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山あそび

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登山や渓流釣り、バックカントリースキーなど、山での遊びに関する記事はこちら
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記事一覧

【エッセイ】目標の先に見える風景

【エッセイ】目標の先に見える風景

(2538文字)

その道を歩きたいと思ったのは4年前。
朝日連峰の天狗角力取山から650m下って出谷川を渡り、950m登ってオツボ峰、そして以東岳に至るルート。
かなり古くからあるルートで、昭和20年代に山と渓谷社から発売された藁半紙でできた地図にも記載されているし、ボクの叔父も数十年前に歩いた場所。
出谷川は大岩魚が釣れることで釣り人には有名な憧れの沢。
この登山道を岩魚釣りを織り交ぜて歩きた

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【エッセイ】相手の目的を感じ取って

【エッセイ】相手の目的を感じ取って

(1446文字)

人の行動には理由がある、という話。

ボクはひとりで登山を始めて、行きつけの登山用品店の店長のアドバイスを受けながら、ひとりで歩いてステップアップしてきた。
もともと、教わるのが得意ではない(この得意ではないという感覚、分かるかな?)し、ひとりが好きだ。
格好よく言えば一匹狼的な感じか。

しかし、誰かを連れて行くのも嫌いではない。
初心者だったり、仲間がいなくてステップアップ

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【山あそび】登山道がない朝日軍道を歩く

【山あそび】登山道がない朝日軍道を歩く

(2016文字)

かつて、山形県に朝日軍道という道があった。
開削を計画、指揮したのは上杉家の家臣、直江兼続。
1598年に越後から会津へ移封された上杉家は、今の福島県、会津地方から中通りと、山形県の置賜地方(米沢市、長井市あたり)、さらに庄内地方(今の鶴岡市あたり)と佐渡島を治めることになった。
ここで問題発生。
以前は越後から庄内まで繋がっていたのが、庄内地方が飛地になったわけですね。
置賜

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【エッセイ】無宗教でも神に会える山

【エッセイ】無宗教でも神に会える山

(1260文字)

登山をしていると、特別に好きな山ができたりする。
ボクとって、それは山形県の月山。
前にバーチャル登山でも案内した山。
子供の頃、登山をしていた叔父に連れてきてもらったこともあった。
色濃い夏の山に、黄色く広がるニッコウキスゲが印象的だった。
今ではほとんどの登山道から登り、もっとこの山のことを知りたいと思っている。

月山といえば約1000年前に開山された、出羽三山信仰の主峰

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【山遊び】この夏、自分だけの山へ

【山遊び】この夏、自分だけの山へ

(2069文字)

ご無沙汰しました。3泊4日で北アルプスの藪を彷徨っていました。
下山してフォロワーさんの記事がもう追えないくらいの数に・・

計画の発端は、日本三大急登と言われる早月尾根という登山道から剱岳を登頂することだった。
しかしその場合、同じ早月尾根を降って来ることになる。いわゆるピストンというタイプ。
ボクはあまり好きではない。

剱岳には一般的にもうひとつのルートがある。
立山から

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【エッセイ】自分を縛る自分らしさ

【エッセイ】自分を縛る自分らしさ

(2261文字)

ボクは山に登ります。
どちらかと言えば、ちょっと変わった山行が多いかもしれない。
廃道になった登山道を歩いたり、もともと登山道がない尾根の藪を歩いてみたり。
それは今までの記事でも紹介した。

登山道ではない藪を歩くことを「藪漕ぎ」という。
登山道なら1時間で2キロくらい進むだろうけど、藪漕ぎの場合は、その藪にもよるけど1時間で500m、ひどいときには300mしか進まないことも

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【バーチャル登山】月山(山形県)

【バーチャル登山】月山(山形県)

心琴さんの「バーチャル登山」。
療養中や外出が困難な時 心だけでも 気分だけでも 一緒にお出掛けしましょうという企画です。

(2716文字)

今日は出羽三山で有名な、山形県の月山(がっさん)に登ろう。
登る前に、ちょっとこの山のことを知っておこうか。

月山は出羽三山信仰の山で、1200年以上前に開かれたとされてる。
昔は必ず入口となる寺で許可を得て、先達と呼ばれる山伏に案内されて登ったんだよ

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【バーチャル登山スピンオフ】バーチャル渓流釣り

【バーチャル登山スピンオフ】バーチャル渓流釣り

(1719文字)

