7社目でようやく適職に 人材サービス業経験者である私の転職論
私は社会人になってから約20年ほどになります。
これまで6回転職して現在の7社目でようやく適職に落ち着くことができました。
仕事量・仕事内容・給与のバランスが自分にとってベストな会社に辿り着くまでには、ブラック企業に近いグレーな会社に就職してしまい、なかなかそこから抜け出せなくて将来の展望が見いだせない時期もありました。
その会社では早朝から深夜まで働いていて、毎日のようにサービス残業をしていたのにも関わらず、会社の業績不振も重なって一度もボーナスは出ませんでした。
転職に成功した今では本来当然のことではありますが、自分の都合で定時で帰ることができますし、有給も気兼ねなく取ることができます。ボーナスも人並み以上にもらえるようになりました。
本稿では私の実体験に基づき、リスクを抑えた後悔しない転職方法だけではなく、労働環境が酷かった人材サービス会社での私の経験談、オススメの転職エージェントの他、過労で心身が弱っている方に観ていただきたい専門家二人の無料動画をご紹介しますので、興味のあるところだけでもぜひ読んでみてください。
結論
結論からいうと、失敗するリスクを可能な限り抑えることができるオススメの転職方法は、今の仕事を続けながら転職活動を行うということです。
たいして役にたたない情報だと思った方も少なくないかもしれませんが、働きながらの転職には大きな3つのメリットがあります。
①転職先を妥協しなくてすむ。
②採用担当者に転職理由をポジティブに捉えられる。
③現在働いている会社を客観視できるようになる。
転職を考えるうえで大切なことの一つとして、一時の感情に押されて時期早々に退職してしまわないことが挙げられます。
ネガティブなところばかりにとらわれていると、辞めてからようやくその会社の良いところに気付いて後悔してしまうこともあるのではないでしょうか。
もちろんブラック企業での長時間労働で疲弊しきっていて、正常な判断がつかないような場合は話しが違います。
そのような方のために、本稿の最後に私がオススメの精神科医ユーチューバーを二人ご紹介します。
ブラック企業や職場環境の悪い会社に勤めている方には、その箇所だけでも読んで頂きたいです。
労働環境の悪い職場を辞めるかどうかの判断基準や対処法をアドバイスしている無料動画のURLを載せています。
以前、私が転職を考えていた時にそれを察した人からこんなことを言われたことがあります。
「転職する人が理解できない。会社を変える人はあまり信用できないし、周りからの評価を下げてしまうよ」
親切心から発せられた言葉だとは思いますが、転職にたいして否定的な印象をもっている方は、
a.恵まれた環境で働いている。
b.その人の能力が優れている。
c.何も考えていない。
これらのいずれかに当てはまるのではないでしょうか。
マイナビ転職動向調査
マイナビが2023年に実施した調査によると、正社員の転職率は7.5%で、その約半数は30〜50代の男性だとのことです。
マイナビ転職動向調査2024年版(2023年実績)
https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240312_71344/
マイナビ中途採用実態調査
また、2024年1~7月に中途採用を行った企業の人事担当者を対象した、マイナビの中途採用実態調査によると、企業が早期離職だと思う勤続年数は平均9.5ヵ月以内で、転職経験者の4割以上が9.5ヵ月以内の退職を経験しているとのことです。
マイナビ中途採用実態調査(2024年)
https://www.mynavi.jp/news/2024/09/post_45307.html
これらのデータだけをとっても、現在の日本社会において転職するということは、けっして珍しいものだとはいえなくなったのではないでしょうか。
それでは、仕事を辞めずに働きながら転職活動を行うメリットを順に解説していきます。
①転職先を妥協しなくてすむ。
今までに私が働いてきた7つの職場は業種も職種もバラバラなのですが、共通して言えることが一つだけあります。
それは、中途入社で入ってきた同僚のほとんどが、転職する前に仕事を辞めてしまい、しばらくは無職の期間を過ごしていたということです。
じっくりと転職活動をしたいという思いが、今の会社を一刻も早く辞めたいという本音を正当化させてしまい、勢いで辞めてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当然、会社を辞めればいつでも面接を組むことができるので、仕事の予定をやりくりする手間がなくなって楽にはなります。
