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黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐

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〝悪〟は、自分の中につくりだしていたのだ。と気づいたサムのまわりに人が集まりはじめ、十年後、サムは「キング」というニックネームで呼ばれるようになります。  しかし、その呼び名が苦…
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#自分とは

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第33話

七人の友 -3 「キング。運よく、水売りをみつけたとしても、どうやって、水や食料を、手に…

瀬﨑正人
1年前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第34話

七人の友 -4  星々から新たな力をうけとった男たちは、立ちあがると、朝陽の昇る方角に顔…

瀬﨑正人
1年前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第35話

 やってきた三頭の馬は、サムと男たちの頭の上に砂を巻き散らしながら止まると、 「ここでな…

瀬﨑正人
1年前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第36話

七人の友 -6  しかし、はなしを聞いて顔色を変えたのは、サムの方でした。  砂漠の中を…

瀬﨑正人
1年前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第37話 

生還 -1  ところが、サムラダッタ王国に到着したはずが、 「ここは、……なんという国で…

瀬﨑正人
1年前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第38話

生還 -2  サムは顔をおこすと、掌をナジムの頬にあて、胸の高鳴りを押さえて、 「ナジム…

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第39話

生還 -3 サムはゼムラの目の奥をじっと見すえ、 「……ゼムラ。そなたがハンを誑かしたのであろう」と投げました。  その問いに、ゼムラは一瞬、焦点を逸らしましたが、咳ばらいをしてすぐに、 「陛下。なにを仰るかとおもいきや……、  わたしが殿下を誑かしたと?  わたしはこの国の将来のことを思い、 殿下のお役にたつことだけを考えて、 毎日毎日、誠心誠意お仕えしてまいってきたので御座います。 ……陛下はきっと、 長旅のつかれで殿下の訃報をお聞き届けになれずに、 そのように

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第40話

ナジムの回想 -1 〝マギラ〟推進の側にいたハン王子とその一派に長期遠征を告げるまえの日…

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第41話

――ところが、 それから数年がたったある日のこと、王様の怒鳴り声にナジムの部屋に駆けつけ…

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第42話

ナジムの回想 -3  ナジムのその落胆したすがたに、なんとかせねば、なんとかせねば……、…

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第43話

ナジムの回想 -4  そのころになると、 『自分の行ってきたことが、逆に、国民を追いつめ…

瀬﨑正人
11か月前
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<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第44話

ナジムの回想 -5  ナジムにとって、街なかをひとりで歩くことははじめての体験でした。 …

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第45話

ナジムの回想 -6  城をぬけだして街へ出ていることは、母にもないしょのことでしたが、 …

瀬﨑正人
11か月前

<連載長編小説>黄金龍と星の伝説 ‐第二章/ふたつの葛藤‐ 第46話

ナジムの回想 -7 「ナジム。  あなたはまもなく十五歳になります。  もう子どもではありません。  よくぞ――、ここまで成長してくれました」  ナジムには、母がなにを言わんとしているのかがわかりませんでした。 「ナジムよくおききなさい。  これからはなすことは、この国の存続にかかわる重大なことです。  それは、あなたのお祖父さまと、お父さまが、長年苦しみつづけた問題でもあります。 ……わかりますね、」  それが、〝マギラ〟とゼムラであることをすぐに察したナジムは、