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日本一周 東北編

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日本一細かい東北旅行の記録。
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2021年11月の記事一覧

【日本一周 東北編6】 いないカッパに誘われて

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・フリオチ完璧「カッパ淵」  筆者:明石  よくよく計算してみると旅程が大幅に押していることに気づき、「カッパ淵駆け足でまわるぞぉ!でも、手短に済ませるのはもったいないかな」なんてお茶目に意気込んでいたが、それらはすべて杞憂に終わった。  カッパ淵のある寺は駐車場から駆け足で3分、思えば入り口の仁王像からしてすでに怪しかった。首の座りきっていない仁王は「月曜から夜ふかし」準レギュラー盛岡ゼブラファンの斎藤さんみたいな顔をしていた。

【日本一周 東北編7】 東北にいた!東京駅の兄弟

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・盛岡ノ地ニテ辰野金吾ヲ思フ  筆者:明石  遠野から車で走ること1時間強、夕闇迫る盛岡の街に着いた。  盛岡は僕の好きな漫画「彼女とカメラと彼女の季節」の舞台であり、そこここに思い入れのある景色が広がっていた、と言いたいところだが、盛岡が舞台であることを旅行から帰ってきてから知ったため、広がる街並みは単なる一地方中枢都市としか映らなかった。悲しいかな。  岩手銀行赤レンガ館。さほど大きくない交差点の一角に、東京駅を設計した建

【日本一周 東北編8】 盛岡三大麺制覇!

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・ミッション・インポッシブル  筆者:明石  盛岡駅前の東横インにチェックインすると、長かった1日を回想しながらベッドに寝転んだ。ふぅー今日も楽しかったなぁ、と寛ぐのも束の間、僕たちには今日中に片をつけなければならない任務があった。  「盛岡三大麺制覇」  わんこそば、盛岡冷麺、盛岡じゃじゃ麺の3つを合わせて盛岡三大麺というのは有名な話*。思慮深い僕たちはすでに昼食にてわんこそばを堪能したため、残る麺はあと2つ、盛岡冷麺と盛岡じ

【日本一周 東北編9】 限りなく透明度が高いブルー

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・龍泉洞へいざ行かん  筆者:明石  東横インの朝食を食べるために7時半にフロント集合の約束をし、僕と釧路、尾道と宮島に別れてそれぞれ就寝した。  朝、すこし遅れてフロントに向かうと、すでに尾道と宮島は「東横インが朝食代わりに支給した弁当」を持って待っていた。  彼らは僕たちの姿を見届けると、「部屋で食べる」と言い残して去っていった。僕たちは弁当ではなくプレートで受け取り、フロントにてぼんやり、もぐもぐ平らげる。  フロントに

【日本一周 東北編10】 絶滅したクニマスのすむ田沢湖

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・釣りキチ三平恐るべし  筆者:明石  道中、髭を生やしたアウトドア好きそうなおじさん2人の乗った車高高めのオフロード車を抜きつ抜かれつしながら、2時間かけて盛岡市まで帰還し、どこへも寄らずに通り抜けて秋田へ入国した。  竜泉洞を出てから3時間ほど経って、ようやく本日2つ目の目的地である田沢湖に到着した。土産物屋の集まったさびれた道の駅に車をとめて、湖へと向かった。曇り空なのが残念だったが、それでも湖の透明度は目にみえて明らかだっ

【日本一周 東北編11】 イメージと違ったきりたんぽ鍋

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・妄想的角館観光  筆者:明石  秋田県を制覇するためのパーツを埋めるべく、角館(かくのだて)へと向かった。  ひとまず、秋田名物の「きりたんぽ鍋」で一項目稼ぐべく、手近にあった「月の栞」にてきりたんぽ鍋(1300円)を注文。届いたのは、高級な旅館で懐石料理の脇にそえられる釜をひとまわり大きくしたていどの小ぶりな鍋だった。  味は美味しいのだけれど、賞賛して褒め称えられるようなものではない。これは、ものめずらしい見た目と名前の郷

