星の花育成キット【短編小説】
『きらきらの星、育てませんか? 一週間であなたの星が咲きます!』
ホームセンターのワゴンに、そんな文言の書かれた箱がたくさん積まれていた。手に取って値段を見てみると、元の値段が二重線で消されて、その値段の半額以下の数字に書き換えられていた。お菓子みたいに安い値段だったので、一つ買ってみることにした。
家に帰って箱を開けてみると、何の変哲もない植物栽培キットが中から出てきた。プラスチックのポットに、ちょっとふかふかした土。そして……星の種というよりも「埃」みたいな種一粒