【日本一周 東北編12】 アパ社長カレーは飲みもの
・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島
・THE・地方都市 「鶴岡」 筆者:明石
雨の中、4時間ほどかけて鶴岡に至った。はじめは、ネットで検索した漢字ドリルの空欄に下ネタを当てがうゲームに興じて車内は笑い声に包まれていたが、徐々にその熱も冷めていく。
高速の乗り換えでコンビニに寄ったころには気持ちもすさむほどに眠気と疲労に蝕まれ、半ば投げやりに釧路と運転を交代した。
いつの間にか後部座席で眠り込んでいて、喉の渇きと共に目を覚ますと、鶴岡インターから降りたところだった。
アパホテル山形鶴岡駅前の指定する駐車場はなかなか見つからず、釧路が不機嫌になったころにようやく見つかった。しかし、そこの駐車場は恐ろしく狭く、また恐ろしく混みあっていた。
釧路の運転に宮島が野次を飛ばしたのをきっかけに、僕が交代して駐車することになった。宮島は冗談のメロディにのせて人をいじるのが好きだけど、言われる方はたまったもんじゃないよなぁ。おもしろいから余計にたちが悪い。
値段の割に重厚な色遣いのアパホテルのフロントで、コンシェルジェからキャンペーンの一環としてアパ社長カレーを一人一つもらった。夕飯をもとめて「つるおか食文化市場FOOD EVER」に出向いたが、店を構える飲食店のほとんどがすでに閉まっていた。メインストリートと思しき通りも居酒屋しかやっておらず、各々スーパーやマックで夕飯を仕入れることになった。
私はアクの強い名前のスーパー「主婦の店 鶴岡店イーネ店」にて値引きされた揚げ物を買った。そして、フロントにてもらった「地域共通クーポン」を消費するべく尾道と近くのファミリーマートへ行き、サトウのごはんやセブン食堂の豚の角煮やチーズインハンバーグ、つまみのビーフジャーキーを買い込んだ。
1kmほど離れたマックへ歩いて向かった宮島と釧路より一足先にアパホテルへ戻った私と尾道は、フロントにある600Wの電子レンジで目一杯購入した夕飯のおかずを、順番を考慮しつつ温めまくった。もらったアパ社長カレーも一緒に温め、部屋にあった紙コップに入れて食した。カレーは飲み物。
逃走中スタッフ制作の水上サバイバル「オチルナ!」を、司会のオードリー目当てで視聴しつつ時は流れていく。今夜の部屋割りは僕と宮島、尾道と釧路で、我々の部屋に別室の二人が訪ねてきた。
お菓子を貪りつつ駄弁り、明日の観光について計画を立てつつお菓子を貪り、やがて彼らは去っていった。残された私と宮島は、旅行期間とかぶっていた「パズドラフィーバー」に深夜2時くらいまで参加し、力尽きるとともに就寝した。
・創意工夫夕食展 筆者:尾道
角館から鶴岡までの一部区間は、釧路が運転手を務めた。あたりはすでに真っ暗である。慣れない夜の高速道路に、彼の表情が明らかに強張っていたので、助手席に座る者として話し相手に徹した。
なお、その間、明石と宮島は後部座席で夢の中であった。距離感覚が人より乏しいと自称する釧路曰く、カーナビの「車線変更まであと〇〇m」といった案内に毎度混乱するとのことだったので、私が適宜指示を出すことで彼の負担を減らした(つもりである)。
鶴岡はビジネスホテルが多い土地であった。宿に荷物を投げ込んで、メシ探しに繰り出す我々であったが、サラリーマン需要にフォーカスした結果なのか、あたりには我々が気軽に立ち入れそうな飲食店はなく、目につくのはもっぱら居酒屋であった。
そこで、釧路と宮島はマクドナルドに、私と明石はファミリーマートに行き、各自食べたいものを購入する運びになった。コンビニで買えるものなんてたかが知れているので、今夜は適当な弁当で済ましてしまおうと考えていたが、ここで天才的アイデアが舞い降りる。
『おかあさん食堂の総菜とパックご飯を合わせれば、自由度の高い最高の夕食ができるのでは…?』
というわけで、豚角煮とエビチリとサトウのご飯を購入し、ホテルに戻った。到着するや否や、フロント前にあるレンジで温め開始。ついでなので、創業何周年だかのキャンペーンでチェックイン時に貰った、アパ社長カレーも温めることにした。諸々を温め終えるのに、十数分間フロント前のレンジを占領したが、幸い他の利用者が来なかったため、ことは円滑に終了した。
部屋に戻り早速メシを頂く。アパ社長カレーは、よそうのに適切な皿がなかったため、洗面所の紙コップで凌いだ。常軌を逸した行為ではあるが、これもまた旅の思い出である。
創意工夫がひかる今夜の夕飯。肝心の味は文句なし満点で、下手な店に行くよりも美味しくて安上がりである。ちなみに、アパ社長カレーはレトルトのくせして相当なクオリティであった。調べてみると、アパホテル発祥の地、石川県の金沢カレーがベースになっているらしい。
おかあさん食堂×パックご飯...今後もお世話になりそうな妙策を編み出した。
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