ショコラ ブラン »Chocolat Blanc«
吐息の描く綿雲を
両手ですっかり持ち去って
君のポケットに
閉じ込めたい早緑月
グレーホワイトは
低く立ち込め
見上げる空の
果ては高く
伸ばした手の先には
チョコレートコスモスの残り香
花言葉を装って
ざっくりと右に握りしめ
ネイビーブルーの
光沢豊かな蝶の結びを
太く縛った
チョコラティエの
最後のひと掻きに
似ているような
感触で
待ち合わせは
青いカーペットを踏み出した後
空と海とに焦がれる
君らしい街角にて
溶け出した
冷たき色の道の濁りも
少しずつ乾きゆく
春を告げる一輪を添えた
新しい革張りの詩集に
光を受けた深紅の
リボンだけを結んで
雪の中佇む君
その自由な左手を
ずっと温めていたい
一つ前のお喋りの
花の名前を覚えていたこと
頬を染め
私の花束に君の一輪を
挿し込んだ陽光の下
耳元で囁く
ポケットの体温は少し
白いチョコを
溶かしてしまったようです
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ひと足早く···ハッピー バレンタイン!💕
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"チョコレートコスモス" と "本に一輪を携える"のアイデアは ❛花贈りロマンCalla❜さん からいただきました。
素敵なお花のアレンジやエピソードはこちら
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あたたかなご支援をありがとうございます❤ みなさんのお心に寄り添えるような詩を形にしてゆきたいと思っています。