KKさん

少し体調を崩して療養することになりました。しばらく静養に専念します。NOTE は開けておきます。皆さんもお体を大切にしてください

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マガジン

  • 分析しよう、坂本龍一楽曲を!

    これまでのリューイチ楽曲分析は、ご本人のものを筆頭に、どれも間違っているので、私が順に正しいものをお見せしますね。

  • ぼくは毎日こんなことを考えている

    ぼくっ子キャラで行きます。

  • エレン先生、数学を語る

    受験数学に毒されてしまった秀才さんのために、エレン先生が易しくモノホン数学を叩きこむよ

  • 天才たちの原論文を読んでみよう

    数学史や物理学史に名を残す、天才たちの論文を原語で追っていくのは、不遇を強いられている知性にとって大きな慰めとなるだろう —— スティーヴン・ホーキング(うそ)

  • 日々のつぶやき

    真の洞察は、日々のささやかなつぶやきのなかにある、かも

最近の記事

ふたりの龍が、いろいろなゲストから話を引きだしていく

一昨年、哲学のノーベル賞とも呼ばれる賞をアジア人としては初授与された、日本の思想家さんの、昭和59年ごろの発言を、ある鼎談集で再読していて、面白いことを言っていて面白いと思いました。 「文芸批評はそもそも権力的、支配的なんだ。小説を批評で支配しようとする。文革だってそう。あれは文芸論争から始まったものだし」 うろ覚えでの引用です。うろ覚えなので引用と呼ぶのもおこがましいです。いちいちタイプするのも面倒なので差し当たってこれで済ませます。 「まんが中国の歴史」シリーズ(す

    • ドビュッシー「月の光」と「戦メリ」

      いわゆる「戦メリ」について、ある著名ミュージシャンが「印象派の楽曲で好んで使われていた調が使われている」とご自身のブログで綴っていらっしゃるのを、昨日たまたま拝見しました。 少しばかり虚を突かれる思いでした。 それで少し調べてみたら… ああなるほどクロード・ドビュッシーの代表作「月の光」が変ニ長調でした。 「戦メリ」について、前に私はこんな風に分析しています。「ハラ軍曹が月を見上げながら俳句を詠む情景が脳裏に浮かぶよう設計された曲」と。 月です、月。月の光。 聴き

      • 花道くんに物理数学を面白がらせる

        数学や物理学の学習コツ集を、書き下ろしてみたいと前から夢想しています。 またその話?といわないで少しだけ私のつぶやきにおつきあいくださいな。 物理数学の本を読んでいると、違う分野の数式や方程式でありながら形式が実によく似ているものをいくつか見かけます。 試みに生成AIに「そういう実例を挙げてみてくれる?」と誘ってみたら… . 波動方程式と熱伝導方程式 シュレディンガー方程式と拡散方程式 ポアソン方程式と重力場の方程式 マクスウェルの方程式と流体力学の方程式 .

        • Ryuichi Meets Jobim with the Morelenbaums at CASA (2001)

          The following is an English translation of an essay-style article in which Ryuichi Sakamoto reflects on a week spent at the home of Carlos Jobim, hosted by his family, alongside the Morelenbaum couple. During their stay, they held sessions

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        • 分析しよう、坂本龍一楽曲を!
          396本
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          236本
        • エレン先生、数学を語る
          121本
        • 天才たちの原論文を読んでみよう
          172本
        • 日々のつぶやき
          228本
        • 映画音楽を分析しましょう
          33本

        記事

          Mishima and Sakamoto: Echoes of Narcissism and Artistic Legacy

          With the sudden plunge into winter weather, where yesterday's low temperature becomes today's high, it feels like more people in Japan, myself included, are experiencing seasonal affective disorder. Typically, I’m someone who keeps my body

          Mishima and Sakamoto: Echoes of Narcissism and Artistic Legacy

          Ryuichi and Antonio Carlos Jobim

          About ten years ago, Ryuichi Sakamoto first shared with me his profound admiration for Antonio Carlos Jobim's music. At the time, he was working on the recording of Caetano Veloso’s Circuladô, produced by his long-time collaborator Art Lind

          Ryuichi and Antonio Carlos Jobim

          The Birth of Cartoon Character - Insights from the U.S. Case Law Database (2/8)

          There Was No Concept of "Characters" as We Know Them Today It has long been established that the Yellow Kid series (serialized from 1896 to 1898), which brightened the Sunday editions of New York newspapers, marks the origin of what we now

          The Birth of Cartoon Character - Insights from the U.S. Case Law Database (2/8)

          The Birth of Cartoon Character - Insights from the U.S. Case Law Database (1/8)

          ――― On October 29, 2018, a database containing approximately 6.5 million U.S. legal cases, spanning roughly 360 years back to the pre-Revolutionary War era, was made available to the public in a free text format. This monumental digitizat

          The Birth of Cartoon Character - Insights from the U.S. Case Law Database (1/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(8/8)