しかし、私が今まで転職組みの同僚たちから聞いた限りでは、無職の期間を過ごしながら不採用が続くとだんだん焦り始めて、徐々に転職の判断基準を緩めざるをえなくなるようです。
その結果、入社してから転職先の雇用条件に後悔している方が少なからずともいらっしゃいました。
だからといって私も同じ職場にいるわけですから、転職活動を行うのに仕事を辞ても辞めなくても、結果は一緒じゃないかと思われる方がいるかもしれませんが、私の場合はその時点ではその会社が妥当なところであっただけで、仕事を辞めてから求職活動をされた同僚は、それ以上に条件の良い会社に入ることができたのかもしれないのです。
このような周りの失敗談を戒めにして、私は転職活動をする際、転職先を決めてから会社を退職することを心掛けています。
会社を辞めてから転職活動したことは過去に2回だけありますが、その時は運もあり退職してひと月も経たないうちに再就職することができました。
実績やキャリアがあっても数ヶ月以上無職を経験されていた方もいたので、私はタイミングに恵まれていたと思います。
余談1 NPO法人運営のフリースクール
転職先を決める前に退職してしまった1度目のケースは、社会人になって初めて勤めたNPO法人が運営するフリースクールの職員時代のことでした。
様々な理由から学校に行きたくても行くことができない子どもたちを対象に、心理・教育の両面から支援する仕事でとてもやりがいはあったのですが、入社時の給与は額面で12万円ととても低かったのがネックでした。
同じ職場で現在の私の妻と出会い、「生活の基盤を整えよう!」と転職を決意しましたのですが、当時私は世間知らずだったため、当時は退職をするという選択肢しかないと思い辞めてしまいました。
有給消化などの在籍期間中に転職することができたので正確には無職になったわけではないのですが、先が見通せない状態で求職活動を行うというのは、妙にソワソワして落ち着かない気持ちになるものです。
今なら退職する前に民間の転職サイトに登録して、自分の市場価値や求人動向を調べるところから始めるのですが、その時は転職サイトを利用するなどということは頭にすら浮かばず、ハローワークの利用のみで求職活動を行いました。
ハローワークには真面目に求職活動をされている方も当然いらっしゃいますが、なかには前向きに求職活動をせず、失業時の各種手当目的で通われている方も見受けられます。
私は人の目を気にしてしまう質なので無職状態でそのような環境にいると、自分まで同じように見られているのではないかと思い、なんとも言えない憂うつな気分に陥ってしまいました。
余談2 建築(足場)用仮設機材の営業時代
足場機材の営業職をしたことがあるのですが、会社の雰囲気や業務内容とそこで求められる能力が、まったく自分とは噛み合わず、悩んだ末に正社員試用期間の6ヵ月で自主退職しました。
妻の希望もあり、子育ての環境面を重視して、妻の故郷に移住するために転職した職場だったので、仕事が合わないとは感じながらも、だましだまし6ヵ月間働いていました。
最終的に退職を決断したのは、現場の応援作業が理由でした。
仮設機材を施工する職人さん達と一緒に、その機材を組み上げるのですが、2階、3階部分の施工時であっても命綱を付けるという慣習がなかったため、安全衛生の観点から自分とは感覚がまったく合わないと感じたことが決め手となりました。
法令上、フルハーネスは着用していたのですが、その日1日の仕事量を考えると、ハーネスのフックを仮設機材にいちいちかけて周囲の作業を中断させづらいのです。
一度、職人さんと上層階から落下した場合のことを話したことがあるのですが、「保険に入っているから万が一のことがあっても家族は困らない」と言っていたことが強く印象に残っています。
夏は直射日光にさらされたなかで重い機材を運搬し、冬は手足の感覚がなくなります。私は夏に差し掛かったあたりまでしか経験していないのですが、それでも暑さでヘロヘロになって、お昼休憩時に食べた『ガリガリ君』がめちゃくちゃ美味しくて3つも食べてしまいました。
職人さんにとっても夏はやはりきついようで、新人の頃に一度逃げ出したことがあるという話しも聞きました。
仮設機材の職人さんは全国的になり手不足で、外国の方も少なくありません。建設工事にはなくてはならない仕事なので、もう少し、業界全体で安全衛生に注力されると日本の若い方も働き続けやすいのではないかと思います。
このような経緯で、正社員登用に切り替わる入社から6ヵ月になる前に退職届を提出し、残りの在籍期間期間中に通える範囲で応募している求人情報を探すことになりました。
