恵 田 侑 典

俳優と監督、時々キャスティング。脚本・監督・主演作「RICE BALL」が、アカデミー…

恵 田 侑 典

俳優と監督、時々キャスティング。脚本・監督・主演作「RICE BALL」が、アカデミー賞公認映画祭の第41回クリーブランド国際映画祭、第42回アトランタ映画祭に正式出品。脚本・監督・主演を務めた短編映画が、2021年カンヌ映画祭批評家週間の最終選考に残る。

最近の記事

映画『とりつくしま』

※ネタバレが含まれるため、読まれる際はご注意ください。 この世に未練があったまま死んでしまった人が、何かモノに憑りついて現世に戻れる、というお話。 歌人、作家の東直子さんの小説「とりつくしま」が原作の映画。 そもそも、「とりつくしま」は漢字にすると「取り付く島」であり、基本的には「取り付く島がない」という言葉として使われます。 由来は、海で溺れても上陸する島がないこと、頼りとしてすがる手掛かりがないこと、相手を顧みる態度が見られないこと。 そのことから、頼りにして取りす

    • 映画『愛に乱暴』

      この映画は、とにかく没入感がすごいです。 ワンカットで主人公の桃子を中心に撮る事で、桃子の内へと自然と集中していきました。 そして、それだけ中心に据えられても、揺るがない江口のりこさんの演技力というか、もう存在感そのものというか、とにかく圧倒されます。 そして、これまたそれに相対する夫の真守役の小泉孝太郎さんも、また新たな境地を見せてくれます。 正直、台本をもらってキャスト表を見た時、「え⁉」と思いました。 まったくイメージになかったので、「どうなるんだろう?」と思

      • 映画『夏目アラタの結婚』

        「2時間超えか…」と思って見始めましたが、展開の早さというか、テンポの良さというか、あっという間の2時間でした。 というか、内容的にもっと尺が長くなってしまうようなものを、逆に「良くこの尺で納めたな…」と感心するばかりでした。 そのあたりの手腕は、さすが堤幸彦監督といったところでしょうか。 あと、それを支えたものに、役者さんたちの演技力があったのは言うまでもありません。 きちんと、それぞれが自分の追うべき目的に向かって進み、だからこそ相手との間に思惑や感情が生まれ、それ

        • 8月に観た映画

          『ア・ストーリー・オン・ザ・ショア ~是枝裕和 ある夏、海街で~』 海南友子 物作りの参考になります。 『ふたつのシルエット』 竹馬靖具 「ふたつの」というのが、その場に居る2人のものだったり、過去の自分たちと今の自分たちのものだったり、いろいろ解釈ができる。 人と人の間に流れる空気の密度を感じました。 『の方へ、流れる』 竹馬靖具 濱口竜介監督が行われている「イタリア式本読み」をそのまま撮影時でもやってみた、という印象があるけど、だからこそ、微細な感情の変化を感じ

        映画『とりつくしま』

          「立川名画座通り映画祭」の歴代グランプリ上映会

          拙作『岐路』を上映していただく、9月16日(月・祝)に、立川シネマシティ・シネマツー開催される、「立川名画座通り映画祭」の歴代グランプリ全10作品の上映会の事を、ヤフーニュースに掲載していただきました! それに併せて、上映会の予告編を作っていただきました。 ちなみに、よく間違われるのですが、『岐路』は監督作ではなく、原案・主演・プロデュース作です。 あと、この時の芸名は「大石」で、今の芸名でお会いした方は「え?」となり、当時知り合った方は、今の芸名に「え?」となっていま

          「立川名画座通り映画祭」の歴代グランプリ上映会

          映画『愛に乱暴』公開前雑記②「映画の原作、先に読むか、後に読むか」

          『愛に乱暴』は、すでに説明不要かと思いますが、吉田修一氏の小説が原作となっています。 この、「原作がある」場合の映画の見方で、 「先に原作を読むか、映画を観てから原作を読むか」 という実に悩ましい選択を迫られます。 僕は、出演する立場上、今回は先に原作を読ませていただきました。 今回、僕があくまで個人的におすすめなのが、 「先に映画を観てから原作を読む」という順番です。 基本的に、長編小説を映画化する際、ほとんどの場合、尺やらなんやらの関係で原作を泣く泣く省略す

          映画『愛に乱暴』公開前雑記②「映画の原作、先に読むか、後に読むか」

          映画『愛に乱暴』公開前雑記

          8月30日(金)に、遂に出演映画『愛に乱暴』が公開されます。 台風の予報もあり、嵐の幕開けとなるか、嵐を巻き起こすのか。 是非、日本に『愛に乱暴』の旋風を巻き起こしてほしいと願っているところです。 さて、僕は、映画の公式Xにて、出演シーンの画像が説明文付きでアップされた事で、出演告知がOKになった珍しいケースかなと思いますが、そもそもの出演に至った経緯をちょっと、いや、かなり長めに書いてみようかと思います。 ※注 本気でかなり長いですので、長いと思ったら、途中読み飛ばして

          映画『愛に乱暴』公開前雑記

          短編映画『岐路』上映

          立川名画座通り映画祭10周年の企画イベントで、歴代グランプリ作品と本年度のグランプリ作品の全10本が一挙上映されます! 原案・主演・プロデュース作『岐路』も第一回グランプリ作品として上映していただきます! 日程:9月16日(月) 会場:シネマシティ(立川)/シネマ・ツー 入場料:500円 『岐路』は現在、日本の短編映画専門配信サイト「ジーンシアター」にて独占公開されていますが、シネコンのスクリーンで観るチャンスはそうそう無いので、是非この機会に大きなスクリーンで観ていた

