遊歩倶楽部@日本一周

早慶文学部生2人組による日本一細かい日本一周の記録 毎週金曜更新! ①東北編 完結  ②京都・滋賀編 完結  ③九州編(休載中)  ④北関東編 連載中!  ⑤北海道編  ⑥中国地方編  ⑦東海・紀伊編   and more...

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出発前夜+登場人物紹介

 「大学生は人生の夏休みである」となにかにつけて囁かれますが、4年という月日は無為に過ごせばこそ、あっという間に藻屑となって消えゆくものです。とはいえ、社会へ出て、結婚し、子供を授かり、やがて子が学生になり、 「お父さんは学生時代になにをしていたの?」 と無邪気に問われたとき、 「お父さんのときはコロナだったから」 とこれからの人生で幾度となく答え、コンマ1秒の同情を買ってきたセリフを口にせねばならないと思うと、やるせない思いで胸がいっぱいになります。  幸い、小中高と

    • 【日本一周 北関東編12】 尾道の破局と世界遺産

      ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・嘆きの車内 to 富岡  筆者:明石  富岡製糸場に向かう車内は、私の嘆きで満ち満ちていた。というのも、この旅行のつい1週間前に彼女と別れてしまったのだ。  この2週間、人生でも1、2を争うほどの傷心に陥っていたので、個人的には最高のタイミングで旅行が来てくれた。「なんで別れに至ってしまったのだろう…」とかを一人で考えていると気が滅入るし、なにより、そんなことでクヨクヨする自分が嫌になってくる。  早くこんな状態から脱却すべく、

      • 【日本一周 北関東編11】 富岡製糸場で生死を思う

        ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・絹100%の服の意味  筆者:明石  富岡製糸場へと続く道沿い、木枠のガラス戸の古い八百屋で驚きの値札を目にした。  山盛り5キロ入った新玉の網袋がひとつ500円。  安すぎる、、、。  観光地に限ってこういうのがあるんだよなぁ。でも、持って帰るの大変だし、諦め、、、ん?  レンタカーは地元で返すし、いけなくもないのか?  富岡製糸場を観光した帰りに、大量に新玉の入った袋を携えて車へ戻ったのは言うまでもない。  少し話が

        • 【日本一周 北関東編10】 そうだ 群馬・栃木、行こう。

          ・まえがき  今回の北関東編はスケジュールの都合により、1度に北関東すべてを回るのではなく、茨城編、群馬・栃木編と2回に分けて訪れた。  それでは、群馬・栃木編をどうぞ! ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・釧路寝坊ス  筆者:明石  8時のレンタカーの貸し出しに合わせて、7時50分に最寄り駅の改札前集合にしたのだが、釧路が来ない。  LINEしても既読がつかない。  電話しても応答はない。  これはもしかすると、もしかするぞ。僕たちはとりあえずレンタカー

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        出発前夜+登場人物紹介

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        • 日本一周 北関東編
          12本
        • 外伝
          8本
        • 日本一周 九州編
          12本
        • 日本一周 京都・滋賀編
          36本
        • 日本一周 東北編
          21本

        記事

          【日本一周 北関東編9】 自分史上最高の和食屋さん

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・推せる和食処 九助のPR  筆者:明石  元は霞ヶ浦周辺のレストランを探していたが適当な店がなく、するとコスパが良くてうまい店はどこだという話で「九助」が挙げられ、そういえば尾道は行ったことがないんだなぁ。だったら紹介も兼ねて行きますか、というノリで下道を延々と進み、はるか埼玉まで帰ってきた。  「和食処 九助」というのが正式名称であり、高校生の時分に演劇部の先輩と電車で一緒になったとき、800円で美味しい穴子天重が食べられる店と

