本桜が散った後 纏めて土に埋めたなら いつか一本の梅が生え …

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9か月前
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腔話 『 え、あっちってあった? 空飛ぶ海鼠、シーシュポスの悪魔 』

二つに分かれた道を行く時、そして分岐に正誤がある時、例えば、左に行けば山賊の襲来に遭い、…

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1年前
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『 りえ返裏、 い願 』 話寓

それではあなたは、その女性を惨殺したということですね? 閑静な住宅街の大通りの終わりに面…

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1年前
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fable 』『』 X 『』『 alqej

1 ・ 場と素、最初の接触、侵入 大陸の裾野に広がる砂漠が、海に接する狭間の土地に、大洋を…

9l6
1年前
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再編 『 花街擾乱 〜時空エスカルゴ〜 』

パチン、と、神様が指を鳴らした。すると幾つかの時空が交錯した。 1, 波は常に灯台を越える  大統領は今日とて溜息をつき、頭をごりごりさすっていた。今より少し未来の、とんでもなく技術と制度が発達したこの世界帝国の、その巨大ピラミッドの頂点に鎮座された彼の頭脳と心理は、常に陳情と不安 ~不安とはここで彼に押し寄せる他者のそれであり、そしてその波に意識を攫われんとする彼のものであった~ に溢れようとしていて、今日も自分の頭蓋の輪郭を保つために彼は、溜息により体圧を下げ、そ