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補論『囚われのいじめ問題』を受けて
このマガジン『いじめを再定義する ーなぜ学校はいじめを認めないのかー』では2011年の大津いじめ事件を一つの軸にいじめ問題を考えてきました。事件から10年の昨年、大津いじめ事件を再検証する『囚われのいじめ問題――未完の大津市中学生自殺事件 』が出版されました。
この本はかなり衝撃的な内容で、報道の仕方や過去を今の視点で振り返る証言の問題で事件がいじめだったという方向に傾いてしまったのではないか
いじめ対策を考える 1
この章では「いじめ」の概念をふまえながら、具体的ないじめ対策を考えていきます。
いじめをやめようから「いじめ」を知るへ 私が定義した「いじめ」は、暴力など起きてはいけないことが見過ごされてしまう集団の力のことでした。
対策として真っ先に考えられるのはこのことを意識することです。
現在は「いじめはいけない」「いじめはやめよう」というメッセージがよくいわれています。この思いをみなが徹底すれば
いじめとスクールカウンセラー 2
いじめにスクールカウンセラーはどう取り組むか では、いじめに対してスクールカウンセラーは何ができるでしょうか?
多くの人が誤解しているかもしれませんが、重大ないじめがあった場合に学校に行ってSCにカウンセリングを受けるというのはあまりお勧めできることではありません。学校で傷ついた心をわざわざその場所である学校でカウンセリングを受けるというのは、あまりいい方法とはいえないでしょう。大津のSCが心の
いじめとスクールカウンセラー 1
この章ではいじめととスクールカウンセラー(SC)のあるべき姿について考えていきます。
大津いじめ事件とスクールカウンセラー そのきっかけとなるのはやはり大津のいじめ事件です。大津の事件ではSCの対応が大きな問題になりました。
学校が自殺の主因についていじめではないという判断を下す際に、SCの見立てが影響を与えたことや、被害者の姉の面談の記録を学校の管理職が見れる状態であったことなどがSCの対
「いじめ」でいじめを考える
この章ではいじめのいくつかのトピックを、いじめは行為そのものではなく行為が見過ごされるメカニズムであるという「いじめ」の概念で考えていきます。
いじめられる方にも問題がある? いじめを巡る議論で必ずといっていいほど聞くのがこの言葉です。前の章でも取り上げました。
いじめられる側にも何らかの問題点がある。それを直せばいいのではないか。
これについても改めて「いじめ」を軸に考えてみます。
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