若者が使う“ヤバいっす”を理解する/しくじりマネジメント
皆さま、こんにちは。
新年度を迎え、多くの企業では新卒新人を受け入れたのではないでしょうか。
「最近の若者は…」
このセリフ、5000年前の古代エジプトの時代から言われているらしいです。
僕も、直近4年間で3回新卒新人を受け入れていますが、何度も思ってしまいました…
僕がこれまでの経験で感じた新卒新人の受け入れにおいて、重要なポイントについて、今日はお伝えさせていただきます。
「えっ?」と思っても、とにかく一旦受け止めてみる
年の離れたメンバーを経験したことのある管理職の方なら、この気持ちわかりますよね? 世代が違うのだから・・・と頭で分かっていても、「まじか・・・」と思ってしまいます。
ただ先に言います。
新人たちには悪気はありません。
仕事の依頼をすると「この仕事は私がしないといけないのでしょうか」と断ろうとしたり、仕事のミスに叱ると「褒められて伸びるタイプなのでもっと褒めてほしいです」と主張したり、飲みの席で「もっと飲めよ」と言ってきたりww
いろいろ驚くことはありますが、こんなことを言われても、新人たちに悪気はないのです!
新人たちの言葉を受け止めるために、知っておいていただきたいのは、
「新人が“発する言葉”と“言いたいこと”にはずれがある」ということです。
僕が経験したエピソードを参考にしながら、どういうことか説明します。
配属されて1か月で「もう辞めたいです・・・」
新卒新人が、営業職として僕の部署に配属されました。
新人の初仕事は、主力商品の新規営業(資料請求をしてくださったお客様への提案)や、既存顧客のアフターフォローです。
人材業界なので、コンサルティングや制度設計など、複雑で固定の商品の提案にはおさまらないような案件も多々ありますが、まずは主力商品の案件に絞って任せることで、営業としての基本的な力を身につけること、商品理解を深めること、それを通じて自信を育むことを狙っています。
1か月が経った頃、「そろそろ、部署にも慣れてきた?」と聞いてみると、「もう辞めたいです・・・」
!!!!!
これにはびっくりしました。
思わず「何かあったの?」と聞くと、
「もっと、チームで仕事をすると思っていました。1人で営業している感じで、思っていたのと違います」
衝撃でした。
まぁ、確かにチームで仕事をすることも多いですが、それはお客様の要望が複雑な場合に、社内の専門家とタッグを組んで・・・ということです。
今はスタンダードな主力商品の提案・納品を行う仕事で、複数人でやっていたら非効率としか言いようがありません。
というか、自分が思ったのと違ったら、そんな簡単に辞めちゃっていいの・・・?
新人が伝えたかったのは、「わたし、不安なんです」
話を聞くにあたり、辞めるか・辞めないかの2択で会話するべきではないと思い、今、どんなことを感じているのか、どんな気持ちなのか?
嬉しいとき、哀しいとき、辛いときはどんなときなのか?
丁寧に確認しました。
※参考)退職相談を受けた際の関わりをまとめた記事はこちら
https://note.com/19870207/n/n682929815dae
その子の気持ちを聞いていくにつれて、
・今の仕事の中で、楽しいと感じる部分もあること
・自分の力の足りなさを感じるときに、とても悔しく、悲しい気持ちになること
がわかってきました。
そして、「本当にそれって、辞めたいと思ってるの?」
と改めて聞いてみると、「違うかもしれません・・・」とのこと。
とりあえず、ホッ。
続けて聞いてみました。
「でも、思っていた営業とは違うことによって、何か感じているんだよね?それは何だろう?」
Aさんは言葉にできなかったのですが、「一人でやっていくのが不安って感じている?」と聞くと、「そうかもしれません…!」と、ハッとした顔をしていました。
この一連のエピソードから、本人の言葉をそのまま受け止めてはいけないこと、ましてや刺激即反応的な関わりはご法度であることであることを学びました。
3つの「やばいっす」の見極め。
新人の言葉をそのまま受け取らないことが重要とお伝えしましたが、
意味が異なる同じ言葉を、どの意味なのか見極めることも重要です。
分かりにくいので、具体例で説明しますね。
特に若い子にありがちですが、「ヤバいっす」という発言、よく聞きますよね。ヤバいには3つの種類があります。
1.ヤバいっす!!
2.ヤバいっす。
3.ヤバいっす・・・
1.はポジティブな意味ですね。「めっちゃすごいことが起こりました!」という意味が多いです。テンションを上げて聞きましょう。
2.はフラットです。「すごいです」という言い換えですが、ポジでもネガでもありません。具体的に報告を聞きましょう。
3.はネガティブ。「自分にとっては大変なことが起きている」という意味です。親身に聞きましょう。
同じ「ヤバい」でも、意味が違うんですよね。
会話している中で、これを見極めないといけないので、なかなか大変です。
だからこそ、「何がヤバいの?」「どう感じている?」ということを確認する必要があります。
言葉の背景にある”気持ち”をきちんと確認する
我々が思っている以上に、言葉の使い方が違います。
もっと言うと、文化が違います。だって、育ってきた環境が違うんだから、アタリマエ。
先ほどの「ヤバいっす」という例にあるように、その言葉の背景にある気持ちをきちんと掴むことが大切です。
繰り返しになりますが、刺激即反応はNGです。
言葉をそのまま受け止めないことがポイントです。
終わりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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