【日本一周 東北編7】 東北にいた!東京駅の兄弟
・メンバー
明石、尾道、釧路、宮島
・盛岡ノ地ニテ辰野金吾ヲ思フ 筆者:明石
遠野から車で走ること1時間強、夕闇迫る盛岡の街に着いた。
盛岡は僕の好きな漫画「彼女とカメラと彼女の季節」の舞台であり、そこここに思い入れのある景色が広がっていた、と言いたいところだが、盛岡が舞台であることを旅行から帰ってきてから知ったため、広がる街並みは単なる一地方中枢都市としか映らなかった。悲しいかな。
岩手銀行赤レンガ館。さほど大きくない交差点の一角に、東京駅を設計した建築家である辰野金吾の手による見目麗しい館が立っている。
アーチ状の窓の連なりや、規則をもって配置された赤煉瓦と大理石のコントラストがなんとも美しい。ガス燈を模した街灯も雰囲気作りに一役買っていて、まるで明治期にタイムスリップしたかのような感覚に陥る………までではないが、それなりに感動的だ。
館内は有料エリアと無料エリアに分かれていたが、無料エリアだけでもホールや2階の廊下など、多くの場所を自由に行き来できて満足できた。
2階に上がる階段は、どれだけ慎重に登ったとしても騒々しい音がなる鶯張り仕様だった。知恩院なんて目じゃないぜ。
・建築を楽しむPart1 筆者:尾道
遠野からの移動中の車内は、エセ英語で騒がしかった。時刻は15時半ごろ、疲労が溜まってきた我々は、「英語しか話せないゲーム」に興じることで、移動の退屈を紛らわそうとしていたのである。
とはいえ、会話の登場人物は主に私と明石の二人。受験期をピークに下降線を辿る英語力を総動員して、なんとか夜に行く冷麺屋の目星をつけた。ほんのおふざけで始めたゲームであったが、思いのほか盛り上がり、気づいた時には目的地の最寄りインターまで来ていた。
岩手銀行赤レンガ館は日本史履修者として楽しみな地点の1つ。設計には東京駅丸の内駅舎で有名な辰野金吾が携わっている。黄昏時の青空を背に、レトロで荘厳なレンガ造りが堂々と構えている。
中に入って最初に目につくのは、吹き抜けで開放的な天井とそこから垂れるシャンデリア。(明石の記事参照)部屋の扉や柱に使われている木材は歴史の重みを語るのに一役買っており、天井や壁、ドア枠といった、いたるところに西洋風の意匠が施されている。
大変充実した見学となったが、驚くことに我々が立ち入ったスペースは、見学料が無料。少しでも多くの人に、歴史や建築美を知ってもらうための計らいなのだろうか。せっかくだから、帰りに東京駅丸の内駅舎に寄るか、と考えつつこの地を後にした。
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