この時もNPO法人退職時と同様にタイミングが良く、新規オープンする大手メーカーの求人を見つけました。
確実に採用してもらうため、転職フェアに出展していた同社のブースに訪れて、採用担当者にアプローチも行いました。
入社してから気付きましたが、工場が稼働してからも正社員を応募していたので、普通に採用試験を受けただけでも合格していたのかもしれません。
しかし、家族の生活を考えると念には念を入れて間違いはありませんでした。
自分のキャリアに無職の空白期間も入れたくはなかったということもあります。
退職届を提出してから在職中に転職先を決めた、この期間はかなりのエネルギーを費やしました。
このような経験をしたこととあり、働き続けながら転職活動することをお勧めしているのですが、実際のところ一番大変だったのは面接日程を組むことでした。
毎日夜明け前から起床して会社に向かい、深夜過ぎに帰宅するという生活を送っていた短期派遣の人材サービス会社で働いていた時は、その部署内の全員で取引先からの受注枠をすべて埋めるという毎日のノルマがあったため、自分自身で業務量をコントロールするということができず、休みたくても自分の都合でちょこちょこと休暇を取るというのはなかなか難しい環境にありました。
また別の会社での話しですが、家族経営の小規模事業所で働いていた時は、有給休暇を取得すること自体への理解が不十分であり、会社の意向に合わない振る舞いをしていると、経営者たちから煙たがられて何かの拍子に上げ足を取られ、退職勧奨されて辞めていったという人もいたため、あまり不用意には休むことができませんでした。
私のこれらの体験談のように、平日に面接を設定することが難しいという方が少なくないのではないでしょうか。
転職したいと思いながらも、応募先から指定された面接日時に時間を調整することが困難で、求人情報サイトのエントリー時点で思いとどまり、保留した求人案件も少なくありませんでした。
当時私が、リクナビ・マイナビ・doda・エン転職などの日本の代表的な転職サイトで調べた限りでは、土日に面接を行っているところはチェーン展開をしているような企業ばかりで、そのようなところを転職会議やキャリコネなどの会社のクチコミサイトでチェックしてみると、社員の出入りが多かったり、従業員の給与が低くてサービス残業が多いという評価の会社がほとんどでした。
応募先に面接日時の変更を相談するということも可能だとは思いますが、できればスムーズにことを進めたいものです。
あまり参考にはならないかもしれませんが、私の使用した手段を当時の労働環境とともに以下にまとめてみました。
その①人材サービス会社の営業職時代
顧客に派遣社員を提供したり、正社員を紹介する人材サービス会社に勤めていた時は、部署によっても労働環境は違ったのですが、私は在籍期間のほとんどを激務の部署に配属させられて、家に帰りたくても帰れないくらい生活を何年も経験しました。
入社当初は長期派遣の部署に配属されました。その時は長期派遣の需要が安定的にあったため、売り上げを出すことにそこまで苦労しなかったのですが、2008年9月以降、リーマンショックの影響でバッサバッサと派遣切りにあい、その穴埋めをすることができませんでした。
私は営業経験が少なかったこともあり、会社都合で激務との噂を聞いていた短期派遣の部署に移動となりました。
その噂は本当で夜の9時10時に帰れれば早い方で、業務を終えるのに11時を超えることがザラにありました。
しばしば終電を逃して会社の椅子で寝るような生活をしていたため、不衛生な状態が続いて人生で初めて水虫にかかってしまいました。
今振り返ると「そんなこともあったな」と思い出し笑いをしてしまうのですが、当時は先の見通しが立たなくてとても不安になりました。
その時はすでに結婚をしていたのですが、子どもを育てたくても、家にいることがまともにできない状態ではその余裕がまったくありませんでした。
また、会社の業績悪化という理由でボーナスを一度ももらうことができず、『みなし労働時間制という労働契約』を盾にされて深夜の0時近くまで働いていても残業代は全くでなかったこともあり、ライフワークバランスとキャリアデザインの両方の観点から、自然と転職活動をするようになりました。
ちなみにその会社では、『事業場外労働のみなし労働時間制』が一般に適用される外回りの営業の職務だけではなく、実際には社内業務でずっと机に張り付いついていたことも少なくなかったので、法的にはかなりグレーだったと思います。
