9月に配信で観た映画
『大食い大好き大石さん』(田中亮丞)
見た目のイメージによる先入観って、持たないようにしてもどうしようもなくあって、あったとしても、それに気づいたあとどうするかを考える機会をくれる作品。
『SHIBUYA, TOKYO 16:30』(大富いずみ)
弱い立場と搾取する側の立場の人、支配される側と支配する側の人とでもいうのだろうか、どこでも起きうる立場を利用したマウント・ハラスメントが、短いながらも濃い密度で描かれる。
「声をあげよ」とは言うけれど、なかなかそう簡単にはいかない人の姿を、小川あんさんが好演している。
『AREA』(関翼)
前に、確か「ボクらの時代」で河合優実さんと三上愛さんが同級生という事を言っていたが、それが分かる作品。
河合優実さんがキャストで、三上愛さんが衣装で参加。
死に逝く者たちの話で、全般的に河合さんの演技が凄いが、ラストの笑顔からの真顔が素晴らしい。
『山田』(馬渕ありさ)
前に観たことがありました。
その時も、「なんじゃこりゃ!?」と思いつつ、観てしまうという、不思議な魅力を持った作品です。
人それぞれによって、見えているもの、真実と思うものは違くて、それぞれでいい、という事をコミカルに、シュールに見せる。
塩梅を間違えると、駄作になりかねないものを、見事な塩梅で見せているところが秀逸でした。
『煙とウララ』(板野侑衣子)
映画の設定ではよくある「屋上での会話劇」
この場合、その「会話劇」が良くないと、目も当てられなくなるけど、これは、会話が進むにつれて徐々に見えてくるものがあったりと、見ごたえのあるものになっています。
『その日、カレーライスができるまで』(清水康彦)
これ、名作です。めちゃくちゃ見てほしい1本です。
キャストの演技力がなければ成立しないところもありますが、リリーフランキーさんが、今まで見た中で最高の演技をしています。
なぜ、リリーフランキーさんは、あんなにも作品の中で「人間」でいられるのだろうか…。
ただ、惜しいのが、とにかくセリフが聞こえない。
演技として声が小さくなるのは見て分かりますが、配信用に声の調整はできなかったのか…。
普段、音量20前後で視聴しているのですが、イヤホンをして音量を60くらいに上げてやっと聞き取れました。
巻き戻しも何度もしながら観たので、見終わるまでにえらい時間が掛かった。
映画館で観たらそんな事はないのでしょうけど…。
『Blue/Orange』(山川智輝)
これは、なんというか…、脳内イメージの表現、という感じの映像作品でした。
『夜の話』(吉野耕平)
映画は自由に撮っていい、という例のような作品。
同じセリフの繰り返し、動きのない画でも、妙に引っかかるものがあったり、それこそが見たいものであったりするのであれば、それでいいと思わせてくれる作品。