マガジンのカバー画像

小説、のようなもの

27
物語になりきれない物語たち
運営しているクリエイター

#恋愛

僕と彼女と小さなウソ

「浮気のラインって、どこからだと思う?」 そんな風に彼女が聞いてきたので、僕は少し考えて…

oil
2か月前
40

幸せなら、音楽なんて必要ないよね

『本当に幸せなら、音楽なんて必要ないと思うんだよね』 そう言った君の言葉が、何年経っても…

oil
5か月前
38

あれは、恋だった。

仕事終わり、最寄駅から家への帰り道。 公園の近くを通りかかった時に、ふと昔見た風景がフラ…

oil
5か月前
29

さよならの5分前

恋人と別れる時って、中々気が滅入るものだ。 振る時も、振られる時も。 そんなことを考えな…

oil
8か月前
23

言えなかった気持ちは、ため息に変わって消えた。

「何飲む?」 僕がそう聞くと、彼女は食い気味に答えた。 「ビール!」 その勢いに、思わず…

oil
1年前
115

君のいない毎日

仕事帰り、よくコンビニに立ち寄る。 ここで雑誌を立ち読みして、明日の朝食を買って帰る。そ…

oil
1年前
36

僕と君はカタラーナとブリュレのようで

「カタラーナとブリュレって、何が違うか知ってる?」 彼女にそう聞かれた時、僕は少し考えるフリをした。 考えても分かるわけないけど、すぐ諦めたら会話をする気がない奴みたいだしね。 「…硬いか、硬くないか?」 彼女は僕の返答を聞いてニヤニヤしている。 やっぱ、間違ってるよね。 「正解は、カタラーナは粉類を混ぜる。 クリームブリュレは粉類を混ぜないで、湯煎して凝固させるんだって」 「へー」 確かに初めて知った、けど。 「それ、知ってて得する場面あるの?」 僕が聞くと

【短編小説】さよなら純真

「こんなことなら、最初から好きにならなきゃ良かった」 「それ言うの、今日だけで何回目よ」…

oil
1年前
25

君の好きな音楽を好きになりたかった

「好きなバンドとかいるの?」 大学の時付き合っていた女の子に、そんな質問をしたことがある…

oil
2年前
74

僕と家庭教師の不思議な関係~後編~

時は2005年。 当時15歳の僕は、様々な事情からイケメン家庭教師の家に通うようになり。 そして…

oil
2年前
46

ストーリー・オブ・ファーストキス

「まだ着かないの?海」 こういう時は、大体言い出しっぺが一番最初にボヤき始めるものだ。 …

oil
2年前
30

「18、19の時付き合ってた人と結婚する人って多いよね」

大学生の時、付き合ってた彼女に言われた言葉。 結局実現することはなかったけど。 彼女とは…

oil
3年前
212

【短編小説風】まだ恋は始まらない

仕事で疲れた体を、引きずるようにしてアパートの3階までたどり着いた。 僕は、好きでもない…

oil
3年前
24

【短編小説風】僕らの指輪物語

「いけると思ったんだよな…」 ジョッキを置いた蒼介は、そう言ってため息をついた。 今日だけでもう13回目。 "ため息をつくと幸せが逃げる"というのが本当なら、彼の家系は三代先ぐらいまで不幸に見舞われそうだ。 「ため息ばっかつくなよ。こっちまで辛くなる」 僕の隣の席で竜也が呟く。 21歳とは思えない顔立ちが、居酒屋の暗めの照明で更に大人っぽく見えた。 竜也の言葉を聞いて、蒼介の眉が釣り上がる。 「おめえはフった側だろ!俺と同じような顔してんじゃねえ!」 気持ちはわ