入社当初に所属していた長期派遣を扱う部署では、顧客に派遣スタッフを提供してうまくマッチングさえすれば、あとは適宜、顧客と派遣スタッフにフォローするだけである程度の利益を出すことができたので、景気が安定していた時は、新規営業をそこまで必死にやる必要がないほどノルマに余裕があり、時間調整も比較的に楽な方でした。
あまり大っぴらには言えないことですが、長期派遣の部署の上長たちと一緒にゴルフの打ちっぱなしやパチンコに行くこともあったくらいでした。
それが打って変わって短期派遣の部署に移動させられてからは、部署間のギャップに非常に驚いたものです。
余談ではありますが、そこは閉鎖的な家族経営の会社であったため、社長一家がやりたい放題でも誰も止めることはできませんでした。
社長の娘さんも役員だったのですが、会社には顔を出したことがないくせに、総務部の人に自分のタイムカードを打たせて、自分は好きなアイドルを追っかけているということを関係者から聞いたときは何とも言えない気持ちになりました。
会社の業績不振のためにボーナスを一度も支給されることがなく、どれだけ働いても残業代を一度ももらったことがないのに、経営者たちが自分たちの利権だけは手放さないことを知り、会社の将来に何も期待することができくなったことも、転職決意した理由の一つでした。
先日、久々に会社のホームページを見てみたら、代表取締役だけでなく、所在地もグループ会社も変わっていましいた。
会社のロゴや沿革は当時のものと共通しているので、事業譲渡でもされたのでしょうか。
当時から代表一家の所有物の抵当権が、資金繰りの関係で色々とあったようなので当然の結果だとは思います。
私が辞める前後数年だけでも何割かの社員が入れ替わっているので、社員の顔ぶれも昔と今ではだいぶ違うのではないかと思います。
従業員たちがサービス残業とボーナス無しで一生懸命に働いて貢献してきた会社のお金で、前代表の娘さんは大好きなアイドルを追いかけることができなくなってさぞ残念がっていると思います。
私が在籍していたのはかれこれ10年以上前なので、いつまで娘さんが同じようなことをしていたのかは定かではありませんが…
短期派遣の人材サービス業で何がそこまで忙しかったのかというと、その都度一日単位で、取引先と派遣契約を結び、派遣スタッフとも雇用契約を結ばなければならないからです。
大口の取引先では1日100人前後の人員が稼働するのですが、前日までにその人員を確保しなければなりません。
しかも私が働いていた会社では、予備の待機スタッフを用意していた現場もあり、病欠や無断欠勤があった場合は、その待機スタッフを直ちに出動させて穴埋めしていました。
受注枠をすべて埋めなければならないので、この人材確保に大半の時間が割かれました。
ところで、その会社には営業担当の他にコーディネーターと呼ばれる職種がありました。
各種媒体を使って求人広告を出したり、応募者の登録・面談を行って、スタッフと仕事の調整を行うのが主な仕事で、どこの派遣会社も同じような職種があると思います。
登録スタッフのキャリアを支援したいと思ったことが人材サービスの会社を選んだ理由の一つだったので、新規事業を開拓する部署に配属していた時は、ブライダル業界のウェディングプランナーの育成に携わったり、教育・福祉業界では保育士資格を持つ登録スタッフの支援を行ったりなど、当初の希望に叶った仕事ができてとても刺激を受けました。
しかし、短期派遣の部署におけるコーディネーターの業務は、登録スタッフにひたすら電話をかけて注文枠を埋めていくという単純な作業がほとんどでした。
同じ人材サービスの分野でも、取り扱う業種・職種や、顧客のニーズが一般派遣なのかそれとも正社員の人材紹介なのかによって私たちの仕事内容はがらりと変わるので、これから人材サービス業界で働くことを志望されるようであれば、是非私の経験談も参考にしてください。
また、営業職においても取引先から日々の仕事をもらってきて、現場の管理をするのがメインの業務だったので単純といえば単純な業務でした。
新規スタッフの入社立会や現場管理を行ったあと、取引先から翌日以降の受注をもらってから会社に戻ります。
あとはコーディネーターと一緒に、新規スタッフの面談・登録を行い、オーダーが埋まるまで登録スタッフに電話をかけまくるのです。
短期派遣の営業担当の大切な役割は、現場に予定通りスタッフが到着するかどうかの確認やその後のフォローです。
体調不良による当日連絡ありの欠勤はまだ良い方で、無断欠勤するビギナースタッフも少なくありません。このような電話や現場でのフォローをするために、現場が稼働する前に現地に到着しなければならないので、自宅から始発電車に乗って現場に直行することも少なくありませんでした。
