島田せんせ

”樋口療法”を受け継ぐ鍼灸師の島田茂伸さん

疾患には原因があります。原因と誘因を間違わず診断し処方することが大切。予備知識を持つ事で、自分の健康を自分で管理が出来るようになると仰る、樋口ポイントで鍼治療をしている島田さんにお話しを伺って来ました。

島田茂伸さんプロフィール
出身地:佐賀県
活動地域:東京(四谷、国立)
経歴:慶應義塾大学 法学部中退
1968年日本郵船入社
1982年鍼灸師免許取得
1983年東洋医学研究所 
樋口療院にて4年間研修生として神経病理学および、電子鍼療法を学ぶ
1986年東京赤坂療院を開院
2017年東洋鍼療院を開院
現在の活動に至る

Q:どんな夢やビジョンを持っていらっしゃいますか?

樋口療法は、他には無いので後世に残していきたいと思っています。

Q:他の鍼の治療との違いを教えて頂けますか?

他の鍼の治療は、ツボとか経絡です。脈診療法。それはそれでいいんですけどね。
この治療は私の師匠で医師でもある樋口増成先生が、自ら立ち上げた治療法です。
疾患に対する全く新しいアプローチで原因を発見し、その原因にアプローチしています。原因は樋口ポイントです。

がんになる人も多いですね。何でがんになるのか?
肺がん乳がんは多いけど、心臓にはできません。血液の循環の悪いところに出来るのではないかと思われます。
大腸がん、直腸がんはあるけど、小腸には出来ないですね。
現代医療はいまだにがんをウィルスだと捉えて抗がん剤で叩こうとしています。がん細胞が死ぬ時は人間も死んでしまう。
樋口師匠の治療をもっと世の中に広めて行きたいですね。
そして今、医療費が50兆円使われています。その分が社会保障の方に活かされていけばと思ってます。

1兆円を1人の人が毎日使うと3000年かかるそうです。そしてIPS細胞で2000万~3000マン円、あと5000万の治療が認可されましたよね。
何でも疾患には原因があります。原因が分からなければ治療薬は存在しません。
原因と誘因をはき違えてます。
今日雨降っているから頭が痛い。これは誘因であって原因ではないんです。原因であれば皆が頭痛くならなければならないんです。
ユッケ食べておかしくなったらユッケのせいにするでしょ。それは誘因であって原因ではない。何がおかしいのかは体、抵抗力が無くなっているとか胃が良くない状態でしょうね。
自分の体のことは分かっていないといけない。今の医学では予備知識も身に付かない。人間の体がどんどん良くない状態になってきています。


Q:夢を具現化する為の目標や計画がありますか?

これから、人材の育成をして行こうと思っています。
海外に行こうと思っていたけど、それは止めて、若い鍼の免許を持った人を育てて行きたいと思っています。

もっと、鍼の治療がメジャーにならないとだめですね。アメリカからがんや糖尿病、うつ病で僕のところへ治療に来ます。
人を育てたら海外へとは思っていますが、海外の方でも日本の鍼灸の免許持っている人がいれば教えて行きたいですね。
今の店舗は四谷、国立ですが、人が育てば千葉、横浜、なども広げていきたいです。
海外はドクターが鍼の治療をやってます。免許が無くても出来ますね。
ドイツではカイロプラクティック。インドネシア、シンガポールは医者が鍼をします。鍼の学校が世界中に広がってますね。カナダは州によって違う。免許いらない国などもあるので。これから軌道に乗せたいと思っています。

本はフランス語で出したいと思っています。母親はキリスト教の隠れキリシタンでした。先祖がノルマンデイの牧師さんの世話になっています。
父親は浄土真宗。父親の先祖は村人の為にあっちこっちの山を修行をしています。
なのでこの治療をフランスのノルマンディに根付かせたい。恩返しをしたいです。この鍼は即効性があるので。鍼4~5本立てただけで変化します。
治療に来た時と治療後は全然違います。原因が分かるだけで気分が違いますよね。そして自己管理が出来る。


Q:日本郵船で仕事をしていたのに、なぜこの治療を身に付けようと思ったんですか?

僕は長男だから長くは船に乗っていられないと思っていました。中学1年の時に父を亡くしています。
母は体が弱かったので。自分がこの仕事をすれば母もよくなるし、人にも役に立つのですごくいいと思っていました。
それと、師匠が治療しているのを見て目の当たりに来る人が良くなっていくのを毎日毎日見ていたんです。これは絶対継承しなければならないと思っていました。
師匠はずっと研修生をとらない人だったんです。ずっと徹底的に断り続けていました。
そんなときに、母が何回も何回も頼みに行ったんです。それで研修生にしてくれたんです。
なので師匠からは「母親の精神力に対してお前は足りない」とずっと言われてました。(笑)


Q:先生にとって樋口師匠はどんな人ですか?

