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【日本一周 東北編18】 松島観光不案内


・メンバー

明石、尾道、釧路、宮島

・日本三景制覇 筆者:明石


 車でぶいぶい進むこと2時間半、日本三景の1つである松島へ到着した。私と尾道は3年前の高校の修学旅行にて宮島に、半年前の18切符の旅にて天橋立を訪れていたので、今回の松島訪問によって日本三景のすべてを巡ったことになる。なんと感慨深いものだろうか!我々は松島の全貌を探るべく、フェリー乗り場へと急いだ。


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フェリーの船着場


 Go To Travelの一環で、フェリー料金が平生は1500円なのに今回は1000円で乗ることができた。ありがたや。これでいつぞやの朝マック代が浮く。


 しかし、今冷静に考えると1時間フェリーに乗るのに1500円、2階のデッキへ上がれるグリーン券も合わせたら2000円もとるのは日本三景の名の上に胡座をかいているのでは?とも思う。


 こういう考えは旅行の経験値を削ぐことになるからタブーでありつつ、法外な値段には断固としてNOを突きつけなければならない。難儀なものである。


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 仁王丸はすん、と出港した。私は早速デッキに出て、近づいては去っていく島々を写真に収めていった。しかし、10分もすると、似たような地形の島々の連なりに飽きが生じてくる。


 別に松島に魅力がないわけではないのだが、回転レーンを流れる寿司ネタのように、その旨みを堪能できないままに姿だけ見せて去ってしまう島々は味気ないものだった。


 いっそ好きな島を2、3つ選んで上陸させてくれるのなら心に深く刻み込まれる体験になるのだろうが、多くの人々を合理的に観光させるにはそんなコスパの悪いことはできない。


 有名な観光地になると、「観光した」という経験値を得るための内実の伴っていない体験が多くなるように感じた。だからこそ、歴の長い旅人は外からの「まなざし」(サイード)を勘定に入れていない、無包装の生活がいたるところに転がっている名もない村を求めるのだろう。


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仁王島


 とはいえ、フェリーの名前にもなっている潜水艦のような仁王島や、釣鐘のようなかたちの穴が4つ連なる鐘島(波が通ると鯨音が鳴り響くらしい)など、奇抜な島々は興味をそそった。


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鐘島


 桂島の断崖に浮き出た美しい地層や、海からひょっこりと頭を覗かせる岩の上でのんびりとくつろぐウミウの姿なども、すべての要素が渾然一体となって海上の穏やかな午後を感じさせる。


 島々の探究という点では少し物足りない遊覧船観光だったが、松島のゆったりとした雰囲気にひたるには絶好の手段であると思った。にしても、松島の一部でありながら人の暮らしている桂島の島内の様子も気になるな。将来的な上陸も検討します。


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 船から戻ると、海岸線沿いの「南部屋」で昼食をとった。生牡蠣を一人ひとつと海鮮丼。沼津の丸天なんかと比べると可愛らしい海鮮丼だったが、ウニは甘く、帆立も甘く、イクラも甘く、旅につきものの海鮮欲求は充分満たされた。


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旅行中、一度は食べたい海鮮丼


 食後は瑞巌寺の境内を散歩しつつ、有料の陽徳院はなぜかケチって行かなかった(今思えばこれは経験値のために払うべき対価であった)。


 境内には目新しい鰻塚があり、近くに説明書きがなかったので調べてみると、松島は昔、鰻の一大産地であったが漁獲量が激減してしまい、減ったのは供養をしなかったからだと考えて大正12年に建てられたのだという。食べた鰻を供養するという観点はいいけど、減った理由をその所為にするのは人間の傲慢さが垣間見える。


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ポーズは不明


 食後のデザートに萩の月とずんだシェイクを食して、松島の地に別れを告げた。萩の月は安定かつかけがえのない美味しさ、ずんだシェイクは品質そのままでマクドナルドとコラボして欲しい美味しさだった。


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ずんだシェイク



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