そんなこんなで朝は始発電車に乗っていき、夜は終電前後の退社を繰り返していたため、生真面目にやっていたら転職希望先との面接の時間を作ることなんて不可能なわけです。
しかし、このように従業員を長時間労働させて放置しているような会社には、抜けているところがどこかにあると思います。
私の場合は1日の業務のなかで、取引先から次の取引先に移動するまでにしばしば時間の空くことがありました。
また、現場も必ず貼り付いていなければならないところばかりではなく、欠勤者がいても顧客や社内のコーディネーターとの電話対応で済むところもあったため、これらを上手く利用して面接の時間を確保することにしました。
嘘の営業報告をしても会社にたいして後ろめたい気持ちはまったくありませんでした。
『みなし労働時間制』という会社にとって都合の良い労働契約を交わされ、『みなし残業』の手当もなく、朝から晩まで拘束されても残業代は一銭も出なかったので、一日のうちのどこかの時間を転職活動の面接に使用してもまったく気にはなりませんでした。
もしもそのことを会社に発覚されて指摘されたとしら、自分の労働時間を記録したノートを労働基準監督所かどこかに持って行って、すべてをさらけ出してやろうと思っていました。
会社と取り交わした労働契約の内容にもよるので一概にはいえませんが、営業職の場合、ブラック企業に近ければ近いほど、日中に私的理由で転職活動に時間を使っても罪悪感なんて感じることはないと思います。
ただし、社用のPCや携帯電話で転職サイトを見るなどの行為は物的証拠が残ったしまうため、自分の優位性を保つためには避けるべきです。
②採用担当者に転職理由をポジティブに捉えられる。
私は若い頃面接がとても苦手で、何か後ろめたいことを質問されると言葉に詰まってしまうか、ネガティブなことを口から滑らしてしまい、不採用になるということが少なくありませんでした。
上記の派遣会社に勤めていた時も転職の動機を聞かれると、正直村からやってきた私は、労働環境や会社の経営状況を正直に伝えてしまいました。
営業関連の職種の面接であれば、そのような環境下であっても悪い印象を感じさせないようにしなければならないので当然不採用になりますよね。
求人会社や面接官の立場になって考えれば、ポジティブな動機が求められます。
そのことにようやく気付いた私は、単なる面接対策をするだけではなく、キャリアデザインによるポジティブな転職活動をしていこうと、複数の転職エージェント(人材紹介サービス)を利用することにしました。
複数の会社を利用したのは担当者との折りが合わなかったためで、単に求人情報の紹介だけを希望されるのであれば、大手ならサービス内容の質はそこまで変わらない印象です。
転職エージェントの都合がある程度反映されることになるとは思いますが、自分のキャリアや希望条件を十分に汲み取ったうえで、柔軟に求人案件を紹介・調整してくれる担当者が付いてくれるかどうかが重要になります。
もしも登録した転職エージェントの対応に不満を感じたのであれば、他のところをあたってみるのも良いと思います。
そこでも何かしっくりこないのであれば、その要因には何か自分自身にも含まれているものなのかもしれません。
転職エージェント3社の紹介
私が今までに利用した主な転職エージェントは次の3社です。
(1)リクルートエージェント
(2)doda(デューダ)エージェントサービス
(3)パソナキャリア
以下にそれぞれの特徴をまとめました。
(1)リクルートエージェント
株式会社リクルートが運営しているリクルートエージェントの強みとして一番に挙げられるのは求人数の多さだと思いますが、私がイチオシな理由は転職における各種セミナーが豊富で、しかもそれを無料で受けられるということです。
面接や職務経歴書対策のセミナーを受けることで今までの自分のキャリアを効果的にアピールするためのノウハウを学ぶことができます。
それらとは別にキャリアデザインのセミナーもやっているようなので、自分の適職・天職やライフワークバランスなどについて、じっくりと考えたいのであれば受講されると良いかもしれません。
(2)doda(デューダ)エージェントサービス
dodaはパーソルキャリアが運営する大手の転職サイトで、リクルートと同じように求人サイトを利用することができます。
dodaエージェントサービスのキャリアカウンセリングで思い出すのは、やたらと高圧的で否定的な態度をとる担当者が、エージェントサービスを利用する私の動機やキャリアを、初対面のカウンセリングの冒頭から厳しく指摘してきたことです。
担当者「どのようなご希望で当サービスを利用されたのですか?」」
