SAKI TORIUMI
私がフリーランスデザイナーになるまでのお話しと、なってからの葛藤や学び・考え方などを実体験に基づいて書いていきます。
初めまして。 札幌市でプロダクトデザインの仕事をしている鳥海です。 プロダクトデザインといってもいろいろありますが、私が得意(好き)なのは生活雑貨。主に日本の工芸や技術を取り入れた日用品の開発を行なっており、現在はフリーランス兼株式会社二風谷ワークスの役員として奮闘中です。 ▼二風谷ワークスのWEBサイトはこちら https://www.nibutani-works.jp/ 自分がこれまで培ってきたデザインスキルや思考方法、実際にデザインした商品の開発秘話などを記録する
学生の頃、両親が共働きだったこともあり、ご飯がない時は冷蔵庫にある食材を使って自分で夕飯をつくるというのが当たり前でした。 その習慣もあってか、今でも特別おしゃれな料理をつくるわけではないのですが、お米とお味噌汁、メインにちょっとしたおかずがある食卓に、日々ささやかな幸せを感じています。 料理が好きな理由はいくつかありまが、一番は「息抜きになるから」 限られたスペースで、どういう手順で効率よく作るかを段取りし、一気に仕上げていく。その間、無心になって野菜を切ったり、炒め
自社ブランドの話が続いてしまったので、今日は別のお話を。 先日、こちらのセミナー(オンライン)に参加してきました。 これが無料でいいのだろうか…と思うくらいには、全てのデザイナーと経営者にとって有益な情報に溢れていたのですが、特に印象的だったロゴデザインのお話をご紹介します。 セミナーの主な内容は、北海道を代表するアートディレクターの鎌田順也さんと、北見の消臭剤メーカー、環境大善の窪之内誠社長が、二人三脚で「きえ〜る」という消臭剤のブランドをリブランディングするまでのお
前回は、アイヌの伝統を取り入れた生活道具ブランド「ramgu」のコンセプトについてお話をしました。 前回の記事はこちら↓ 今回はramguのネーミングとブランドロゴができるまでについてのお話をします。 ネーミングについて「ramgu」はアイヌ語と日本語を掛け合わせた造語で「ラムグ」と読みます。 ※正確には「ム」は小文字になり、アイヌ語の発音では口を閉じた「ん」に近い音になりますが、一般的には難しいので「ラムグ」とそのまま発音しています。 「ラム」=アイヌ語で魂や心を表
前回は、「アイヌの若手職人に継続的な仕事をつくり、アイヌ工芸を次世代に残していく!」というビジョンを掲げる株式会社二風谷ワークスが、アイヌの伝統を取り入れた生活道具ブランド「ramgu」を立ち上げたお話をしました。 前回の記事はこちら↓ 今回は「ramgu」のブランドコンセプトについてお話します。 ramguのブランドコンセプトについて私たちがこのブランドを通して一番に伝えたいのは、アイヌの精神性です。 ここで言う「こころ」とは、ものそのものが持つ心、アイヌの精神や作
今回は、私が役員として所属している株式会社二風谷ワークスで立ち上げた、アイヌの伝統を取り入れた生活道具ブランド「ramgu」の話をさせてただきます。 ▼ramguのブランドサイトはこちら https://ramgu.jp/ 「ramgu」はアイヌ語と日本語を掛け合わせた造語で「ラムグ」と読みます。 ※正確には「ム」は小文字になり、アイヌ語の発音では口を閉じた「ん」に近い音になります。 住民の半数以上がアイヌのまち「二風谷」 代表の萱野が生まれ育った平取町二風谷は、日高地
私は昔から、器用貧乏であることにコンプレックスを感じていました。 例えば、中学生の頃。 バドミント部で部活動に打ち込んでいた私は、自分で言うのもなんですが、十数人ほどいたチームの中では上から3番目くらいのレベルでした。 さらなる上達を目指し夜のスクールにも通い始め、週に2〜3回、ウォーミングアップで体育館を30周、1時間以上のきつい練習を2年ほど続けたにも関わらず、結果は地区大会の次、全市大会のシングルスで初戦敗退でした。 デザインの話で言えば、フリーランスになってから商
「同業者の評価は気にしなくていい。 お客さんが満足していればいいんだよ。」 これは私がフリーランスデザイナーになりたての頃、お世話になっている企業の社長に言われたことです。 それまで私は他人の評価を気にしすぎる人間でした。裏を返せば自信が無いということ。自分のつくるものに自信が持てなくて、いつも他のデザイナーからの評価を気にしていました。特にフリーランスになってから、経験値の少ないグラフィックデザインの仕事をやる場面が増えて、独学に限界を感じ、これは正しいのか?間違って
これは私の体験に基づく一つの実証です。 たまに「やりたいことが特になくて…」という人の話を聞きますが、私は全くもってその逆、やりたいことがありすぎる、少々前のめりな人間でした。 日本のものづくりに興味があり、地元札幌の大学でデザインを学んだ後、奈良にある工芸雑貨メーカーに就職。1年の店舗勤務を経て、本社職に移り、最初に配属された部署は生産管理課でした。 生産管理とは主に商品の量産を担う部門です。デザイナーから商品の仕様書を引き継ぎ、製造元に発注、工程ごとに仕様書通りに作