神様みたいな人です。一言でいえば。神様が降臨して来たような人。
頭の回転が良くて、言葉が的確に出る人ですね。研ぎ澄まされたような分かりやすい言葉が出て来る。普通の人じゃないんです。
戦後、台風で沈没した洞爺丸(※1)という船をお腹が痛くて降りた日が沈没したその日だったり、戦時中に広島から久留米に移動したその日に原爆が広島に落ちたり。2~3才のころ馬車に乗っていて坂道下っていた時、車輪が胴体にかかった時に馬がピタッと止まったことが、3回もあったそうです。


Q:これからは本格的に人を育ててやっていくんですね。

治療が効いたかどうかは、その人の感性、感覚でしょ。だからこれからは測定器を取り入れます。
治療の前と後に結果を計るんです。酸素濃度、心音など。顔色が違って呼吸が楽になりますね。睡眠障害などもね。
頭痛1つとっても怖いですからね。くも膜下出血とか色々あるでしょ。
ここに来ると、予備知識が付くんです。医学書読みあさってもわからないですからね。
目からウロコという患者さんが多いです。


Q:どんな人を育てていきたいですか?

この治療に興味を持ってくれる鍼の免許を持っている30代です。
ツボと経絡ではないことが分かっている、聞く耳を持ってる人でないとね。無いものに期待しても、、、
結果が出ても東洋の神秘で終わってしまいます。エビデンスがはっきりしていないと。
ドイツの病理学者でマックス・フォン・ペッテンコーファー(※2)がコッホがコレラを発見した時にやり合った人ですね。
マックス・フォン・ペッテンコーファーは、それは違うと言ってコッホにコレラ菌培養したものを送ってもらった。
そして3000人もの致死量を飲んだけど下痢一つしなかった。原因は菌ではなかったということです。(医学史に載っています)

自律神経失調症も、どこの自律神経が失調したのか?医者に聞いてみてよと言ってますが「私は医者よ」で会話が終わったりします。
患者は聞く権利があるし、医者は答える義務があるんです。

冷えも冷え症でかたずけたら駄目ですね。
運動すればするほど体が丈夫になるイメージがありますけど、マラソン選手は疲労骨折とかありますよね。違うんです。
鍼は1万年の歴史です。

エジプトのミイラには鍼の痕跡がある。オーストリアとスイスの国境の辺りに1万年前の冷凍人間にも鍼の痕跡が見つかってますね。
昔は電気針もあったんです。魚から取っていました。
生命の起源は、電気と水と食分が生命の起源。だからいい塩を取らないとですね。


Q:色んな方に質問しているのですが、先生にとって生きるとは何でしょうか?

師匠の影響が大きいですが、世のため人のためになることをしながら、子孫に徳を残すことです。
体が悪かったら、何もやりたいことができません。それは僕自身だけではなく他の人にもつながること。
ここの樋口療法の予備知識が無いと幸せな人生を送りながら人生を全うすることができません。
正しい予備知識があれば、海外に行っても自分で正しい自己診断と正しい自己管理が出来ます。これは大きいことです。

リタイヤして海外移住する人もいますが、退職金で家を買っても、体が悪くなって日本へ帰ってくる人もいます。体が資本です。
だから、正しい予備知識をつけてほしい。
そうすれば、あおり運転も無くなるし、親が子を、子が親を殺すことも無くなって来ますよね。


Q:読者にメッセージがあればお願いします。

病気は疲労から。予備知識です。
ガンは風邪をひかず熱が出ない人に多いんです。
風邪は熱で体をリセットする絶好のチャンスなんです。
皆、風邪に対して敵対心を持っている人が多いんですが、諸症状は体のシグナルです。改善の第一歩。症状がでるから改善するんです。
それを読み解くための予備知識をぜひ身に付けてほしいです。


※1 洞爺丸:1954年9月26日、台風15号 洞爺丸台風の暴風と高波により転覆・沈没し、死者・行方不明者あわせて1,155名という、日本海難史上かつてない洞爺丸事件を起こした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B4%9E%E7%88%BA%E4%B8%B8

※2 マックス・フォン・ペッテンコーファー:ドイツ(バイエルン王国)の衛生学者、化学者。「近代衛生学の父」「環境医学の父」「実験衛生学の父」とも呼ばれる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%B3%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC

記者:ありがとうございました。
疾患には原因がある、その診断を間違えずに治療することの大切さを知りました。
これから人を育てて行きたいとおっしゃっていたので、この治療が出来る人が増えていけば、疾患に対する予備知識も増えて、疾患を予防し、自己改善していけるのではないかと感じました。貴重なお話をありがとうございました!

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【編集後記】インタビューの記者を担当した阿久津と山田です。
インタビューは島田先生の話の中に所々ユーモアが溢れ楽しいインタビューになりました。
樋口師匠との出会いは鍼だけでなく精神的にも大きな影響があり、かけがえのないものだったことが伺えました。鍼療院にはたくさん本があり鍼を施術しながら予備知識を持てる人を増やしていくこと、知ってもらう事を日々努力されているところに感銘を受けました。これからも島田先生の活躍を心から応援しています!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。

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