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日記じゃないもの

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日記以外をまとめたものです。
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大喜利(6)

大喜利(6)

【お題】「『邪道極まりないヒーローの勝ち方』どんなの?」

「札束配って黙らせる」「全員が毒爪」「敵のアジトに巨大ロボで攻め込む」「夜襲」「黒い交際をこれでもかと使う」「怪人の日記音読」「負けてもクソでかいテロップで『勝ち』って出す」「戦ってると『子どもたち見てるから…』って耳元で囁いてくる」「この番組は夢グループの提供でお送りしました」「怪人のご両親が営む個人商店で集団万引きする」「チョーク」「

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【掌編小説】喫茶店の皿

【掌編小説】喫茶店の皿

 会社の昼休みによく行く喫茶店には額縁に入ったバスケットボールくらいの大きな皿が壁に飾ってある。

 どこの景色だろう。手前には真っ赤な花が咲き、後ろには草原、その背後には湖と山の影が見える。季節は秋だろうか。淡いタッチのその皿を見て、安いブレンドコーヒーをすする。

 しかし妙である。

 皿は食事に使われてこそ皿たりえるのにと考えれば、私はこの皿がひどく気の毒に思えた。

 それは技術者であっ

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【ショートショート】藤川球児的な

【ショートショート】藤川球児的な

 私の名前は芥川。あの芥川龍之介と同姓である。そんな共通点から私は小説家を志し、しかし挫折した。

 そんな私にも来月男の子が産まれる。私はこの子に是非、この果たせなかった夢を託したい。

 思えば阪神の藤川球児は「球児」という名前であればこそ、あれほどの投手になれたのだと思う。理科のスペシャリスト柳田理科雄の名が本名だと知ったときに私は確信した。

 「賞」。賞という名前を付ければ否が応でも「芥

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【掌編小説】置き引き

【掌編小説】置き引き

 この日本で泥棒なんてそうそう出会うわけがない。

 現に私は財布を落としたことはあっても盗まれたことはない。

 そういえば以前、雨の日の暗がりの道を歩いていたら、道端に二つ折りの財布が落ちているのを見つけた。好奇心で中身を見たら、レシートすらない、本当にすっからかんだった。

 だけどそれは周りに人がいないからこそ行われるわけで、人の目に怯えながらそれをやり遂げる心臓に毛が生えている奴なんてそ

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【掌編小説】少年とラリアット

【掌編小説】少年とラリアット

 ワンルームの俺の部屋に少年が立っていた。その少年は子役でもやってそうな、そんな女の子のような見た目をしていた。それで僕の腰くらいの身長で上目遣いでこっちを見てニコニコする。

 非常に可愛らしい。しかしなぜか無性にムカムカする。

「気を遣ってんじゃねーぞ」

 その瞬間、カッとなった俺は今まで一度もしたことがないラリアットをすることにした。下手くそなラリアットは少年の首を手首のあたりで捉え、そ

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【掌編小説】人にやさしく

【掌編小説】人にやさしく

 「高齢者には優しくしろ」って言葉嫌いだよ。だって、暗に「自分に優しくしろ」と言ってるようでなんかムカムカするじゃん。高齢者じゃなくても人には優しくするってんだよ。あんただけに優しくするほど興味ないし。
 こうやって喋ってると、むかし上の部屋に住んでいたおじいさんを思い出すね。
 学生の頃、住んでいたアパートの真上に独り身のおじいさんが引っ越してきたの。これが厄介でさ。大音量でテレビを聞くの。耳が

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魚行きて水濁る

魚行きて水濁る

   例えば、繁華街の少し入り組んだところを歩いている。奥まった路地に二つ折りの黒い財布が落ちているのを見つけた。お金がない私は出来心でその財布を手に取る。まわりに人はいない。中身を見ると3万と2000円入っている。さてどうしよう。

   私はここで葛藤する。人間に罪悪感というストッパーがついているからだ。これのせいで大変動きづらい。ときに道徳的な、非常に曖昧なところでこれが出ると私は悔しい。だ

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何も言えなくて…30

何も言えなくて…30

・何も言えなくて…夏

・何も言えなくて…おっととっと夏だぜ

・何も言えなくて…村にダムできる

・何も言えなくて…ストリートバスケ

・何も言えなくて…ダンクシュート

・何も言えなくて…お会計

・何も言えなくて…草

・何も言えなくて…草超えて森

・何も言えなくて…村の風習

・何も言えなくて…法廷

・何も言えなくて…控訴

・何も言えなくて…志摩スペイン村

・何も言えなくて…4人で

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素直になるか、煙に巻くか

素直になるか、煙に巻くか

 もうそのアカウントごとなくなってしまったが、一か月前にここで突然ある方に絡まれたことがあった。それで気になって、そのアカウントを覗いてみると、なにがそうさせるのかその人は一日に50本も100本も投稿をしていて、突然おかしなことを聞いてくるのもどこか納得という感じだった。

 それが、どうか同じ類いの人間と思われたくないというくらい、本音にトゲでも付けたような本当に理解できない過激な批判(というか

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善意のこと

善意のこと

 人間はやはりその節々になにか企んでいるような気がしてならない。無意識に行う善意の正体とはいったい何なのだろう。善意にもなにか裏があるようである。こうなると人間不信の一歩手前だ。しかし、それがいかようであっても私はそれを改めたいわけではない。ただ、肯定して赦す。これも言ってしまうとやさしさなどではない。 

 私が他者を赦すのは、もしものときに私もまた他者から赦してもらうためである。ならば、この憎

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継続は

継続は

 色味のない屋内の市民プールを泳ぐ。気の済むまでひとしきり泳いで、さて休むかとプールから上がる。隅の方にあったベンチへ歩み寄るとこれがぐっしょりと濡れている。妙な気持ち悪さを覚えるが、恐る恐るでも腰を下ろせば、なぜかすっかり平気になる。

 そうして、ずっと向こうの白いタイル張りの壁をぼんやり眺めていると、視界の端に他の泳ぐのが目に入る。少し呼吸も整ったので、もう一度泳ぐことにして、再びプールに足

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拝啓(春)

拝啓(春)

 冬の縮みこむような寒さの頃を少しずつ体が忘れていき、まだ肌寒い気温の中にも太陽の陽気を含んだ風のやわらかさに触れると、季節の変わったことをそっと告げるようです。 

 殺風景だった木々の枝からは幼い若葉が飛び起きるように顔を出しはじめ、松などの針葉樹はその葉の色がより一層つややかになっていき、冬には見向きもしなかったその鮮やかさに驚かされる毎日です。 

 近所の小川沿いを夜に歩いていると、雲一

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【掌編小説】二流の人

【掌編小説】二流の人

 同い歳におもむろに背中で語られると癪に障る。それは動物の本能がむき出しになるようで自分でも嫌になる。これが歳が一つ上だとか下だとかになると不思議なことに全く割り切って興味が失せる。 

 ここにひとりの天才がいる。全く正気なようだが、とはいっても常人のそれとは違って、私からすればイカれている。しかし人格が破綻しているわけでもなくて、それは実に緻密な芸術的つくりをしている。そして彼のせいで周りの人

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余白の魅力

 人は余白に幻想を見る。だから、真っ白なものは汚したくない。

 ところが誤って手を付けたが最後、そこには得てして思ったものとはかけ離れたフランケンシュタインが出来上がる。だから私は手を付けるのが恐い。かといってそれを恐れると、今度は流れるままに時は過ぎて、それはそれでやっぱり不完全なものが出来上がる。 

 未来というのもその類いで、これほど輝かしく見えるものはない。卑屈になって絶望したつもりで

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