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公園のベンチ

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女性同士の関係性がつよめな文字置き場
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2022年7月の記事一覧

【詩】邂逅

【詩】邂逅

敢えて脇道に逸れ、靴を放り裸足で草を踏んで駆け出したくなる夜
ラム酒を垂らしたバニラアイスをベランダでひと掬い

もったりと纏い付く七月の熱に晒され、つめたいかたまりは一秒と経たず舌を濡らして口内へ満ちた
上顎に舌を擦り付けるのは、そこがとても甘いから

するりとした粘膜の感触が不在を突きつけ、カップの隅に溜まった乳白色がアイスの存在を証明する

酸いも甘いも凝縮された日々は止める間もなく過去と成

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【掌編小説】アメリカンドッグの女

【掌編小説】アメリカンドッグの女

 時刻は早朝、早くて四時台から遅くとも八時までの間にその人はやって来る。注文は決まってアメリカンドッグ、これは絶対。あとは牛肉コロッケか、はたまたハッシュドポテト。夏場はそこに焼き鳥の塩(皮かモモのどちらか)が選択肢に加わる。
 コンビニで働いていると、よく来る客や一癖ある客のことは割と覚えてしまうものだけど、彼女もその一人だった。
 客の少ない深夜から早朝は、廃棄を減らすためにフライヤーケースは

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【掌編小説】炎天下の彼女

【掌編小説】炎天下の彼女

これは、上記作品のメグ目線のお話です。

 立ちのぼる蜃気楼は打ち水をもろともせず、あっという間に乾いた路面を踏んだ彼女の白いサンダルを、健康的に日焼けした首筋を伝い落ちる汗を、私はこっそりと盗み見る。
 地面に焼き付いたみたいな彼女の影を踏まないように少し後ろを歩いていると、「また変な遊びしてる!」と彼女の声が飛ぶ。
 誤魔化すように笑いながら、本当は言いたかった。

『汐ちゃんの影を踏んで、そ

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【掌編小説】同級生

【掌編小説】同級生

 カノジョの周りの空気は何だかキラキラしていて、口を開けばそこにふわふわが加わる。そして何気なく返した言葉に飾らない笑顔を向けられたら、制御困難なドキドキまで乗っかってくるんだから勘弁して欲しい。
 甘いお菓子の匂いがしそうなあの子は自然と男どもの視線を引き寄せちゃってんのに、当の本人はまるで無頓着なんだからアブないったらない。自分を良く見せることに必死なクラスメイトとは別の種類みたいな。とにかく

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【掌編小説】風鈴

【掌編小説】風鈴

 人差し指の第二関節に引っかけた風鈴を差し出すと、彼女は得意気な様子でニッと笑った。湿気った暑さに耐えかねて、『アイス!』と唸りながら出て行ったのが少し前。十五分余りで戻ったその手首に戦利品の入った袋を提げながら、どこで出会ったものか、新顔の風鈴が鈎型に曲げられた指の下で涼しげな姿を晒している。
 冷房が効いていようが、払いきれない暑気の滲む室内で交わすおかえりのハグは一瞬だ。炎天下から帰還した背

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