【日本一周 東北編12】 アパ社長カレーは飲みもの

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・THE・地方都市 「鶴岡」  筆者:明石  雨の中、4時間ほどかけて鶴岡に至った。はじめは、ネットで検索した漢字ドリルの空欄に下ネタを当てがうゲームに興じて車内は笑い声に包まれていたが、徐々にその熱も冷めていく。  高速の乗り換えでコンビニに寄ったころには気持ちもすさむほどに眠気と疲労に蝕まれ、半ば投げやりに釧路と運転を交代した。  いつの間にか後部座席で眠り込んでいて、喉の渇きと共に目を覚ますと、鶴岡インターから降りたところ

【日本一周 東北編13】 山形のルネサンス建築!文翔館

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・ホワイトなハウス  筆者:明石  8時に起床し、昨夜、宮島と釧路が夕飯を買ったマクドナルド(歩いていくにはかなりの距離にあった)のドライブスルーで朝マックを買う。運転席の私は、鶴岡ICから高速に乗る前には食べきらなければならない。そのため、赤信号の十数秒が勝負となる。いやはや、ゆとりのある旅をしたいものですな。  雪のちらつく山中をぬけ、文翔館に到着した。脇にはミニ日本庭園があり、トイレに行った宮島と尾道を待つ間、釧路と和風ショ

【日本一周 東北編14】 山寺で芭蕉の足跡をたどる

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・閑さの 代わりをになう 人の声  筆者:明石  文翔館を跡にした僕たちは、そこから車で30分ほどの山寺へとやってきた。いざたどり着いてみると駐車場の勧誘をするおじさんおばさんがそこかしこに立っていて、危うく口車に乗せられそうになった。  なんとか精神を保ちつつ少々往復して値段を吟味し、底値に近い場所にとめることができた。ふぅーっ。途中で日本一大きい芋煮鍋があった気がするけど、夢か現か。  山寺とはどんなものかととりあえず目の前

【日本一周 東北編15】 米沢牛で落としたほっぺが見つからない

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・官能的三十分間  筆者:明石  山寺を出た僕たちは、すっからかんのお腹を抱えて「案山子」のある山形駅へ向かった。  山形県に訪れたからには、是非とも食しておきたいのが「米沢牛」である。ゆえに、関東から遠路はるばるやってきて店選びに失敗することなどあってはならない。  そこで僕たちは、地元のファミレスにて幾度となく繰り返された東北巡行の青写真を練る会において、米沢牛との対面にふさわしい場所をああでもないこうでもないと思索し、白羽

【日本一周 東北編16】 はじめての銀山温泉

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・桃源郷第一候補地「銀山温泉」  筆者:明石  車で走り続けること1時間半。徐々に街明かりはなくなり、車通りは減り、街灯もなくなって怪談じみてきた頃、銀山温泉へ到着した。  旅館の駐車場に停めて連絡すると、程なくして宿から迎えの軽トラがやってきた。旅館のある温泉街までは少し距離があるため、車で送迎してくれるというのだ。運転手のおじさんは今まで数え切れないほどこのルートを通っているからか、発進も停車も後進も驚くほど早く、先ほど脱輪し

【日本一周 東北編17】 温泉郷に癒されて

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・幻想的ノスタルジア  筆者:明石  基本的スタンスとして格安旅行を標榜する我々にしては珍しく、今夜は銀山温泉にある高級旅館に宿泊する。  山形市から移動すること1時間30分、とても温泉郷などありそうもない田舎道を走った先に、銀山温泉は突如として現れる。無事駐車を済ませた我々は、宿のスタッフが運転する車に移り、銀山温泉のメインストリートへと移動した。  一帯を包む硫黄の香りが鼻孔をくすぐる。通りの中央には銀山川が流れており、その

【日本一周 東北編18】 松島観光不案内

・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・日本三景制覇 筆者:明石  車でぶいぶい進むこと2時間半、日本三景の1つである松島へ到着した。私と尾道は3年前の高校の修学旅行にて宮島に、半年前の18切符の旅にて天橋立を訪れていたので、今回の松島訪問によって日本三景のすべてを巡ったことになる。なんと感慨深いものだろうか!我々は松島の全貌を探るべく、フェリー乗り場へと急いだ。  Go To Travelの一環で、フェリー料金が平生は1500円なのに今回は1000円で乗ることができ