器用貧乏デザイナーからの脱却
私は昔から、器用貧乏であることにコンプレックスを感じていました。
例えば、中学生の頃。
バドミント部で部活動に打ち込んでいた私は、自分で言うのもなんですが、十数人ほどいたチームの中では上から3番目くらいのレベルでした。
さらなる上達を目指し夜のスクールにも通い始め、週に2〜3回、ウォーミングアップで体育館を30周、1時間以上のきつい練習を2年ほど続けたにも関わらず、結果は地区大会の次、全市大会のシングルスで初戦敗退でした。
デザインの話で言えば、フリーランスになってから商品企画やプロダクトの分野以外に、未経験のロゴやWEBデザインをやらないといけない場面に直面することが増えました。
やらないと生活できないので、「鳥海さんならできるよ!」という言葉を鵜呑みにして取り組んだ結果、なんとか形になったものの、泣きながら紙とペンにしがみつき、1つのロゴを作るのに気づけば3ヶ月もかかっていました。
ある程度平均的にはできるけど、
突き抜けた才能は無い。
そう自覚していたからこそ、不器用だけど何か一つのことを極めている人を見ると、羨ましくて仕方なかったのです。
思い切って、ある方に悩みを相談したら
次第に、何が得意で何がやりたかったのか分からなくなり、いよいよそんな自分に疲れていた頃。
たまたま私が一方的に尊敬している同世代のクリエイター木本梨絵さん(https://www.instagram.com/riekimoto/)がInstagramのストーリーで質問を募集していたのを見て、勇気を出して悩みを相談してみたのです。(知らない人へメッセージを送るのはこれが初めてでした。)
▼送信内容
すると、すぐに丁寧なお返事が返ってきました。
▼梨絵さんからの返信内容
私はこれまで、「できる」と「得意なこと」はイコールだと思っていたのですが、実はこの「できる」と「得意」の間には「できるけど得意でないこと」が存在すると言うことを教えてくれたのです。
「できるけど得意でないこと」とは、例えば
・完成するまでにものすごい時間がかかる
・完成するまでに精神的ストレスがある
・完成品が売上に貢献できない
といったことを指していると考えました。
私のこの疲弊は、「できるけど得意でないこと」に一生懸命取り組んでいた結果、起きていたのです。
「できるけど得意でないこと」を徹底的に手放す勇気
それからは、なんでも自分で引き受けるのではなく、得意でないことは、多少のお金がかかったとしてもできるだけ他の得意な人に任せるようになりました。
すると、得意な人の方が圧倒的に仕上げるスピードが速い&クオリティが高いので、仕事がスムーズに進んで商品のクオリティも上がり、結果、売り上げアップに繋がったのです。
そして、自分は自分のやるべき仕事に集中することができるようになり、得意なことをやっているので楽しく、仕事が徐々にスムーズに回るようになリマした。まだ器用貧乏からの完全脱却とはなりませんが、少しずつ手放すことで状況が改善されています。
器用貧乏であることにコンプレックスを抱いている方は、思い切って、「できるけど得意でないこと」を手放すことを強くおすすめします。