私「貴社(doda)の求人情報サイトに登録したところ、スカウトメールを結構頂いたのですが、私の希望職種と合わなかったため、キャリアカウンセリングを受けにきました」
担当者「(高圧的に)当社の求人情報サイトのからくりを言ってしまうと、特定の情報を登録さえすればスカウトメールが送られるようになってるだけです。志望動機も弱いですし、あなたの職務経験で転職を考えるのは甘いですね」
私「(キレ気味に)そうなのであればわざわざ呼び出してまでそのことを指摘する必要もないし、そもそもこちらが望んでいるわけでもないのに、あなたにそんなことを言われる筋合いはない!」
たとえ指摘されていることが事実であったとしても、何よりもその担当者の態度に腹がたったので、こちらも感情的に言い返したところ、途端に相手の口調が変わりました。
やばい奴だと思われたのかもしれませんね。
若い人だったので、主導権を取るために自分なりに考えての言動だったのでしょう。
当然のことながらその後、話しを簡単に済ませてカウンセリングを終わらせて、二度とdodaを利用することはありませんでした。
ただ単に私と担当者との相性が悪かっただけで、そこまで他社のエージェント担当者との違いはないと思うので、相性が合わないと感じた時はそのことを正直に伝えて担当者を変えてもらうか、それができなさそうなら他社に登録し直せば良いと思います。
(3)パソナキャリア
人材サービス大手のパソナが運営する転職エージェントです。
上記のdodaエージェントでのやり取りの後、登録し直したのがパソナキャリアです。こちらの担当者はさきほどとは違い、落ち着いた感じで話しを進めることができました。
しかし、教育・福祉関係職から流れてきた私の、当時唯一アピールできそうなキャリアといえば、数年程度の営業の職務経験くらいであったことと、そのなかで特に目立った個人の営業成績を挙げることもできなかったため、その時はキャリアアップすることも職種を変えることも難しいと感じました。
穏やかそうな担当者から、エントリーできそうな求人情報を10社くらい頂いたのですが、あまり良い見通しを立てることができなかったので、エントリーはせずにしばらく今の会社で頑張ることにしました。
その数年後にリクルートエージェントに登録したところ、担当者の勧めもあり、面接・職務経歴書対策のセミナーを受けることになり、そこで自分のキャリアに方向性をもたせることができ、結果として、自分の希望条件に合った転職をすることができました。
現在は転職エージェントではなく、自分自身で探した会社に勤めており、今までの経験職種ともまったく異なった業務をしているのですが、過去に面接・職務経歴書対策のセミナーを受けたことで、特別目立った功績を上げていなかった自分でも、面接官に関心をもたすことができるアピールができ、採用につなげることができました。
天職サービスのオススメの利用の仕方は、転職に関するセミナーが充実しているところをメインに登録して、そこでの面談の担当者(キャリアアドバイザー・コンサルタントコーディネーターなど、呼び方は各社それぞれ)の対応に何か不満や違和感を感じるようであれば、診療でいうところのセカンドオピニオンのように、2社目の転職エージェントにて、再度キャリアカウンセリングを受けてみるというものです。
その際、1社目で感じた不満点や違和感を正直に伝えると、そのことに対して真摯に取り組んで頂けると思います。
時にその不満点は、自分自身に起因することなのかもしれません。
そのことを指摘されたなら、少しムッとするかもしれませんが、その新たな気づきは転職活動において、きっとプラスに作用するでしょう。
経験上、キャリアカウンセリング自体はどこもそこまで変わりはないように感じるので、転職を成功させるためには担当者との相性が最重要になります。
担当者のなかには営業成績や自分の主観に偏り過ぎた対応をしてくる人も少なからずいると思いますので、ちょっと違うなと感じたら、その人に率直に希望を伝えてみるのも良いですし、その転職エージェントに担当者替えを頼んでみても良いかもしれません。
それでももし不満が解消しないのであれば、自分の希望条件を諦める前に、上記の通り、別の転職エージェントを利用してみましょう。
ちなみに転職における各種セミナーは、上記のリクルートエージェントの他に、dodaでも行っていることが確認できました。
③現在働いている会社を客観視できるようになる。
私は上記の転職求人サイトやエージェントサービスだけではなく、マイナビなどが主催している転職イベントにも参加したことがあります。