          【日本一周 北関東編9】 自分史上最高の和食屋さん

          【日本一周 北関東編8】 霞ヶ浦で旅愁にひたる

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・水辺へ行くたびに釣り道具があればと考えてしまうのです  筆者:明石  なんやかんや時間が余ったから、日本三大湖に数えられる霞ヶ浦をじかに見ようと歩崎公園へやってきた。  湖に突きでた緩やかな岬の突端にある公園のため、車から降りると見渡す限り霞ヶ浦であった。水平線が霞むほどの広さである。  これだけ広くて同じ関東地方で近い割には、湖としての認知度は低い気がする、なんて言ったら茨城県民に怒られるだろうか。霞ヶ“浦”という名前のせい

          【日本一周 北関東編8】 霞ヶ浦で旅愁にひたる

          【日本一周 北関東編7】 JAXA潜入レポ

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・夢が生きている場所  筆者:明石  入り口がわからないままぐるぐるあたりを彷徨い、やっとのことでJAXAに入り込む。この時点で予約時間は10分ほど過ぎていて、でもそこまで気にしないで入場受付へ進むと警備員のおじさんに「あと少ししかないよ!」とせき立てられた。  どうやら見学時間は30分厳守のようで、すでに10分を消化してしまった僕たちには20分しか残されていないらしい。  あ、やばいな。おじさんの焦りが感染したように今更になって

          【日本一周 北関東編7】 JAXA潜入レポ

          【日本一周 北関東編6】 植物園は熱帯にかぎる

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・熱帯植物の誘惑  筆者:明石  上野の国立科学博物館が有する筑波実験植物園は、キャンパスメンバーズの存在と一緒に「ここも無料で行けるんだ」と知って以来気になっていた。 *キャンパスメンバーズとは  大学が国等にお金を納めることにより、生徒が一部の国立博物館の常設展等を無料で観覧できる仕組みのこと。  国の運営する植物園と聞いて、どんな素晴らしいものがあるのだろうと期待して入園したが、屋外で育てられている植物は関東の気候だけあっ

          【日本一周 北関東編6】 植物園は熱帯にかぎる

          【日本一周 北関東編5】 旅費節約と岡本太郎

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・アパ社長カレーはいつももらえるわけじゃない  筆者:明石  となりのスーパー・カスミで晩酌セットを吟味してから、アパホテルの近くの駐車場に車を停めた。後ろのトランクから荷物を取り出していると、闇をつんざくような尾道の悲鳴が!  駆け寄ってみると、晩酌用に買った缶チューハイを地面に落とし、その衝撃でお酒が溢れ出していた。袋から漏れるアルコールを必死に飲む尾道。  その姿は哀愁とユーモアをまとい、場末の駐車場にメランコリーの滴を垂

          【日本一周 北関東編5】 旅費節約と岡本太郎

          【日本一周 北関東編4】 旅先でチェーンへ行く自由

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・食べ放題っていいよね!  筆者:明石  尾道のひやっとする運転への宮島の無遠慮な苦言で、30%くらい空気が悪くなったところでしゃぶ葉に到着した。となりのイタリアンレストランの閑散具合には常軌を逸したものがあったが、しゃぶ葉の繁盛っぷりを見て納得した。客が完全にこちらへ流れている。  待ち時間も40分と空腹のスパイスの効能が臨界点を越えるには充分なものであった。5月の夜は思いの外寒く、店先で過ごした時間は体感としては1時間を超えて

          【日本一周 北関東編4】 旅先でチェーンへ行く自由

          【日本一周 北関東編3】 偕楽園に溺れたかった、、

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・旅行者のポテンシャルが試される庭園  筆者:明石  袋田の滝は茨城県と言いつつも福島県のほど近くにあるため、つくば方面へ戻ってくるにはかなり時間がかかった。  宮島が戯れに調べた心霊スポットに行くか行かないかで議論したり、再度しりとり合戦にあけくれたりしながら道中をやり過ごした。日も暮れて人々の帰巣本能が刺激される頃になって、ようやく偕楽園に辿りついた。  日本三大庭園の名を背負うわりに、最寄り駅は西武秩父線の秘境駅みたいにこ

