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自社ブランド「ramgu」のブランドコンセプトについて

前回は、「アイヌの若手職人に継続的な仕事をつくり、アイヌ工芸を次世代に残していく!」というビジョンを掲げる株式会社二風谷ワークスが、アイヌの伝統を取り入れた生活道具ブランド「ramgu」を立ち上げたお話をしました。

前回の記事はこちら↓


今回は「ramgu」のブランドコンセプトについてお話します。



ramguのブランドコンセプトについて

私たちがこのブランドを通して一番に伝えたいのは、アイヌの精神性です。

_ Brand Concept
「こころ宿る道具」

_Statement
ramgu(ラムグ)は「こころ宿る道具」をコンセプトに二風谷の若手職人と作る生活道具ブランドです。

アイヌの伝統的な考えでは、自然のあらゆるものは魂が宿っており、カムイ(神)と認識されていました。

日常的に使う道具にさえ、彫刻や刺繍で丁寧に文様が施されているのは、人間が作った道具であっても魂が宿ると考え、大切に扱うアイヌの精神の豊かさを表していると私たちは考えます。

「こころ宿る道具」とは、
ものそのものが持つこころ。 作り手の職人たちのこころ。そして使う人のものを愛おしいと思うこころ。この3つのこころを大切にしてつくる道具です。

ただ飾るだけではなく、使いたくなるものを。使うほどにアイヌの人々の精神の豊かさを感じ、愛着の湧くものを。

アイヌの道具が、暮らしの中で日用品として大切に使われていたように変わりゆくライフスタイルの中で、変わらずに使い続けられるものづくりを目指しています。


ここで言う「こころ」とは、ものそのものが持つ心、アイヌの精神や作り手の思い、そして使う人の気持ちといった意味も含まれており、心をあえてひらがなで表現しているのも、おおらかにいろんな意味を内包する「こころ」を表現したいと考えたためです。

アイヌ文化における木彫り・刺繍の手仕事とは

アイヌ文化においては、木彫りは主に男性が、刺繍は主に女性がやるものと役割が決まっており、生活に密接に結びついた手仕事でした。

狩猟生活をしていたアイヌ民族にとって、木彫りが上手い男性=手先が器用なので狩りの道具を作るのも上手いとみなされ、村の長になる条件の一つでもありました。

木彫りや刺繍は、すでに製品として完成しているものにさらに加える装飾です。そこに膨大な手間と時間をかけていたことから、いかにアイヌがものを大切にしていたかが伺えます。

単純にかっこいいから、可愛いからと言う理由もあったかもしれませんが、その手間暇を惜しまないレベルが、現代では考えられない境地です。

私たちが提供したい価値とは

ものが飽和し消耗していく現代社会において、一つ一つのものを大切にし無駄にしないということは、とても大切な考え方ではないでしょうか。

お気に入りのものに囲まれた暮らしは、日々の気分やモチベーションを上げてくれます。また、ものを大事に扱うことで、丁寧な暮らし・ライフスタイルを実現していきます。

私たちはこのブランドを通じて、美しい手仕事が施された暮らしの道具を提供し、その道具からアイヌがどんなものにも丹念に木彫りや刺繍を施していた精神(こころ)の豊かさ、大切なものに囲まれた暮らしの喜びを提案していきたいと考えています。

次回は「ramgu」のロゴマークとブランド名についてのお話をさせていただきます。


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