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日記

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#文章

死にたくないなら死んだも同然

2024-03-04
「きみが一番だよ」そう言ってみたけれど、すきに一番も二番もあるわけがない。いろんなすきがあって、どれもそのすきの一番なのだから。なんかずっとなきそうなんだよ、彼に久しぶりに会ってしまったから。なんかずっと夢みたいでさ。ステージの照明の赤や青の丸がいつになっても視界から消えてくれない。親指のささくれを掻き毟っている間だけはその痛みでなんとか夢から覚めることができた。
死にたくな

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生きてるね

17歳がもうすぐ終わる。

4月
ゆめばかりみていた。
夢の中で何回も彼に会って、彼は私の欲しい言葉をかけてくれた。人に嫌われる夢もたくさんみて、嫌われたくない自分自身を初めて認識した。
髪を切って、新しい自分になったゆめをみた。下を向くと顔にかかるボブヘアーが、人との距離を作って、切ったことを少し後悔した。
春のやわらかな過ごしやすい空気の中、ずっと汗をかく日々だった。教室の椅子に座ると、椅子と

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つまらない文章

2022-03-22
つまらないゆめ
 

教室なんだけど席がぜんぶバスみたい、シートが並んでる
暗くてオレンジの光、照明が前に照らされている、埃がすごくて教室全体が煙たい

最初からそこは人間の世界なんかじゃなかったんだ、私はものすごい勘違いをしていただけだったんだ、周りを見渡すと気づけば怒りに呪われている動物だらけで、人間は私だけだった。
私が言う。
「あの子はどうしたの?」
「人間だったのさ

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ぼやけた世界の方がすきだから。

コンタクトを買ったけれど、ずっとつけないでいる。ぼやけた世界の方が好きだから。
みたくないもの、ききたくないこと、たくさんあるので五感を1つ鈍らせて歩いている。

夜の雨の街は、車のライトが眩しくて、赤が。電灯の光が縦や横に伸びたり縮んだり、黄色が。水たまりに映る赤と黄色が、溶けて混ざり合いそうだった。

目を少し細めて、そうすると光の筋がもっと伸びて、気づいたら泣いていた。

もともとぼやけてい

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毎日、なんとか、生きれない。

「もうつかれたよ」

今朝、また伝わらなかった。
いつもどおりの朝、いつもどおり母親は私を急かす。なにやってるの、また遅刻かよ、急げよ。またそうやってわざと遅れようとしてるんでしょ。
母親から逃げるように洗面所に行って、電気もつけずにぐしゃぐしゃな髪の毛をブラシで梳かす、となりにある洗濯機が揺れている、学校行きたくないよ
パチッ
電気がついた、リビングから母親が追いかけてきた、そんなんやったって何

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蝋燭の灯でやさしく瞼をとかして

蝋燭の灯でやさしく瞼をとかして

  窓から光が差し込んで床にやさしく映りこんでいる。その光の中に、風で揺れる木々が影となって居る。水面みたいに形を変えていくから、あまりにも綺麗で、その中に入りたいと思った。

 

 

2021-10-26

  満員電車にはもう乗りたくなかった。登校中、漠然とした不安と恐怖で、足がすくんだ。おなかが痛くなって、涙が溢れた。
  そして私は「逃げない!」を聴きながら逃げた。
  もうこうやって

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おとなでもこどもでもなくってよ

おとなでもこどもでもなくってよ

2021-09-12 

 こどもの歯を抜いた。
 私にはまだ乳歯があって、生まれつきその歯の下には大人の歯がないらしい。あってもいずれグラグラして抜けるらしいので、もう抜いてしまおうという話になった。

 抜くときに麻酔をしたのだけれど、それが割と痛くて打ってる間は彼のことをずっと考えていた。あの時の笑顔可愛かったなとか、あの配信の話面白かったなとか、いろいろ思い出そうとしたのに結局何も出てこな

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