          結びと予告 江戸時代より積み上げられた定跡が、AI対戦ソフトで鍛え上げられた中学生棋士によって、その不完全性が露にされ、権威者たる名人たちを震え上がらせたのは記憶に新しい。 1960年代の、日本製テレビアニメのアメリカ輸出黎明期に、日本のテレビ局がアメリカで独自進化したキャラクター理論を知らずに番組フィルムを売り込んで、後で丸裸にされてしまった事実等を、2010年の前述の研究より突き止めてきた自分としては、日本の(そしてアメリカの)先行研究の蓄積を、本物の一次資料(判例記録

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(8/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(7/8)

          キャラクターをめぐる勧善懲悪史観の誕生 もっともその反動が1960年代後半に生じた。公民権運動やベトナム戦争反対運動を背景に、いわゆるアングラ・コミックスが、出版社主体のやり方への対抗勢力として(それにヒッピー文化の血とともに)現れた[1]。これはベトナム戦争の縮小とともに70年代前半に失速していったが、入れ替わりに社会的事件を二つ、呼び込んだ。 ひとつは、スーパーマンの原作者コンビの不遇ぶりをアングラ系まんが家たちがマスコミに訴え、これで世論が騒ぎ出したため、1975年よ

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(7/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(6/8)

          スーパーマンは親無しになった さらにミッキー誕生の10年後、「キャラクターの自律」の決定版ともいえる仮想人物像が現れた。スーパーマンだ。それまでは新聞で使われたまんがの原稿を二束三文で買い集めて商品グラビア雑誌のおまけとして収録することはあったが、1938年創刊の月刊誌「アクションコミックス」は新作掲載のまんが誌としてはアメリカ初で、その創刊号から連載された「スーパーマン」の主人公は商品化からラジオドラマ化、アニメ映画化、ほかあらゆる分野に進出した[1]。 第二次大戦中に作

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(6/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(5/8)

          マーチャンダイジングが「キャラクター」を生んだ もうひとつ、興味深い広報用写真を、ペアで見てみよう。 図19は、おそらくアカデミー名誉賞を授与されたとき(1932年11月)の記念写真と同日のもの。図20は、もっと後に撮られたものと推定できる。 どうして推定できるかというと、ちょうどこの1932年、オスカー授与の数か月前、ウォルトはある広告代理店の社長と面識ができて、そしてこの人物ケイ・カーメン(Kay Kamen)をビジネスパートナーとして迎え入れたことで、経営者としても

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(5/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(4/8)

          ミッキーマウスは誰のもの? ここで論の舞台が、ニューヨーク市からロサンゼルス市に移る。いわゆるハリウッドだ。当時の同地におけるアニメ業界の状況について詳細は、本論の字数制限もあるのでここでは省き、名高いウォルト・ディズニーのミッキーマウス創造譚に着目しつつ、法の視点から迫ってみたい。 概略からいこう。ディズニーのスタジオは、アリスという女の子(実写撮影)がまんがの世界にさまよいこんで大冒険というシリーズを作っていた。一方、映画会社ユニバーサルがフィリックスのような人気アニメ

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(4/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(3/8)

          先行研究への不満 筆が先走ったようだ。時計の針を戻そう。 先ほど「キャラクターを予感させるもの」と綴ったのには理由がある。現代の日本の私たちは気軽に「キャラクター」と口にするが、アメリカ・ニューヨークの新聞カトゥーンについて19世紀末より20世紀頭にかけていろいろ探求すると、キャラクター(fictional character)といってもカトゥーン内に芽生えていったもの(伊藤の『テヅカ~』で論じられたものと同じに考えていいと思う)と、法理論としてのものの、二つの系統があって

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(3/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(2/8)

          キャラクターなんていなかった 今日「まんが」(comic strip)と呼ばれているものの始祖として、ニューヨークの新聞日曜版を毎週彩った、いわゆる “Yellow Kid”シリーズ(1896-1898年連載)を挙げるのが定説になって久しい[1]。だが、当時のあの国において、今日「キャラクター」と呼ばれている概念は、未成熟どころかその輪郭さえ生まれていなかった事実が、判例の分析から浮かんでくるのである。(詳しくは本論考後半で) ここで『キャラクターとは何か』の論を振り返って

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(2/8)

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(1/8)

          内容の要旨 本論文は、アメリカの判例データベースを駆使して「キャラクター」という概念の歴史的発展を探求する。2018年に判例データベースが無料公開され、キャラクター法理の形成過程が追跡可能となった。本論では、1890年代のアメリカにおけるコミックストリップ(カトゥーン)の初期事例から順に取り上げ、キャラクターが法的に認識される以前の歴史的背景を再考する。さらに、日本のキャラクター論との比較を通じて、キャラクター自律化の過程や知財化に関する誤認を修正し、新たな視点を提示する。

          「キャラクター」の誕生 ― アメリカ判例データベースより浮かび上がるもの(1/8)