Yoshiyuki Ohashi

感情移入あるいは共感(empatia)について考えてみよう、と。

Yoshiyuki Ohashi

感情移入あるいは共感(empatia)について考えてみよう、と。

最近の記事

ロバート・フラッドの「土占い(ゲオマンティア)」2

Liber Primus De compositione Geomantica. Cap.I. De principio interno Astrologiae terrestris seu Geomantiae. 地上の占星術あるいはゲオマンティアの内的原理 イングランドの栄光の王女エリザベスの王朝の最後から二年目(1602)、厳冬の中、サン・ベルナール山の深い雪に埋まり、イタリアへの道を完全の閉ざされて、この冬中わたしはアヴィニョンの町にとどまることを余儀なくされた。そ

    • ロバート・フラッドの「土占い(ゲオマンティア)1

      Fasciclus Geomanticus, in quo Varia Variorum Opera Geomantica Continentur... Roberti Flud alias de Fluctibus, Armigeri et in Medicina Doctoris Oxoniensis de Animae intellectualis scientia seu GEOMANTIA Hominibus appropriata, quorum radii i

      • 最終皇帝伝説――レジセルムスの解釈 4

        〔第四の碑文〕〔図〕 A スルタヌス・パザイテス。 B 二番目の牡牛と、アルクトトロファス(北極?)の終端、つまり授乳する雌熊、人物蔵は場所と様子(習慣)を示している。 〔解説〕 第四図はメへメトの後継者つまりバイゼトをしるしている。しかし格言Aにはスルタン・バイゼトスとある。この人は父を後継したが、彼の温和な性格を見越した君主たちからさまざまな苦難を蒙った。彼らは彼に対して大胆に武器をとり、叛逆した。モレアやマケドニアのニコロ・ズッパーノやジョヴァンニ・チェルノヴィッキオの

        • 最終皇帝伝説――レジセルムスの解釈 3

          〔第三の碑文〕〔図〕 A スルタヌス・メケメティス、彼こそコンスタンティノープルを占拠するだろう。 B 湿った場所で、汝は希望を失うだろう。というのも汝のうちではじめとおわりは角(凶兆、邪眼、祓うべきもの)であるから。 C 汝は聴く耳をもつばかりか、愛なしに手綱をとろうとする(愛つまり色欲をもつ)と評判である。 〔解説〕 どうやらギリシャはバルドゥイーノ二世をもって異邦人の鷲の支配から離れ、土地の人ミカエル・パレオロゴスによる別の新たな支配のもとに入ったもののようである(他の

          最終皇帝伝説――レオの預言 8

          羅版     血    ああ、ああ、残念で惨めな都だ。 あなたは今、惨めな光を見ている。 Kが長く統治するとき、 汝の中で多くの者たちが絞殺され、血が流される。 それは内戦に移行する。彼らは剣で無数の人を葬るだろう、 6,7000人にのぼる者たちを。そしてすべては淫らな大虐殺に穢される。淫行者、強姦者、邪悪な男、人間を堕落させる者。ついに彼らは目の前に光を見るだろう。 第十一時代には力は消尽する。最初の五つの専制君主制においては、 リビスはドラゴンを殺す音を立てるだろう。彼の

          最終皇帝伝説――レオの預言 8

          最終皇帝伝説――レオの預言 7

          羅版    四肢の分割 別の雌熊が子熊たちに乳を与える。彼女(雌熊)は概説したところを超えてすべてである。しかし、その一部は両側から縛られ、 帝国全体の分裂を引き起こし、 時の変動を拡張する。 最後に終焉が描かれる。 銘文図VII。 [A] ブラブ・カリコス(盃の傷?) [B] ああ、ああ、貧しく悲しい都、汝は自分の悲惨な光を惨めに台無しにする。人々はすぐにKを手に入れるだろう。汝の中で多くの者が虐殺され大量の血が流されたとしても、汝が恐れている第十一の時代に汝は失敗するこ

          最終皇帝伝説――レオの預言 7

          最終皇帝伝説――レオの預言 6

          羅版     切断 第五の雌牛にして熊の乳母。それは場所と方法のいずれにも形をあたえる。汝は最も控えめな友を見極めよ。それにより、汝は最も美しい結末を迎えることができるだろう。そして汝だけが自らに帝国の賞賛を集める。死者の力は非常に強力なまま、帝国は早々に幸福を享受する。 汝が去ると、なぜ汝はわたしの友のように思われたのだろう。それは他の者より特別な美徳をもっていたから。 銘文図VI [A] スルタン・ソリマヌス(スレイマン) [B] ここには鎌と薔薇を持った熊の第四の像が

          最終皇帝伝説――レオの預言 6

          最終皇帝伝説――レオの預言 5

          羅版     混乱 これは北から延びる第四の部分(北にあたる四分の一。矩象)。 剣と薔薇の収穫を監督する男。 その最初の文字は薔薇から切り取られる。 Mの文字(要素)を見よ。小麦の収穫を指揮したため、汝は皇帝側から救われることはない。彼を見よ。彼は刈り取りを始める。最後に彼は薔薇を掴む(なにごとであれ薔薇を身に着けることには目的がある)。それゆえ、これからは心から善を行いたまえ。無駄にしたものがあらたに創造される。薔薇を切るほど薔薇が咲くように。 乱れた円輪(ターバンを巻いて

