相手の悪いところばかり見てしまう僕が強みを見つけられた瞬間/しくじりマネジメント
こんにちは。
前回の記事(プレイングマネジャーなんて、やめちまえ)で、「仕事を任せる」ときには、
・メンバーに自分と同じレベルのアウトプットを求めないこと
・メンバーの力量の消費税分(110%)くらいの目標・期待をするのがちょうど良いことが重要だとお伝えしました。
メンバーの力量を見極めるとは何を見極めると良いのか?
知識・経験・スキル…メンバーの特性を理解する観点はいろいろあります。
マネジメントにおいて理解すべきなのは、メンバーの“強みと弱み”です。
これを理解しておくだけでも、どんな仕事を任せるか、どのお客様を担当してもらうか、どれくらいの期待をかけるかが、変わってきます。
強みや弱みをどのように発見するか。発見した弱みをどのように克服させるか。僕の失敗談とともにお伝えします!
強みの見つけ方 1)
強みとは、才能でも評価でもない
メンバーに「あなたの強みは何?」と聞くと、
「特にありません…」という回答、結構多くないですか?
そんなはずはありません!
なぜか??
強みとは才能ではないからです。
その人の特徴の中で、最もプラスの行動として表れていることを指します。
ですので、どんな人にでも強みはあるのです。
まずは、ないはずがない、という気持ちを持ってください。
「特にない」に続いて多いのは、
「2年目のときに、MVPを獲得したことです」みたいな回答。
これは単なる評価であり、その人の強みではありません。
なぜMVPがとれたのか、その要因にこそ強みがあるはずです。
・ 過去の成功体験の要因は?
・ 過去の熱中した体験の中で、自分がこだわったことは?
ぜひメンバーに聞いてみてください。
新入社員の方であれば、学生時代に頑張ったことを、
中途入社の方であれば、前職の経験を、
既存社員の方であれば、これまでのベストジョブを聞くと良いと思います。
強みの見つけ方 2)
強みとは、自分(上司)から見てすごいと思うことではない
昔の僕は、
「行動力が強みです」と言われたら、
「いやいや…全然顧客への訪問量が足りてないし、もっと動いてほしいのに行動力が強みなんて…」と思ったり。
「本質的な思考力が強みです」と言われたら、
「いやいや…行動できてないし、本質なんて見極められてないじゃん…」と思ったり。
それでも否定することもできないし、肯定することもできないし、どう捉えたら良いのか悩みました。
そんな時に思い出したのは、若手の頃の自分でした。その頃僕は、行動力が強みだと言っていました。でももし、今の自分が当時の自分をメンバーに持ち「行動力が強みです!」と言われていたら…正直、全然足りてない!と思うようなレベルでした。
にもかかわらず、上司が僕の行動力を何度も褒めてくれたことを覚えています。
つまり、先ほどもお伝えした通り、その人にとっての特徴の中で、最もプラスの行動として表れていることが強みなのです。上司から見てどういうレベルか、なんて関係ありません。むしろ強みのレベルを引き上げるのが、マネジャーの仕事です。
”最も”を見つけるのは難しいかもしれません。
ですが、良いところを捉えよう・探そうとするプロセスが大切なのだと思います。
自分がどう思うか、ではなく、そのメンバーの立場になって考えてみましょう。
強みの見つけ方は分かりましたか?
さて、次は弱み(課題)との向き合い方です。
弱み(課題)との向き合い方 1)
課題にばかりに着目しない
マネジャーになりたての頃、メンバーAさんが僕のグループに異動してきました。前任のマネジャーからは「行動が遅いから、気を付けたほうが良いよ」と引き継がれました。
引き継ぎを受け、とにかく行動量を担保するよう、Aさんに働きかけ続けました。そのおかげか、一定の行動量を担保し続けることができたのですが、Aさんからは全然信頼されていないような感じがしていました。
ある時、Aさんから言われました。
「全然、見てくれていない気がします…」
その時はどういうことなのか、全然わかりませんでした。
Aさんの課題を踏まえて、関わっているはずなのに…。
その後、Aさんが何を言っているのか、分かる機会がありました。
お客様への提案資料を見せてもらったところ、すごくきれいにわかりやすく整理されていたのです。
「あれ…こんなことできるんだ…」
そうなんです。僕が見ていたのはメンバーの課題だけでした。
メンバーに成長してもらいたい。という気持ちはたくさんありました。
でも、その想いが結果悪い部分の指摘ばかりになってしまっていたのです。
だから、提案資料を丁寧に作ることができる。という強みには気づかず、
足りない行動をどうやって増やすかしか考えられていませんでした。
課題は強みの裏返しでもありますが、そこに気づくことができていなかったのです。
弱み(課題)との向き合い方 2)
課題の裏返しを想像してみる
「メンバーの課題ではなく、強みを生かす方法を考えよう」
と、よく本に書いてあります。
そうは言っても、特に若手のうちは、課題を克服することも大事だとは思います。
足りないものにばかり目がいってしまう…それは僕も今でも変わりません。
ですが、弱み(課題)に向かい続けるのは、メンバーにとっては苦しいです。逃げずに課題に向き合い続けたものの、苦しくなり、気持ちが折れてしまうメンバーもいます。
また、弱みにばかり着目したコミュニケーションをとってしまうと、
メンバーからは「この上司は、自分の悪いところしか見てくれない」
と捉えられてしまうこともあります。
実際にそう言われてしまったこともあります…。
では、どうするか?
弱みばかりが見えるときには、その裏返しとしての強みを探しましょう。
・ くどいとは、丁寧なことです。
・ うるさいとは、賑やかなことです。
・ 頑固とは、一途なことです。
「弱み(課題)に向き合う」とは、プラスとマイナスの両側面を捉えたうえで、プラスの側面がたくさん出てくるようにすることです。
「あの人は頑固だよね」ではなく、
「あの人は一途に仕事に取り組むよね」と周囲が変わる。
「僕は頑固で変われないんです」ではなく、
「僕は一途にこだわり通すことができます」に変わる。
そのためには、たくさんメンバーを褒めることです。
ただ「すごいね」「よくできたね」ということではなく、「細かい点まで、常日頃から意識し続けてきた結果だね」「●●さんの一途に考え続けることをやりきった結果だね」等と具体的に褒めることです。
また、中間管理職であれば、その仕事の結果を報告・共有する際に、「●●さんが頑張った結果です」と伝えるのではなく、「●●さんがいつも細かい点まで丁寧に確認してくれている強みを生かして、頑張った結果です」と伝えることです。
周囲や本人が強みに着目した捉え方になるようなコミュニケーションをとるのが、弱み(課題)と向き合い克服するために、大事なポイントです。
終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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プレイングマネジャーなんて、やめちまえ
メンバーへの仕事の任せ方や任せた後のかかわり方について、まとめています。強みを見つけたメンバーに仕事を任せる際に、ぜひご参考ください。