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社会課題の解決方法を考える(Piece of Syria中野さん×マザーハウス山崎さんの対談から)♯117

去年のトルコ・シリア地震をきっかけに、NPO法人Piece of Syriaという団体への月額寄付を始め、活動等にも参加させてもらっている。
団体は、今年、Forbes Japanで「今注目のNPO50」に選出。
その記念に、株式会社マザーハウスの山崎大祐さんとの対談が開催された。マザーハウスとは、『途上国から世界に通用するブランドをつくる』というビジョンのもと、アジア6カ国でのものづくり、そして国内外38店舗を展開する会社だ。
今、Piece of Syriaでは、クラウドファンディングに挑戦中。そして今日が最終日!今回の対談テーマは、『社会課題を事業で解決する時に「寄付」にはどのような価値があるのか』だった。

話題は、
・企業が行う寄付の意義
・ビジネスの限界
・事業を継続させていくためには
・チーム作り

など多岐にわたり、ソーシャルグッドのために何ができるのかを考えさせられる時間だった。また、いかにして信頼と共感を生んで、事業を継続するかの方法論もわかりやすく伝えてもらった。

経済合理性だけでは、社会課題は解決しない。
ビジネスで日が当たらたない課題は残ったまま。
社会課題の放置は、より長い視点で見れば、企業にとっても持続可能な経営を難しくする。
だからこそ、ビジネスの手法に寄らない、寄付といった手法で社会課題を解決しようとするアプローチも必要。
ただその点で、企業は、流行りの社会課題に寄付をするのではなく、自社のテーマ性を認識し、そこの分野へ寄付をすることで、社会からの評価が得られるといった内容だった。
またビジネスの手法では、日が当たらなかったマイノリティに目を向け、自分たちでしか見つけられない課題を見つけることが、企業の独自性にも繋がるといったことも話題にあがった。
(私は『クリティカルビジネス』的な文脈なのかな、と理解)

今回の対談では、企業の観点からの「寄付」について語られ、企業の寄付行為が社会から「評価」にも繋がるといった話があった。

私は、個人においても言い換えれる部分があるようにも感じた。

子供が通っていたイギリスの現地校では貧しい家庭に向けたフードバンクがあって、毎月のようにドネーションを募っていた。
また街中には、収益を寄付にあてることを目的に、運営されているリサイクルショップなんかも沢山あった(我が家の近くにもガン患者のドネーションを目的にした古着屋があった)。また、イギリスの観光施設なんかは、ネットでチケット購入する際、「ドネーションをしますか?」という表示が出る。イギリスでの生活においては、困っている人のために善意を尽くす行動が、いい行動として幼少期から教えられている印象を受けた。
また、イギリス時代に仲良くなったムスリムの友人に、「イスラム教の人たちにとって、大切な行為は何?」と尋ねたとき、「5つの大事な教えがあり、そのなかの一つが寄付だ」と教えてくれた。

日本でも、大きな災害が起きれば、多くの寄付が集まる。
また、最近は、クラウドファンディングも数多く見かけるようになった。

一方で、お金や土地など有形資産をいくら持っているか
学歴や会社名、社内でのポジション
といった目に見える成果を、不自然なまでにアピールしようとする人とたまに遭遇する。私にとっては、その裏側にあるご本人の努力を尊敬する一方で、鎧で身を固めている人のように見えるときがある。
もちろん、どのような方法で、その成果を成しえたのか、その裏側のストーリーには興味があるが、私個人としては、その人の成果やポジションよりも、どのような社会課題に関心を抱いているのかや、ライフテーマを持っているのかの方が気になる。そこへの思いや、そこに向けたアクションに、その人の魅力を感じることの方が多い。

Piece of Syriaは、シリア難民の教育支援を通じて、「シリアをまた行きたい国にする」を合言葉に活動を続けている。現地のNGOと協力して、補習校や幼稚園の運営だけではなく、内戦による傷ついた心のケアや、消えゆくシリアの文化を守る活動、また言語の問題にも取り組む。
私がもともとのシリアに関心を持ったきっかけは、イギリスに住んでいたとき、シリア人の息子の友人家族に親切にしてもらった経験がベースにある。
ただ、今も、子育てや、高校の教員としての仕事を通じて、教育や心のケアの大切さを実感することがある。
また旅行が好きなので、地域文化を残すことにも関心がある。

遠い中東、シリアで起きていることも、自分自身と無関係ではない。
自分たちとも共通する課題がそこにあると思うと、
その分野での社会課題に解決に真摯に取組み、継続する団体を応援したいと思う気持ちが沸き上がる。

また、団体にかかわることで、活動内容や現地の様子を知っていくと、
自分自身が今抱える課題に対しても、ヒントになる話をシェアしてもらえることもある。そのように思うと、寄付は決して、一方通行の行動ではないと実感する。

ということで、Piece of Syriaのクラウドファンディングは、今日が最終日。今日中に500万円が集まらなければ、All or Nothingのため、シリアに寄付が届かない。

中東情勢に心を痛めている方
教育や傷ついた心のケアに興味を持つ方
海外に関すんを持つ方etc
ぜひこちらのHPをご覧ください!


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