          最終皇帝伝説――レオの預言 5

          最終皇帝伝説――レオの預言 4

          羅版     歓び   見よ、新しい、本当に新しい習慣を。鎌と薔薇をもつ者。汝に四カ月を与えよう。 鎌(剣)は穀物の初穂をすべて薙ぎ払うだろう。汝は短期間のうちに偶像の神殿を建てることになる。汝は三の三倍、老人になるまで生き、冥府に引き込まれるだろう(死の年を引き出すためには)、その間に失われた二人とともに(真中の二が欠けている)。 第三と最初の文字を倍する(文字が重複している?)。先に合したものを分割する。 銘文図IV。 [A] スルタヌス・パザイテス。 [B] これらの

          最終皇帝伝説――レオの預言 4

          最終皇帝伝説――レオの預言 3

          羅版      独裁(専制)。 汝はビザ(ブクサ)(コンスタンティノポリス、ビザンツ人)の一族、たいへん大胆で遅滞なく、戦う準備も整っている。 名前の最後の部分を取り去るなら、汝は湿った場所で望みも虚しく斃れるだろう。 汝の中に角(凶兆)のはじめとおわりがあるから。 汝の耳はさまざまな訓戒の言葉に圧迫され、 口を震わせ、吐息を吐くばかり。 銘記図III。 [A] スルタヌス・メケメティスがコンスタンティノープルを占領しようとしている。 [B] 湿った場所で、そして希望を失い

          最終皇帝伝説――レオの預言 3

          最終皇帝伝説――レジセルムスの解釈 2

          〔第二の碑文〕〔図〕 A 二重、三重の(意味を持つのが)騎馬する鳥(鳥の騎士)であり、十字を運び、また馬には角がある。 B これこそが鳥たちの偉大な王、これは白昼に王国を奪取し、角ある馬のうちに憩うだろう。太陽が南中する時に。 C 二つの名をもつ一(モナド)よ、第一のもの(名)を時の数に均して、汝の時の部分を測り(がどこにあたるかを見る)、その中央に十字の似姿を置いて。汝がおおいに大胆であるなら、早々に戦いの準備を済ませることになる。おお、ビザンツの民よ、ついに名声を得る時宜

          最終皇帝伝説――レジセルムスの解釈 2

          最終皇帝伝説――パスクァリヌス・レジセルムスの解釈

          *Vaticinium Severi, et Leonis imperatorum, in quo videtur finis turcarum in praesenti eorum Imperatore, una cum alijs nonnullis in hac re Vaticinijs. Brescia 1596. [序] 偉大なる皇帝たちにかかわるビザンツ(コンスタンティノポリス)およびアガレニコの皇帝賢者レオの預言。スイダによればこれらの預言あるいはヴェティチニ

          最終皇帝伝説――パスクァリヌス・レジセルムスの解釈

          最終皇帝伝説――レオの預言 2

          [羅版] 悔悛  第三は曖昧であるが、それは鳥のようなもの。 十字の鳥、角のある馬。 二つの名を結び、その文字の数価を算えると、時の数として善い日が示される。 その中央に十字架の形が堂々と占めて。最大の鳥にして唯一の王。南に始まり、 中央(馬)に已む、日の輝きの中で、 南の極が明けの明星によって占められるとき。 獰猛で大胆で毛深く。はじめとおわりの統一(端緒には一性と目的とがある)。 碑銘図Ⅱ。 [A] 二重、三重(二図および三図?)。馬に乗る鳥は十字の(を運ぶ)鳥であり、

          最終皇帝伝説――レオの預言 2

          過去・現在・未来を占う――アルテフィウスの業

          デラッテ『ギリシャの鏡占い(カトプトロマンティア)』から A. Delatte, La Catoptromancie Greque et ses Derives, 1932 中世およびルネサンス期の文書群には不可解な人物が召喚されることになる。その人物は時にアルテシウスArtesiusと、時にアルテフィウスArtefius (Artephius) (18-1)と名指される。彼の生涯はものがたりとしてしか知られていないが、どうやら錬金術と魔術に耽ったものとみえる(2)。アルテ

          過去・現在・未来を占う――アルテフィウスの業

          最終皇帝伝説ーーレオの預言 1

          [羅版] 和解し難い欺瞞を内に秘めて。 犬が子犬たちを善意を込めて育てるように。 それは甘やかにたちまちその中に注がれ、たちまち時がそれを呑み込むだろう。蛇はすぐにそれらをすべて貪り尽くす。 汝は悲惨を称賛してこれを歓び、手を広げ、つま先を丸める。まるで汝自身の呵責を逃れようとするかのように。 しかし主は汝の偽善を暴露するだろう。恥知らずな犬よ、汝にいかなる善行ができるか。汝は異邦の苦難に執着する。どうして汝に民の幸福をもたらすことができるだろう。汝は二羽の鳥に向かって大きく

          最終皇帝伝説ーーレオの預言 1

          最終皇帝伝説――レオの預言 総序

          預言書  [コンスタンティノープルの復興に関する予言] I. イシュマエル族は七つの丘の都市の近くに上と下に建物を建てる。七つの丘の都市よ、災いあれ。彼はあなたの破滅を告げる。あなたはハガル人によって包囲され略奪される。彼 [すなわちイシュマエル] は多くの領土を転覆させ、多くの都市が破壊される。イシュマエルは多くの島々を逃げさせ、それらは彼の手に渡される。海の支配者たちは恐れ、島々の住民は皆大いに嘆き悲しむ。キプロスよ、災いあれ。霜が降りるとイシュマエルはあなたを捕らえる。

          最終皇帝伝説――レオの預言 総序