見出し画像

映画『STRANGERS』

実は、この映画が撮られる前、この映画の脚本を元にした監督のワークショップに参加させていただいた事があります。

で、それが形になったという事で、観に行ってきました。

劇場に到着すると監督がいらして、久しぶりにお会いしました。
覚えていてくださって嬉しい…。
で、小冊子をいただきました。
ありがとうございます!

最初、「ホラー」というのを目にしていたので、映画を観始めると
「どこら辺から怖くなるんだろう?」という印象を持ったけど、
なにか劇中ずっと気持ちの悪い「視線」を感じる。
そう、実は自分で気づかない内に始まっている。

そして途中、「ん?」と思う箇所がいくつかある。
小川あんさん演じる花屋の店員の最初のリアクション…。
瓶のようなものが割れる音…。

それらが後になって明らかになる。
と、見えてくるそれまで感じていた視線の謎。
その構成の仕方が自分的には好みな感じで、「おぉ~」と唸りました。

あと、急に人が仲良くなっていたりするんですが、そのあたりの編集のジャンプの仕方というか、編集の妙というか、それがとても映画的だなと感じて、これも唸りました。

ワークショップで自分が読んだセリフが、「ああ、こういう流れで言うセリフだったのか」と分かるのは、ワークショップに参加した人のみに与えられる体験で面白かったですし、勉強になりました。
(ワークショップ時は、全体の脚本ではなく、断片的なシーンのみ与えられて演じるという感じでした。面白かったなぁ。)

観て思ったのは、明確なジャンル分けの難しい作品だなと。
まあ、明確なジャンル分けが必要かというという話は置いておいて。
いろいろこの映画に関する記事を読んで、「スローホラー」という言葉が
確かにしっくりくる気がします。

この作品が怖いのは、「お化けが出てきてギャー!」というものではなく、
映画館を出て、リアルな現実に戻ったとしても、起こりうる可能性を感じるところ。

実際、映画館を出て、青いワンピースの方が前から歩いてきて、ちょっとビクッとなりました。

あと、少し話は違うかもしれませんが、実際、僕は先々月の違う2つの現場で、共演した役者さんと、ヘアメイクさんからそれぞれ「前にお会いしましたよね?」と言われましたが、どちらも全く面識のない方でした。
僕は人の名前は覚えられないのですが、顔と話した内容はよく覚える方で、お会いした事のないのは本当で、会ったという現場の話を聞いても、僕が参加した事のない現場でした。

ただ、本当に僕に似ている方のようで、役者さんの方からは、「いや、めっち似てます!」と言われた。

それは、同じ仕事をしていて、それだけ似ていれば、僕になりすます事もできるわけで、そんな事はしないだろうけど、僕がしていない事でも、その方が何かミスった場合、名前は憶えていないけど、なんとなく顔の雰囲気でその方を覚えている方は、僕と会った時に「あ、あの時ミスった奴だ」と思われる事もある訳で、なんかそれって怖いなと思いました。

うん、違う話でしたね笑

いや、なんか、自分が知らない内に分身して、どこかで勝手に生きてる感じにちょっとゾワッとしたんです。

話を戻すと、日常と地続きの怖さがある、という怖さ。
それは、話が展開される「場所」が、洋館でもなく、廃墟でもなく、
会社だったり、街中だったり、いつも私たちが目にしているところであり、歩いているところであり、生活をしているところである、という要素も大きいかもしれません。

そのあたりは、池田監督の短編「午後3時の悪魔」を観てみると、さらに感じるかもしれません。
この作品にも通じる、人の立ち方、見え方、手の出しかた、歩き方、究極をいうと居方、そこから感じる恐怖というものがどんなものか感じてもらえるかと思います。

僕が1番感じたのは、「山口紗季」というモノが一つのウイルスのようなものになり、憑りつかれた人は「山口紗季」となり、また人から人へ感染してゆく…、そんな印象を受けました。

お化け的な怖さとは違う怖さを求める方、お化け的な怖さが苦手な方、
サスペンスが好きな方、いや、映画が好きな方に観てみてほしいです。

#STRENGERS
#池田健太 監督
#大西礼芳  
#柾木玲弥
#小川あん
#宮田佳典
#佐藤玲
#岩瀬亮
#谷川昭一朗
#玄理

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集