
この世界を生き抜くための究極のガイド本『視えない世界はこんなに役に立つ』冨山詩曜著・ブックレビュー
今回は本の紹介です。
『視えない世界はこんなに役に立つ』冨山詩曜著(ヒカルランド、2016)という本です。

ずっと気になっていた本なのですが、何となく「今読むべき」と感じて読んだところ、めちゃくちゃ面白い本でした。
この1~2年で読んだオカルト関連本(50~60冊)の中でも最も興奮しました。
表紙やタイトルを見ても分かるように、自己啓発のカテゴリーに属する本と言っていいと思うのですが、いい意味で規格外の内容なのです。普通にビジネス書だと思って気軽に手に取った場合、結構大変なことになると思います(笑)。
というのも、内容的には「視えない世界」、つまり「「あの世」などの不可視領域を理解することが、この世界を生きる上でこんなに役にたちますよ」というタイトル通りの内容で、生きる上で役立つ本であることは間違いないのですが、そのアプローチが規格外なのです。
では、どう規格外なのか。
本書の内容は、おおまかに前半と後半に分けられます。
その前半だけでも、一冊の本として成立しそうなほどの内容であるにもかかわらず、後半がそれを凌駕してくる点がまず規格外なのです。
本書で扱われている題材を並べてみるだけでも、ワクワクします。
「うしろの百太郎」と日本のオカルトブーム、心霊現象研究協会SPR、19世紀スピリチュアリズム、コックリさんとウィジャ盤、超能力、神と信仰、プラセボ(自己暗示)、チャネリング、気、ヒーリング、体外離脱(ヘミシンク)、リモートビューイング、幽霊(霊視・浄霊)、言霊(思いの力)、量子力学、パラレルワールド、転生(過去生)、意識と無意識、霊界との通信(ITCおよびEVP研究による物理現象)…など。各分野の有名人も都度登場します。
前半は、著者自身の不思議体験や、徹底した調査に基づく分析によって、オカルトおよびスピリチュアルの世界が紐解かれていきます。これが、とにかく読み物として面白いので、オカルト入門としても相応しい内容だと思います。
そして、先述の通り、後半の内容が壮絶なのです。
あまりの興奮で、読み終わったあともしばらく呆然としてしまったほどです。
内容は、一言で言えば死後の世界の住人との交信記録です。
ざっくり説明すると、ITCという電子機器による霊界通信の歴史についてや、1990年代にイギリスで活動していたスコールグループという研究チームが行った、心霊現象を物理的に記録する実験の詳細がメインとなります。
死後の世界の住人との交信自体は、そこまで珍しいことではないかもしれませんが、ITCなどの装置による実験のすごいところは、音声や映像(物理現象)として送受信し記録するという点です。
そもそも霊界の人って喋れるの?姿かたちはあるの?と、疑問が浮かびますが、答えはすべて「YES」でした。
従来の、霊媒が受け取るイメージを自動書記などで伝聞するものや、コックリさんやウィジャ盤などの道具を使用した方法を、さらに発展させたものとも言えるでしょう。
最終的には、「ビデオ実験」によって、あの世の住人の映像を受信することにも成功したそうです(写真が収録されています)。
これらのプロジェクトに関わる重要人物の一人フレデリック・マイヤースさんは、1901年にすでに亡くなっていますが、生前に「死んだら霊界からメッセージを送るから、よろしく」という旨の書面を残してこの世を去りました。そして、亡くなってから二十数年後に、約束通りに死後の世界からの通信を成功させました。
興味深いのは、マイヤースさんら研究者が、あの世側からスコールグループに対して、「あーしろ、こーしろ」と実験方法を指示してくる点です。その内容も、普通に生きている人とやり取りするのと何ら変わりなく、具体的な内容で(時には図面付きで)送られてきます。研究者たちは、死後もあの世で研究を継続していたのだといいます。
私の想像では、あの世の住人は、意識体としてぼんやりと存在しているイメージでしたが、そんな「物理的」な行為も可能なのか!と驚いてしまいます。
そして、中には「あっと驚くような著名な故人(エがつく人とか!)」も数名、この通信によって実験に関わることになります。
このようなエピソードを読むうちに、「あの世」の存在がただの概念ではなく、より身近なものとして感じられるようになってくるのがこの本のすごいところです。
ちなみに、著者の冨山氏の公式HPの情報によれば、スコールグループについて詳細が書かれた本というのは日本ではまだ無いそうなので、資料性という意味でも貴重でしょう。
とはいえ、今書いたようなことを、すんなり信じられる人のほうが少ないだろうと思います。
しかし、その点に関しての配慮が、実はこの本の魅力の一つでもあるのです。
というのも、前半部分が、壮絶な後半を完走するために必要な、いわばウォーミングアップの役割を果たしているのです。
個人的にですが、この構成には長い月日をかけた知恵と工夫(愛とも換言可能でしょう)が詰め込まれているように感じられて、深い感銘を受けました。
そして何より、この本の素晴らしいところは、主題でもある「幸福をもたらす法則」について、一切のフェイクなしに書かれている点です。
とはいえ、もちろん「科学的根拠」に基づいたものではないでしょう。
しかし現実に、既存の科学では説明できない現象は存在し、そこからしか得られない知見があるのも事実です。
その意味では、著者が長年にわたり収集した多くのエピソードと、それに基づく実践をベースにしている点は、大きな意味があると感じます。
その具体的方法のヒントとなるのは、人それぞれに抱える「心のリミット」という概念です。
例えば、幽霊は信じるけど超能力は信じない、超能力は信じるけど宇宙人は信じないなど、超常現象に対して許容できる範囲というのは人それぞれです。実は、この「リミット」が、幸運を引き寄せることを邪魔しているのです。
なぜなら、この物質世界は、非物質世界(視えない世界)と密接な関係にあるため、視えない世界について知り、視えない世界を攻略することこそ、この現実を変えることに他ならないからです。
これ以上の内容については本書に譲りますが、この心に課せられたリミットを少しずつ外していくためのガイドとなるのが、本書というわけです。
ちなみに、冨山氏の公式サイトやブログのテキストも以前から読ませてもらっていたのですが、正直少し難しいと感じる部分もありました。ですが、本で読んでみると不思議とすらすら読めたのも嬉しかった点です(恐らく読みやすく書かれているのだと思います)。
冨山氏は、現在発売されている月刊『ムー』3月号にも「逆説の未来予言 世界線とマンデラエフェクトの謎」という特集を担当されていて、この『視えない世界~』の発展形といえる論考でめちゃくちゃ面白いので、併せておすすめします。
最後に感想を一言で言うなら、生命はすべてエネルギーの活動であり、それらが息づくこのフィールド(宇宙)はとてつもなく広大である、ということになるでしょうか。
というわけで、オカルトおよびスピリチュアルに興味のある方にはぜひ読んでみてほしい一冊です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
冨山詩曜氏のHP
https://www.asahi-net.or.jp/~qr7s-tmym/index.html
冨山氏自身による本書の紹介
https://ameblo.jp/siyohtomiyama/entry-12156115028.html