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【詩】邂逅

敢えて脇道に逸れ、靴を放り裸足で草を踏んで駆け出したくなる夜
ラム酒を垂らしたバニラアイスをベランダでひと掬い

もったりと纏い付く七月の熱に晒され、つめたいかたまりは一秒と経たず舌を濡らして口内へ満ちた
上顎に舌を擦り付けるのは、そこがとても甘いから

するりとした粘膜の感触が不在を突きつけ、カップの隅に溜まった乳白色がアイスの存在を証明する

酸いも甘いも凝縮された日々は止める間もなく過去と成ったのに
触れ合ったパーツのひとつひとつが未だにあなたのカタチを覚えてる







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