<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第39話
生還 -3
サムはゼムラの目の奥をじっと見すえ、
「……ゼムラ。そなたがハンを誑かしたのであろう」と投げました。
その問いに、ゼムラは一瞬、焦点を逸らしましたが、咳ばらいをしてすぐに、
「陛下。なにを仰るかとおもいきや……、
わたしが殿下を誑かしたと?
わたしはこの国の将来のことを思い、
殿下のお役にたつことだけを考えて、
毎日毎日、誠心誠意お仕えしてまいってきたので御座います。
……陛下はきっと、
長旅のつかれで殿下の訃報をお聞き届けになれずに、
そのように