心琴さんの企画、「バーチャル登山」のスピンオフ。
今日は皆さんを渓流釣りにお連れします。

心琴さんのバーチャル登山はこちら。

療養中や外出が困難な時 心だけでも 気分だけでも 一緒にお出掛けしましょうという企画に参加させてもらいます。

では、車で約6kmのガタゴトの林道をのんびり走って、終点に駐車してスタートです。

渓流釣りといっても、釣り方はエサ釣りとかフライフィッシ

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【山遊び】山に答えを探す

【山遊び】山に答えを探す

(1123文字)
5月19日の日曜日、バックカントリースキーに出掛けて、これが今シーズンの板納め。
昨年の12月から5月まで、約半年の長いシーズン。ボクにとって3年目のシーズンが終わった。
簡単なところから、難易度の高い山まで、費やした日数は26日。
2月にコロナに罹患し、その後も喘息が続いていたので、それがなければもっと行っていたと思う。
我ながら、今シーズンは滑りまくったなぁ。技術はまだまだだ

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【山あそび】栗駒山で世界が広がる

【山あそび】栗駒山で世界が広がる

(1949文字)
前日の夕方にMさんから電話があった。
明日はスキーで行くのかと。
翌日、ボクはMさんを栗駒山に連れていく約束をしていた。
雪の栗駒山に登るのは難しいと思い込んでいるMさんに、天気さえ良ければ簡単だと教えようと思い、風のない日を選んでいた。
ボクはバックカントリースキーで、Mさんはワカン(アルミのかんじき)の予定だったが、行きつけの登山用品店に行ったらサイズの合うバックカントリーの

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【山あそび】春を探して里山歩き

【山あそび】春を探して里山歩き

(1460文字)
昨日は友達と4人で里山歩き。
この時期の花の山で知られている山形県の高館山・八森山に登ってきた。
どちらも標高300mに満たない山で、登山というよりお花見ハイキング。

まずは大山公園になっている城跡に登って下池を眺める。

なるほど、ここに城があったわけですね。
何も予習してなかったけど、高館山という名前から想像できたな。
城といっても戦国時代の豪族の城。
天守閣があるわけでも

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【山あそび】ひとりで登るか、誰かと登るか

【山あそび】ひとりで登るか、誰かと登るか

(1698文字)

今年は雪が少ない。雪国で暮らす人たちにとっては楽な冬だけど、雪山で遊ぶバックカントリーのスキーヤー、スノーボーダーにとっては悩ましい。
東北の山で、例年より1〜2mは少ない。
シーズンインが遅かった上、このままだとシーズンが終わるのも早くなりそう。
そんなわけで、毎週末に詰め込むように山に行っている。

バックカントリーは普通の登山とは違う危険が伴うので、単独よりグループでの行

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【日記】渋い顔で言いたいあのセリフ

【日記】渋い顔で言いたいあのセリフ

今朝の東北は冷え込んで、ここ宮城県の港町も薄っすらと雪化粧。久しぶりに肌を刺すような寒さが心地よい。
山登りをしていると、気象についても基礎の基礎の基礎くらいは自然と覚えるようになる。
小学校の理科で教わっていたレベルかもしれないけど。

気象については、登山を始める前、釣りだけをしていた頃から興味があった。
というのは、天気や気圧などによって釣れるかどうかが異なるのではないかと思ったから。
ボク

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【山あそび】里山で見つける何か〈霞露ヶ岳〉

【山あそび】里山で見つける何か〈霞露ヶ岳〉

東北では紅葉シーズンが終わると、標高1500m以上の山は雪化粧を始める。
この時期の雪はまだ歩きづらいし、スキーができるほどではない。
そこで「里山」と呼ばれる低山を歩くことが多くなる。
里山に明確な定義はないけど、東北の場合、人里に近い、標高1000m以下の山という感じですかね。

ボクは今まで、あまり里山に魅力を感じてこなかった。
仙台の周辺にも里山はたくさんあり、山のSNSを見ると、毎日のよ

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