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最終皇帝伝説――レジセルムスの解釈 2
〔第二の碑文〕〔図〕
A 二重、三重の(意味を持つのが)騎馬する鳥(鳥の騎士)であり、十字を運び、また馬には角がある。
B これこそが鳥たちの偉大な王、これは白昼に王国を奪取し、角ある馬のうちに憩うだろう。太陽が南中する時に。
C 二つの名をもつ一(モナド)よ、第一のもの(名)を時の数に均して、汝の時の部分を測り(がどこにあたるかを見る)、その中央に十字の似姿を置いて。汝がおおいに大胆であるなら、早々に戦いの準備を済ませることになる。おお、ビザンツの民よ、ついに名声を得る時宜が到来するだろう。
〔解説〕
十字をもつ鷲はあらたな皇帝、つまり上述したバルドゥイーノを示している。彼は1,208年、フランス人とヴェネト人の援けによりこの地の皇帝に任じられた。彼らの盟約によれば、フランス人は現世の君主を設け、ヴェネト人は霊的な主を設けることになっていたので、フランス人たちはフランス家系のバルドゥイーノをコンスタンティノポリス皇帝となし、ヴェネト人たちはトマス・モロシーニをこの都の総主教となした。この図はこの帝国が異邦の血族のもとに統治されていた時代をあらわしており、これが格言Aの言葉「二重、三重の鳥云々」に示されている。これは「二転三転」とでも言おうとしたもののようで、十字架を運ぶ鷲の旗印のもとに六皇帝が帝国で生まれたことを示している。この十字を掲げる鷲は頸に六本の羽をもっており、これらが六人の皇帝つまりバルドゥイーノ、ヘンリクス、ペトルス、ロベルトゥス、ヨハネス・ブレンニウス、つまりバルドゥイーノ二世の後見人をあらわしている。これら六本の羽を後継する者は格言Bに謂われているように、「鳥たちの偉大な王云々」だけがこのギリシャの支配権を執るだろうが、すでに正午を過ぎ、つまり彼が角ある馬のうちに憩うまでさほど時間がないだろう。こうして鷲もまたバルドゥイーノ二世とともに終わるだろうと謂われている。