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【詩】 飛行

漆黒の大地にばら撒かれた
気まぐれに揺れるオレンジ
点滅の一つひとつには
息づく命の営みがあり
少しずつ繁殖しながら
夜の海に浮かぶ島々と化す

いつの間にか白々と
色味を帯びる空間にて
当然のように払暁を待ち望み
疑いもなく日光を浴び始める
薄水色梔子色杏色薄鈍色
階調がかって舞い降りる
波の花漂う空の海
雲の上の私達は
操縦士に明日を預けている

太陽を受けた
君の髪は温かい
あの形に似た島の端っこで
そう言って
顔をうずめ
瞳を閉じて
首筋にひそめられた
あなたの昨日

時に逆らいながら
夕暮れを追いかけて
離陸の刹那には
水を買う


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吾音萌音
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