興味のあった企業の人事担当者とイベントブースで話したあと、インターネットでその企業のクチコミをみてみると、イベント会場や求人サイトで感じた良いイメージとは悪い意味でかけ離れている会社が大半でした。
求人情報サイトを閲覧しまくったり、転職フェアに何度も足を運んでも、まともに思える転職先を見つけることはできなかったので、絶望しかけたこともありますが、視点を変えると今の会社がそこまで悪いわけではないと客観的に見直すことができました。
良い求人を見つけることはなかなか時間がかかるかもしれませんが、このように求人サイトを見たり、転職イベントに参加したりすることで、今勤めている会社を客観的に見つめ直すことができます。
また、転職したい企業の入社面接を受けてみて、仮に結果が不採用になったとしても、自分のキャリアを考え直す良い機会にすることもできるので、転職を今すぐにできなかったとしても、これらの活動は有意義だといえるのではないでしょうか。
私自身が転職は時期早々だと決断することを避けた時のように、今の職場で働きながらであれば、自分自身のキャリアデザインに様々な可能性をもたせることができます。
転職のタイミングを冷静に判断することができ、会社に残るという選択肢をもちながらキャリアをブラッシュアップさせていくことが、転職を成功させる一番の近道であるのかもしれません。
おすすめ精神科医ユーチューバー
最後にブラック企業で働いていて心身ともに疲弊されている方のために、著名な精神科医2名とその無料動画をご紹介します。
この2人は精神医学の知識と活用の仕方を、一般の人向けに分かりやすく説明してくれているので、大学で臨床心理学を専攻して心理関連職で働き、産業カウンセラー資格を取得した私にとっても、大変参考になり役立っています。
この二人はメンタルに関する様々な無料動画をユーチューブで発信されているので、それらをみたうえで休職・転職または勤務を継続するかどうかを検討されてみるのが良いと思います。
もしも自分では判断できない疲弊されているけれど、メンタルクリニックを受診するのことに抵抗があるのであれば、まずは休息を十分にとりつつ、お近くの保健所や保健センターで相談されてみると良いと思います。
担当相談員が必要性を感じたら、お近くのクリニックを薦めてくれることでしょう。
精神科医 樺沢紫苑先生
『学びを結果に変える アウトプット大全(サンクチュアリ出版)』を始め、精神医学・心理学などの知識を基に、分かりやすくて実践的な書籍を多数執筆されています。
私自身は『精神科医が教える ストレスフリー超大全(ダイヤモンド社)』や『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える(幻冬舎)』を読み、仕事や私生活で大変役に立っています。
メンタル疾患の予防や症状改善のための無料動画をユーチューブで多数配信されており、健康的な方であっても生活をさらに充実させることができるアドバイスが多数あります。
ブラック企業に関連した樺沢紫苑先生の無料オススメ動画のURLを以下に3つ貼り付けました。ぜひご覧ください。
『職場を辞めるか、続けるか?』https://youtu.be/fDoUPiuW1Wg?si=VgQ9VvC3BYEbYBIb
『サービス残業はメンタルに良い?』https://youtu.be/X0GYGlXXgZM?si=M9Ek4PyCcwRIyT3f
『仕事を辞める基準』https://youtu.be/jq4VPZDxE28?si=yjXhqZ10Ohe9mw_D
精神科医 益田裕介先生
今、人気急上昇中の臨床家・医療系インフルエンサーで、近年書籍も多く出版されています。
個人的には、ブラック企業とはまったく関係はないのですが、児玉真美さんとの安楽死についての対談がとても勉強になり、良い刺激を受けました。
ブラック企業や仕事における不調に関する、オススメ無料動画を以下に3つ挙げました。ぜひご覧ください。
『仕事の不快感はどこまで我慢すれば良い?耐えられなくなったら、転職?、休職?』https://youtu.be/HAbJZzEA0HQ?si=HlYER7Gq4DIKT4D4
『あなたの職場は大丈夫? ブラック企業の見分け方 心理的安全性の解説』https://youtu.be/ovEe4GkDb4w?si=DOrfsfErdyRWIA7X
『うつ病を疑い、受診する目安』https://youtu.be/vQUQ7G0P-Dw?si=76jaaZIqBYpK-ZJz
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