          短編映画『岐路』上映

          映画『大いなる不在』

          映画の日。 アップリンク吉祥寺へ。 エレベーターが、今月公開する出演映画『#愛に乱暴』になっているというので、「絶対写真撮らな!」と思ってたら、自分が観た映画のポスターを撮り忘れた…。 今日観た映画は、『#大いなる不在』 近浦啓監督は、僕が拙作「RICE BALL」でそれこそ世界を旅していた時に「SIGNATURE」という短編映画がこれまた世界を席巻していて、飛行機の中で作品を拝見しました。 映画を自力で撮るために、自分で他の仕事の会社を立ち上げた、というような記事を

          映画『大いなる不在』

          「誰が見てくれているか分からない」

          先日行った現場で、エキストラで来ていた方に、 「あら、あなたどこかの現場で会った事あるわね!」と言われた。 ここまでは、よくある話なのですが、思わぬ続きがありました。 「ええと、あれ、なんかタイトルの長い映画に出てたでしょ!  郵便屋さんの役で。観てたら急に出てきてびっくりしたわよ。  でも、知ってる人が出てきて嬉しくなっちゃって。頑張ってるのね」と。 このタイトルの長い映画というのが、 「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」 という

          「誰が見てくれているか分からない」

          映画『あんのこと』

          入江監督は、僕にとっては、京都フィルムメーカズラボに参加した時のゲストスピーカーで、ラボの先輩にあたる方。 そんな先輩が、とんでもない映画を撮ったというので、気になっていました。 前日にチケットを取ろうと思ったら、新宿の映画館がすでに結構席が無くなっていたので、立川に切り替え。 立川も、事前購入の段階では正直かなり席が空いていたのですが、いざ、上映が始まる直前には、ほぼ満席。 作品の内容と『ふてほど』効果か。 「実話を基にしたフィクション」という事ですが、ただ単に実話だ

          映画『あんのこと』

          映画『三日月とネコ』

          出演したHomecomings さんのMV「Moon Shaped」が主題歌の映画『三日月とネコ』を観てきました。 「Moon Shaped」が、『三日月とネコ』を元に書き下ろされた曲という事で、どんな作品からあの曲が生まれたのか、どんな相乗効果を生んでいるのか、気になっていました。 いろいろな考え方、人を好きになる気持ち、個性、という今の時代を反映した題材が出てきます。 その上で、人が人をちゃんと認めて、感謝して、寄り添うという事が丁寧に描かれた作品でした。 この映画

          映画『三日月とネコ』

          Homecomings「Moon Shaped」MV

          Homecomings さんの「Moon Shaped」のMVに出演させていただきました。 一人息子のために頑張るシングルファーザー 役を演じました。 今月、MVへの出演がこれで3作目です。 ここ数年、MVへの出演は全く無かったので、自分でも「どうしたんだ?」という状態です。 ずっと、エントリーはしていたのですが、全然通らなくて、「ああ、縁のない仕事なのかな…」と思っていたので、すごく嬉しいです。 しかも、アルバム「New Neighbors」の収録曲「ラプス」がすごく好

          Homecomings「Moon Shaped」MV

          映画『ミッシング』

          出演作『ミッシング』を観てきました。 どの紹介記事を読んでも書かれていますが、とにかく石原さとみさんのお芝居が凄まじいです。 お芝居が凄まじいのは、石原さんだけではなく、青木崇高さん、中村倫也さん、森優作さんなど、皆さん魂をすり減らすほどのお芝居をされていて、観ているこちらまで心が削られていくようでした。 この映画は、予告などを見ると、娘を必死に探す母親の物語のように見えますが、この映画で語られるのは大きく、「家族」と「報道メディア」の2つかなと思います。 実際に、序盤

          映画『ミッシング』

          ルサンチマン さん「ホーム」のMVに出演しました。

          ルサンチマン さんの「ホーム」のMVに、主人公の兄役で出演させていただきました。 楽器演奏シーンなしで全編ストーリー仕立てのMVは、ルサンチマンさんでは初という事で、そんな記念すべきMVに出演させていただいて光栄です! しかも、監督とは8年ぶりの再会! 歌詞も曲も心に響いてきます。 ホーム感を出せるように、楽曲のイメージに合うように頑張りました! 是非、観て、聞いてみてください! ちなみに、今回の監督と初めてお会いした作品はこちら↓。 この時は、カメラマンとして来て

          ルサンチマン さん「ホーム」のMVに出演しました。

          Tani Yuuki さん「笑い話」のMVに出演しました。

          Tani Yuuki さんの「笑い話」のMVに、ウェイター役で出演させていただきました! 歌も映像も染みます…。 ご覧になってみてください! そして、まさかのこささ監督とのお仕事。 ウェイターとしての所作を気に入ってくださったのか、ほんの少しの準備の合間に、隣にスッと座ってきて、「様になっていますね。ウェイターの経験あるんですか?」と聞かれたので、正直に「いえ…、実は全くないんです。だから、できるだけの予習はして、撮影前にもずっと動きの練習をしていました」という会話を

          Tani Yuuki さん「笑い話」のMVに出演しました。