          【日本一周 北関東編3】 偕楽園に溺れたかった、、

          【日本一周 北関東編2】 茨城の秘境!袋田の滝

          ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・三名瀑をすんなり制覇  筆者:明石 *三名瀑とは  日本の代表的な滝である袋田の滝(茨城)、華厳の滝(栃木)、那智の滝(和歌山)を合わせて日本三名瀑という。  袋田の滝は観光地とあって、例の如くおじさんおばさんが車道に飛び出しながら、派手な団扇を片手に駐車場の呼び込みをしていた。  彼らに従って駐車するのはなんだか負けた気がしてしまうから(高いことも多いし)、つきあたりのロータリーで引き返し、少し歩くけど安い駐車場に停めた。雲

          【日本一周 北関東編2】 茨城の秘境!袋田の滝

          【日本一周 北関東編1】そうだ 茨城、行こう。

          ・まえがき  今回の北関東編はスケジュールの都合により、1度に北関東すべてを回るのではなく、茨城編、群馬・栃木編と2回に分けて訪れた。  それでは、茨城編からどうぞ! ・メンバー 明石、尾道、釧路、宮島 ・旅立ちの朝に  筆者:明石  8時の貸し出しに合わせてレンタカー屋を訪れたのだが、予約に関して店側と齟齬があったらしく、それを修正するためにえらい時間がかかった。  その間に眼鏡を忘れたことに気づいた僕は、いま家にとりに行って戻ってこられるか、それとも手続きが

          【日本一周 北関東編1】そうだ 茨城、行こう。

          【韓国・北朝鮮国境】DMZツアーに参加してみた

          今年7月に韓国-北朝鮮の国境・板門店(パンムンジョム)で起きた事件をご存知だろうか。板門店見学ツアーに参加していた在韓米軍の兵士が、周囲のセキュリティの隙をついてダッシュで越境し、北朝鮮側に入国したというニュースだ。以降、ツアーは中止され、今なお再開の目途は立っていないとのことだが、国境よりやや手前のDMZ(DeMilitarized Zone = 非武装地帯)のバスツアーであれば、参加できると知り、実際に行ってきた。 DMZとは、停戦状態にある国家間の軍事衝突を防ぐために

          【韓国・北朝鮮国境】DMZツアーに参加してみた

          【原寸大!】ぐりとぐらのパンケーキの会 実践編 Ⅱ

          さて、いよいよパンケーキを焼く工程に入る。 埋めたブロックの上に簡易鉄板を載せるのだが、連結の弱点として接合部の強度が低いため、両端のコンクリブロックだけの柱では生地を載せたらその重さに耐えかねて崩れ落ちてしまう。それを防ぐために、植木鉢を載せる鉄製のプランタースタンドを接合部の下において、鉄板を支える柱とした(構想時のイラストには石を積み上げた柱で描かれているが、これだと柱の部分の熱伝導率が損なわれる弱点があったため解消した)。  そして、満を持して生地を鉄板に流しこん

          【原寸大!】ぐりとぐらのパンケーキの会 実践編 Ⅱ

          【原寸大!】ぐりとぐらのパンケーキの会 実践編 Ⅰ

          来たる当日。全体の集合時間は11時。 企画者の僕と桜島は、その数時間前の8時半に落ち合った。思えば誰にも指摘されなかったが、ぐりとぐらを忠実に再現するために、赤と青のドレスコードに身を包んだお互いを確認してから竹林へと向かった。  朝の空気に包まれて露のきらめく竹林から、数日前に伐採しておいた数本の竹材を回収した。これを使って、パンケーキを焼くための蓋を作るのだ。そのため、まず竹材の端に押し当てたナタの背をゴムハンマーで叩いて割っていき、太さ3cm、長さ1mほどの竹ひごを

          【原寸大!】ぐりとぐらのパンケーキの会 実践編 Ⅰ