白夜はなぜ不愛想で、ボケているのか?|『未確認で進行形』(7)
本記事は、アニメ「未確認で進行形」を徹底分析する特集の……第7回である★
第1回からご覧になることをオススメします!
今回のテーマ!
第6回では、白夜の「人となり」をざっくりご紹介した。
今回も……白夜!
彼についてより深く理解するための考察を行う。
※右:白夜。
【問】白夜はなぜ愛想がなく、その上天然ボケで常識もないのか?
第6回でご紹介した通り……白夜は「無表情・無口/言動がストレート」で、また「天然ボケ/常識がない」。
はて。
彼は、一体なぜこのような青年に育ったのだろうか?
その原因を考えてみたい。
【考察】白夜は「ド田舎」に生まれ、幼い頃から「大人の男」として育てられた
作中の描写から推測するに……白夜がいまのようなキャラになった最大の原因は、「彼がド田舎で生まれ育ったから」だと思われる。
白夜は、高1の冬に小紅らと同居を開始するが、それ以前は山奥の寒村で生まれ育ったそうだ。
そこは、「信号が1つもない(隣町に1つあるだけ)」という場所。
「おやつといえばせんべいか漬物で、洋菓子なんてほとんど食べたことがない」という生活だったという。
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そんなド田舎で過ごした「白夜の幼少期」を想像してみよう。
【1】ド田舎には、子どもが少ない
まず、そもそもの人口が少ないのだから、子どもの数だって随分と限られていたはずだ。
つまり白夜は、同世代の子どもとはほとんど交流することなく成長したのではないかと思われる。
【2】ド田舎には、伝統的な「性役割」や「性別役割分業」観が根強く残っている
また、一般論として、田舎には伝統的な「性役割」や「性別役割分業」観がいまも根強く残っているものだ(第4回でも少し触れた)。
「性役割」や「性別役割分業」観とは、ざっくり言えば「男は男らしく、女は女らしくあるべき」とか、「男は仕事、女は家事」といった考えを「当然のこと/理想的な状態」と見なすことだ。
そして、こうした考えが根強く残っているエリアでよく見られるのが……「『個人』、『家族』、『夫婦』ではなく、『男衆/女衆』という行動単位」である。
普段の仕事からちょっとした寄り合い、祭りの準備に至るまで、何かと「男は男同士、女は女同士」で固まって行動する傾向があるのだ。
【3】白夜は男衆の中で育った
ここまで見てきた「子どもが少ない」、そして「伝統的な『性役割』や『性別役割分業』観が根強く残っている」という田舎の特徴を踏まえて考えると……白夜は幼い頃から「男衆」の中で育ったのではないかと推測できるだろう。
彼は大人の男たちの中で、「大人の男」としてふるまうことを期待されて育ったのだ。
そしてその結果、白夜は高1にして、「『ド田舎の大人の男』の価値観」を身につけたのだと思われる。
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それではその「『ド田舎の大人の男』の価値観」とは一体どのようなものだろうか?
一言に「田舎」と言っても場所によっていろいろあるだろうし、また「価値観」と言っても幅広いものがあるが、白夜を理解する上で重要なポイントだけ指摘するならば……そう!
それは、「男たるもの、朴訥であるべし」という価値観である。
ド田舎では「雄弁な男性」は嫌われる傾向にある。
彼らは、「有言実行」ならぬ「不言実行」を尊ぶ。
※右:白夜。この不愛想な顔。不機嫌なわけではない。これが普段の顔だ。
【答】白夜は「『ド田舎の大人の男』の価値観」を身につけている
ここまで考えてくると、白夜が不愛想で、ボケている理由はもう明確だろう。
彼の身につけている「『ド田舎の大人の男』の価値観」では、「不愛想であること」は善だ。
一方、ペチャクチャおしゃべりしたり、うるさく騒いだりするのは、彼の価値観からすれば正しいことではない。
だから白夜は不愛想だが、「もっと上手くコミュニケーションを取りたい!」なんて思うことがないのだ(詳しくは第6章)。
また、彼がボケているのも無理はない。
「ド田舎の大人の男」が、「都会の高校生」の間にまじっているのである。
そりゃ「天然ボケ/常識がない」と感じられるのも当然のことだろう。
以上、白夜が「無表情・無口/言動がストレート」で、「天然ボケ/常識がない」人になった「原因」を考察した。
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(担当:三葉)